【動画】記者サロン「コロナのもやもや 今こそ必要な対策は」。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、必要な対策だけでなく、実は不要な対策とは何かを、専門家を交えて考えました。
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 新型コロナウイルスには感染したくない。でも、過剰な対策は控えたい――。医療サイト「朝日新聞アピタル」は11日、オンライン記者サロン「コロナのもやもや 今こそ必要な対策は」を開催した。667人が視聴し、寄せられた質問や意見は400件以上。政府の新型コロナ対策分科会メンバーでもある川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長と、国立病院機構仙台医療センターの西村秀一ウイルスセンター長が答えた。

拡大する写真・図版記者サロンに臨む西村秀一氏(右上)と岡部信彦氏(右下)=オンライン動画から

 ――帰宅後、店で買った品物に消毒は必要か。

 岡部 常識的には必要ない。新型コロナの感染者がすぐそばにいて、商品に向かってせきをしたら必要かもしれないが、そういう状況は考えにくい。

 西村 世の中は、「ペンキ塗り立て」のようにウイルスが蔓延(まんえん)している状態ではない。店の中の商品にウイルスがいたという証明をした人は、誰もいない。

手指消毒は「アリバイ作り」

 ――店に入るたびに手指消毒を求められるが。

 岡部 毎回必要なものでもないと思うが、ノロウイルス対策などもひっくるめて、やること自体は悪いことではないと思う。エチケットとして、自分のためというよりも、他の人のためにやるという面が強い。だから、やらないときがあっても別に悪くはない。

 西村 やりすぎでしょう。誰のためにやっているのかというと、店の人のためにやっている部分が大きい。その消毒で何がどう守られるのか。本当に消毒するのなら、手を洗って汚れを落とし指先なども丁寧にやるべきだ。アリバイ作りみたいなものだ。

 ――入り口などでの検温は?

 岡部 SARS(重症急性呼吸器症候群)のときも、新型インフルエンザのときも、検疫などでのサーモグラフィーで見つかったことはほとんどない。ただ熱のある人が、遠慮することにつながる抑止効果はあるかも。必須かというと、必須ではないが、あってもいい。

 西村 あってもいいが、あまり頼りにするのはよくない。サーモグラフィーがよく使われているが、外から来たばかりの人はこれからの季節は、寒いから体温が34度や35度と計測されてしまう。夏は暑いから37度、38度くらいになる。その程度のもの。

 ――帰宅後すぐの入浴、衣類の着替えや消毒は?

 西村 花粉みたいにいっぱい飛んでいる状態であればやらなくてはいけないかもしれないが、ウイルスは空気中にそんなに飛んでいない。たとえ花粉のようについていたとしても、感染性はない。そのリスクを証明した人はいない。

 岡部 外出すると、それはもういろんな汚れがついている。その汚れを家の中に持っていくのは清潔か、という点ではあまりよくない。家の衣類と外の衣類は分けた方がいい。ただ、その都度の消毒までは必要ないと思う。

 ――屋外で1人で歩くときもマスクは必要か。

 岡部 広い空間、特に戸外などで空気中にウイルスが舞っているというのはあり得ない状況。ウイルス感染を防ぐためなら必要ない。人とすれ違ったぐらいでうつるほど感染力が強いとは証明されていない。

 西村 ウイルスの性質ではなく確率論。患者が空中に出すウイルスは多くはない。よほど近くに患者がいない限りそのウイルスを吸う確率は非常に低い。

 ――飛沫(ひまつ)防止というマスク本来の機能を考えた場合、何を選ぶべきか。

 西村 まずは、マスクの前に、あのマウスシールドはやめましょう。あれでみんな感染対策をしているみたいな気になっているが、ほとんど意味がないので。マスクは種類や製品によって玉石混交だ。周りに迷惑をかけたくないから着けるマスクなのか、自分は守られたいからやるマスクなのか。また、マスクは質だけではなく、着け方次第だ。ちゃんとフィットしないと意味ない。

 ――複数の会食だけでなく、1人での外食も避けた方がいいのか。

 西村 その判断は難しい。客が…

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