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米国の死亡率、10年超にわたり高止まりか-コロナ禍の経済的打撃で

  • 新型コロナウイルス感染症、健康に長期的影響-研究者
  • 向こう20年間の死者数、コロナ禍で137万人増加も

米国では新型コロナウイルス流行による経済的影響が長引き、10年以上にわたり死亡率が高止まりする可能性がある。深刻な不況による健康への長期的影響が鮮明になりそうだ。

  デューク大学とハーバード大学、ジョンズ・ホプキンズ大学の研究者による研究論文によれば、向こう15年間で米国の死亡率は3%上昇し、平均余命は0.5%縮まる見通しで、米国の死者数は89万人増えるという。向こう20年間では死者は137万人の増加が見込まれる。

  短期的には黒人と女性に打撃が偏るが、白人男性にも長期的な影響が及ぶ可能性がある。新型コロナウイルス感染症(COVID19)に起因する経済的影響の直接の結果として、市民10万人のうちアフリカ系米国人がさらに33人、白人が25人死亡する可能性がある。

  今回のデータは、ワクチンが広く利用可能になり、連邦政府からの短期支援で国民の収入が支えられた後も、長期的な影響を伴う不況が波紋を広げる状況を浮き彫りにした。

  シカゴ大学のケイシー・マリガン教授による別の研究論文によれば、米国では新型コロナのパンデミック(世界的大流行)と不況の中で自殺や薬物の過剰摂取による絶望死が最大60%増加したという。

原題:
U.S. Risks Years of Higher Mortality on Covid’s Economic Fallout(抜粋)

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