新種の可能性、鳥類に近い小型獣脚類の化石…恐竜から鳥への進化の過程解明に期待
2021年01月09日 13時30分 読売新聞
2021年01月09日 13時30分 読売新聞
2021年01月09日 10時45分 読売新聞
大腿骨(中央)など恐竜の化石が含まれる岩塊のレプリカ
北海道むかわ町穂別博物館と北海道大は、同町穂別地区で発見された化石が、白亜紀後期の、鳥類に近い小型獣脚類の恐竜の骨であると発表した。鳥類に近い小型獣脚類の化石は全国でも珍しく、新種の可能性もあるという。
化石は町内のアマチュア収集家が1990年ごろに発見し、2002年に同館へ寄贈した。同館で、化石を含む丸い岩塊(直径約20センチ)から骨の化石を取り出す作業を進めたところ、恐竜とみられる大腿(だいたい)骨、肋骨(ろっこつ)、骨盤などが現れた。北大総合博物館の小林快次教授の鑑定で、約1億年前~約7200万年前の白亜紀後期の小型獣脚類と分かった。
小林教授らによると、獣脚類の化石は道内2か所と長崎県、熊本県で発見されているが、いずれも中、大型とされる。今回は大腿骨が約14センチと小型で、形状から鳥類に近いという。
小林教授は「恐竜から鳥へ進化する過程を解明する上で、非常に重要な情報が含まれている」と意義を強調している。