はじめに
この記事では、スーパーデッキ2021の評価、改造案を解説する。
評価の方は、デッキとしての完成度およびパーツの優秀さに注目してコメントした。 カード評価の基準は次の通り。
- S:収集必須の汎用カード
- A:かなりの汎用性を持つ優秀カード
- B・C:特定のデッキで活躍する良カード
- D:崩しても問題ない微妙なカード
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※デッキビルダー2021はデッキとしての完成度を求める商品ではないため、割愛。
基本情報
3000ジェム or 引換チケット(2020/12/22-2021/01/14限定)で購入。 同じデッキは1回しか購入できない。 ナンバリングはDMPS-01,02,03。
<表:スーパーデッキのレアリティ配分>
レアリティ | 枚数 |
---|---|
SR | 6 |
VR | 3 |
R | 9 |
UC | 12 |
C | 6 |
PR | 4 |
PRカードは分解できない。
PR以外の36枚を全て分解すると5130pt。 仮に3000ジェムを1日初回割引に使って全て砕いた場合、約212 x 30 = 6360pt。 分解目的なら割引パックがお得である。 欲しいSRが1枚でもあれば、スーパーデッキの方がお得。
共通
3000ジェムと高額なだけあって、内容は割と豪華。 完成度も高めなので、買ってそのまま遊ぶのでも楽しいと思う。 ただし、それもあくまで「構築済みデッキとしては」の話。 提示されたコンセプトで組むなら、いくらでも良い構築になる。
総合的に、どのデッキも割とオススメ。 好きな文明やテーマがあるか、既に持っているデッキと似た路線のものがあるなら、迷わずそれを取るべきである。
あえてざっくり比較すると、
- 汎用カードの充実度 デーモン>エンジェル>ドラゴン
- コンセプトの完成度 ドラゴン>デーモン>エンジェル
- デッキの拡張性 エンジェル>ドラゴン>デーモン
といったところ。 高汎用カードに関しては、《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》《アクアン》《口寄の化身》のどれを取るかで迷う。
2020/12/30-2021/01/08には、この3デッキの中身を10枚まで入れ替えた構築で戦うSPルールマッチが開催される。 少し気が早いが、今回の改造はそのルールに従おうと思う。
DMPS-01 レイジ・オブ・ドラゴン
- 完成度:A
- おすすめ度:A
《コッコ・ルピア》《ペッペ・パイン》でドラゴンを軽くして、 《超竜ヴァルキリアス》や《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》の降臨を狙うドラゴンデッキ。 もう1枚のSR《紅神龍バルガゲイザー》を使いたければ、もっとドラゴンまみれのデッキレシピにした方が良い。
《石板》→《ルピア》or《パイン》→ドラゴン→《ヴァルキリアス》からの《サファイア》で、最速5ターン目にシールドを3枚焼却しながら殺し切れる。爆発力が非常に高いデッキである。
ドローは《バルキリー・ドラゴン》2枚のみと非常に薄い。6マナ前後のごり押しカードも足りていない。 《ルピア》《パイン》を潰されると動きが止まり、手から《ヴァルキリアス》を出すしかなくなってしまう。
さり気なく優秀トリガー《地獄スクラッパー》が4積みされているのは評価が高い。 ただ、この3デッキのSPルールでは小型クリーチャーが少ないため《スクラッパー》は腐りやすい。
カード評価
S 《地獄スクラッパー》《鼓動する石板》
A 《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》《ナチュラル・トラップ》《コッコ・ルピア》《龍の呼び声》
B 《フレイムバーン・ドラゴン》《無双竜機ドルザーク》《ペッペ・パイン》《超竜ヴァルキリアス》《紅神龍バルガゲイザー》
D 《ボルスレッド・ファイアードラゴン》
《サファイア》はターボ系やコントロールの切り札として引っ張りだこ。 フィニッシャーとしてはかなりの汎用性を誇る。 しかし、《スクラッパー》《石板》《サファイア》を除くと、ほとんどがドラゴンデッキ用のカードである。 総合的な汎用性は微妙。
改造案
- IN
- 《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》x1
- 《無双竜機ドルザーク》x1
- 《ストリーミング・チューター》x4
- 《アクア・サーファー》x4
- OUT
ターボからの《ヴァルキリアス》《サファイア》のコンセプトをより通しやすくするために改造。
《ストリーミング・チューター》4枚で息切れを防止。無ければ《トリプル・ブレイン》でもいい。 青確保のため、他のトリガー枠を削って《サーファー》を4枚投入。 この時点で残り2枚。
2枚のうち1枚は《サファイア》増量に充てた。 2枚だとマナにいないかもしれないので、可能なら《サファイア》を3枚積んでおきたい。 《バルキリー・ドラゴン》で持ってくることもできるが、 このレシピはアーマード・ドラゴンが5種もあるため探索がちょっと不安。
もう1枚は《無双竜機ドルザーク》。ここは特に考えがあるわけではないので、好きなカードを入れたらいい。
DMPS-02 セイクリッド・エンジェル
- 完成度:A
- おすすめ度:A
《ヘブンズ・ゲート》でブロッカーのエンジェル・コマンドを展開し、ブロッカーで場をガチガチに固めるデッキ。 対ビートダウンには《天海の精霊シリウス》を中心としたカウンター戦術で、 対コントロールには《聖霊王アルファディオス》のロックで勝ちに行く。 現実問題として、この構築で《アルファディオス》に辿り着くのは困難だが……。
ドローもブロッカーも豊富で、非常に安定したプレイングができる。
一方、確定除去は1枚も無く、相手のクリーチャーは全てブロッカーで捌き切る構成である。 物量攻めや巨大クリーチャー、システムクリーチャーなどへの対応力は低い。 相手に干渉するカードである《ホーリー・スパーク》がカギになるか。
《護法の精霊アムシオン》はクセの強いSRだが、この構築にするなら良く活躍してくれると思う。 逆に《アクアン》は、この3デッキのSRの中で最も汎用性の高いカードではあるものの、 この構築だとドロー呪文を落としてしまうので本領が発揮できない。
カード評価
S 《アクアン》《ホーリー・スパーク》《エナジー・ライト》《ブレイン・チャージャー》
A 《トリプル・ブレイン》《神門の精霊エールフリート》《電脳聖者タージマル》
B 《ヘブンズ・ゲート》《ソーラー・チャージャー》《護法の精霊アムシオン》《清浄の精霊ウル》《聖霊王アルファディオス》《栄華の精霊メルセウス》
C 《天海の精霊シリウス》
D なし
《エナジー・ライト》《ブレイン・チャージャー》がデッキビルダー2021と被るためあまりコスパが良くない。
【天門】専用パーツのラインナップは無難に充実している。 しかし、環境最先端のレシピはかなり尖っているため流用できるのは《ヘブンズ・ゲート》だけである……。
改造案
- IN
- OUT
《アルファディオス》をフィニッシャーに起用するのはそのままに、デッキパワーを補強した。
まずは《聖騎士ヴォイジャー》を4枚入れて、《アルファディオス》召喚を現実的にする。
《アルファディオス》を入れない場合でも、エンジェル・コマンドが大量にいるので恩恵は大きいだろう。
3枚しか無かった《ヘブンズ・ゲート》を4積みにし、さらに強力ブロッカー《悪魔聖霊バルホルス》を追加。物量対処と盤面干渉を補完する。
《血風聖霊ザーディア》を積む手もあるが、《護法の精霊アムシオン》との相性が良いのは《バルホルス》だと判断した。
SRなのは資産的に優しくない。持っていなければ《シリウス》や《スパーク》を入れ替えずに残しておく。
直接的な確定除去が皆無なのが不安なので、《魂と記憶の盾》を2積み。
《アクアン》ではなく《トリプル・ブレイン》を抜いたのは、《エールフリート》の探索を少しでも安定させるため。
DMPS-03 リターン・オブ・デーモン
- 完成度:A-
- おすすめ度:A
マナブーストを連打してデーモン・コマンドを出し、《悪魔神ドルバロム》に繋ぐデッキ。 《暗黒導師ブラックルシファー》《悪魔神ロックデウス》《無敵悪魔カースペイン》のビートダウンがサブプランになっている。
レイジ・オブ・ドラゴンと同様、ブーストが上手く決まればどんなデッキにも勝ち目がある。 3→5→7→9からの《邪霊神官バーロウ》で、最速6ターン目の《ドルバロム》を狙おう。
ドローは《口寄の化身》2枚、《ディメンジョン・ゲート》2枚、《リバース・チャージャー》3枚。 全くハンデスされなければ《ドルバロム》降臨までギリギリ足りるくらいのリソースである。
【ドルバロム】のお約束としてアグロに弱い。 アグロがいないSPルールではかなり優位に立てるのではないか。
《デーモン・ハンド》《不浄の魔人ジャラ》《死の宣告》と、意外とトリガーが充実している。
カード評価
S 《デーモン・ハンド》《口寄の化身》
A 《リバース・チャージャー》《無頼魔獣ギガヴォル》《ボーンおどり・チャージャー》《ダーク・ライフ》《死の宣告》《浮上の魔人ジャラ》
B 《悪魔神ドルバロム》《邪霊神官バーロウ》《ディメンジョン・ゲート》《暗黒導師ブラックルシファー》《無敵悪魔カースペイン》
C 《悪魔神ロックデウス》《従獄の凶獣ドルベロス》《青銅の鎖鎌》
D なし
レアカードは《口寄の化身》が魅力的。
そのほかも、私好みの渋い優良パーツが充実している。 汎用性は割とあるのだが、環境カードでもないので評価に困る。
改造案
- IN
- 《ロスト・チャージャー》x4
- 《邪霊神官バーロウ》x2
- 《傀儡将ボルギーズ》x2
- 《口寄の化身》x1
- 《解体人形ジェニー》x1
- OUT
- 《ボーンおどり・チャージャー》x3
- 《ディメンジョン・ゲート》x2
- 《死の宣告》x2
- 《悪魔神ロックデウス》x2
- 《従獄の凶獣ドルベロス》x1
《バーロウ》からの《ドルバロム》に特化した構成に改造した。 そのキーパーツとなる《ロスト・チャージャー》《バーロウ》をフル積みにするところまでは確定で、残り4枚。
まずはドローを補強する目的で、《口寄の化身》を1枚増やした。 《ドルバロム》との噛み合いが悪いのを承知で、さらにもう1枚増やしても良い。そのくらいドローは大事である。 代わりに《二角の超人》でも構わない。 どちらも持っていなければ、《ディメンジョン・ゲート》を残す。
残りスペースには、軽量除去の《ボルギーズ》を2枚、ハンデスの《ジェニー》を2枚積んでみた。 序盤~中盤の動きにブースト以外のバリエーションをつけてやると、対応力が上がるはず。
《ロックデウス》が抜けたことで《ブラックルシファー》が弱体化しているのがマズいかもしれない。
おわりに
ようやく、これぞ構築済みデッキと呼べるものが出てきた感じがする。 相変わらずトップメタのデッキと張り合うことはできないが、 とりあえず遊べればいいという需要を満たすには十分である。
SPルールの記事はまた別に書く……かもしれない。