『緊急事態宣言』菅総理に聞く　全編ノーカット1[2021/01/08 23:30]

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7日に東京・埼玉・千葉、神奈川の1都3県を対象に緊急事態宣言が出されました。緊急事態宣言に踏み切った理由はなんだったのでしょうか。菅義偉総理大臣に聞きました。

（Q.8日の東京都の感染者数は2392人と2日連続で2000人を超えました。この数字はどう見ていますか？）
去年の暮れにですね、1300人というのがありました。あの数字を見た時に、かなり先行き大変だなと思いました。（2週間前からは）想像もしませんでした。

（Q.何故こんな爆発的に増えたと思いますか？）
専門家の先生方から私も色んな話を伺って対策をしていますが、やはり気温が非常に下がってきた。それと、やはりこの時期に飲食に行くお客さんがたくさんいたということじゃないかなと言っています。東京で約6割の人が感染経路不明です。そのうちの大部分は飲食店だと。これは専門家の委員会にも先生方言っています。そうしたことからすれば、一番多い時に差し掛かってきているというような感じですね。

（Q.飲食について、分科会や西村大臣が12月、東京都に午後8時の時短要請を提案していましたが、10時のままでした。こうしたことが感染拡大の原因としてあげられますか？）
原因というよりも、私どもも分科会でもお願いしましたが、東京は東京のやり方でやりたい、例えばイルミネーションを消すとか、色んなことをやられたと思います。ただ、一貫して、分科会の先生方は、8時を強く要請されていたのかなと思います。

（Q.総理と小池知事で、膝を突き合わせて話す場は設けられませんでしたか？）
色んなことを今言われていますけど、よく電話をしています。私、その時も8時でお願いしたいということは申し上げました。しかし、その時、知事は「他の方法で努力します」ということを言われていました。

（Q.結果的には、小池知事をはじめ、1都3県の知事が総理にお願いする形で緊急事態宣言を発出するという運びになりました。もっと早く緊急事態宣言を出すべきだったと思いますか？）
ここは、色んなご批判もあろうかと思いますけども、ただ私自身が判断をしましたのが、やはり年末の1300人。あの数字を見た時に、判断をしなきゃならないのかなという風に思いました。

（Q.専門家からは「対応はソフト、飲食店以外の対策が明確ではない」「（すべての業種で）一斉に止めなければいけないという形を取りたくないという思いは強かった。効果が不十分になる懸念はそれぞれ持っている」という意見も出ていますが、どう受け止めていますか？）
まずは、今回4点を重点的にお願いをしています。『飲食については午後8時まで』『午後8時以降の不要不急の外出自粛』『テレワークは7割』『イベントは収容率50％、または5000人以下』そういう形のことを出させて頂いています。分科会の尾身先生は「とにかく皆が一つになって、このことを進めていけば、そこは可能。しかし、一緒にきちっとやらないとなかなか難しい」と話していました。

（Q.西村大臣は感染者数が10万人あたりで25人、東京都に換算すると一日500人以下に下がっていけば、判断基準の1つになるんじゃないかと話していました。出口の基準はどう考えていますか？）
まず、ステージ3に早くなることの方が大事だと思います。それと、どういう方向に進んでいるかということが大事だと思います。先ほど言われた4つの点を、まずはしっかりやって頂く。それと同時に今回の特徴は、30歳以下の若い人が半分を超えています。若い人は重くなりませんから、簡単に考えているふしが多分あるんだろうと思っています。しかし、感染してしまうと、両親や祖父母、あるいは友達にも感染が広がっていくことはあるわけですから、そのなかで1人1人の行動をしっかり責任を持ってやってほしいと思います。

（Q.数値などの目標はありますか？）
この目標というのは、なかなか難しいと思います。例えば、ステージ3になるには、病院の状況など、色んなことが複雑に絡んできます。ただ、一番分かりやすいのは、感染者が下向きになる。ここが一番大事だと思っています。とにかく基本はマスク・手洗い・三密回避、ここが基本であることは間違いないと思います。

（Q.緊急事態宣言の対象拡大や延長の可能性はありますか？）
今の宣言の中では、1カ月こういう宣言でやりたいということを決めてやらせて頂いています。これも諮問委員会にかけて、先生方の色んなご意見を聞きながら、1年間学習してきた効果として、飲食に的を絞って全力でここをやろうという目標でやってきました。

（Q.一カ月やってみて、結果が今一つ出なかったら、対象拡大や延長した時に内容が厳しくすることは考えていますか？）
過程のことは考えないです。とにかく1カ月、国民の皆さんに協力をお願いしていますから、協力頂いたら必ず目的を達成できるように、ありとあらゆる策をしっかりやっていきたいと思っています。

（Q.飲食店への協力金は上限6万円となりました。ただ、協力金の対象とはならない人も多くいます。さらなる支援、例えば持続化給付金の第二弾はありますか？）
まず、持続化給付金というよりも、例えばパート・非正規も含めて、雇用調整助成金、これ初めて前回やらしてもらいましたけど、こうしたことはやらしてもらいたいと思います。それで、飲食店が午後8時までに閉店して、影響が出る人たちの支援策は今、前向きに検討しています。

（Q.前回のように一律10万円の現金給付は考えていますか？）
現時点においては、飲食店という対象を絞って取り組んでいますので、それに関係をしている人という風に考えています。

（Q.今は感染対策を強化する時ですが、一方で失業率が1％上がると、自殺者が1800人も増えるという調査もあります。例えば、非正規の人のように、失業しても要件を満たさないために失業保険が受けられていない方がたくさんいますが、こうした人々に手を差し伸べる考えはありますか？）
非正規とかパートでも、雇用調整助成金はしっかりとやりたいと思っています。それと同時に、日本の失業率は、先進国の中で圧倒的に低いです。ただ、今回これだけの感染者が出ているので、コロナウイルスの感染拡大防止を政府として今、最優先で取り組んでいますが、その経済というものも見ながら、必要な人には支援をしていくことが大事だと思っています。

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