総合力にすぐれたパソコンを買いたい人必見! 第11世代CPU搭載ノートPCの中でもとりわけ“高性能”の証 「インテル® Evo™ プラットフォーム」徹底解明
2020年9月、インテルから最新CPU「第11世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」が発表された。本CPUは前世代モデルに比べてパフォーマンスが約20%向上したうえ、「インテル® Iris® Xe グラフィックス」を内蔵することで、グラフィック性能が最大2倍に向上したと話題だが、これと同時にインテルから発表された「インテル® Evo™ プラットフォーム」については、まだあまり知られていないのではないだろうか? 本特集では、「第11世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」の高いパフォーマンスを検証するとともに、「ユーザーがベストな体験をできる」という、「インテル® Evo™ プラットフォーム」の魅力を解説。同プラットフォームに準拠した注目の最新ノートPCも紹介していく。
新プラットフォーム第11世代CPUとともにインテルが発表した「インテル® Evo™ プラットフォーム」とは?
2020年9月にインテルから発表された「第11世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」は、新世代と呼ぶにふさわしい高性能を実現した最新CPUだ。「Tiger Lake」の開発コードネームで知られるこのCPUには、第10世代(Ice Lake)と同じ10nmのプロセスルールながら、性能を大幅に向上させた10nm SuperFin テクノロジーを採用。さらにマイクロアーキテクチャーを、第10世代の「Sunny Cove」に改良を加えた「Willow Cove」に進化させることで、処理性能と電力効率のアップを実現した。「インテル® ターボ・ブースト・テクノロジー2.0」作動時の最大周波数についても大きく引き上げられるようになり、トータルで約20%のパフォーマンス向上を実現している。
また、内蔵エンジンの実行ユニット(EU)数を従来の64から96へと増加させた最新の内蔵GPU「インテル® Iris® Xe グラフィックス」の採用により、グラフィック性能が最大2倍に向上。エントリークラスのディスクリート(外付け)GPUと同程度の性能を、薄型のノートPCでも発揮できるようになったという。
コア数 | スレッド数 | グラフィック (EU) |
キャッシュ (MB) |
TDP (W) |
最大クロック (GHz) |
|
第11世代インテル® core™ i7-1165G7 プロセッサー |
4 | 8 | 96 | 12 | 12~28 | 4.70 |
第10世代インテル® core™ i7-1065G7 プロセッサー |
4 | 8 | 64 | 8 | 12~25 | 3.90 |
ノートPC市場におけるビッグニュースと言える、「第11世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」の発表に世間の耳目が集まるのは当然であり、すでに同CPUを搭載したモデルが続々と発売されているが、本特集のメイントピックがこの新世代CPUにあるかと言えば、実はそうではない。同CPUと同時にインテルから発表された「インテル® Evo™ プラットフォーム」こそが、本特集のメイントピックである。
「インテル® Evo™ プラットフォーム」とは、「第11世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」の搭載を前提に、8GB以上のメモリーや256GB以上のNVMe接続SSDの搭載、「インテル® Wi-Fi 6(Gig+)」や「Thunderbolt™ 4」への対応など、次世代のノートPCが満たすべき要件をクリアすることで、「ユーザーがベストな体験をできる」製品を作り上げていこうという取り組み。メモリーやストレージ以外にも、「スリープからの復帰が1秒以内」「フル充電時からのバッテリー駆動時間が9時間以上」「30分の充電で4時間以上のバッテリー駆動が可能」など、さまざまな要件が定められており、これらをすべて満たした製品には、「インテル® Evo™ プラットフォーム」ロゴが与えられ、ユーザーが高性能な製品を選ぶ際の大きな指標になる。
また、一般的なノートPCは、バッテリー駆動時間節約のため、電源ケーブルをACに挿している時は性能が高く、挿していない時は性能が低くなる傾向にあるが、「インテル® Evo™ プラットフォーム」では、ユーザーが外出先で実際にノートPCを使用するシーンを想定して検証を行っており、ACに挿していない状態でも性能が落ちることはないと言う。そのため、1日程度の外出ならACアダプターを持ち歩く必要がないのもうれしいポイントと言えるだろう。
パソコン売り場に足を運んだのはいいものの、ズラリと並ぶノートPCを前に、「どれを選べばいいの?」と頭を抱えてしまう人は少なくないはず。しかし、、一定の基準をクリアした「インテル® Evo™ プラットフォーム」のロゴが付いたモデルを選べば、間違いがない。「インテル® Evo™ プラットフォーム」は、第11世代CPU搭載ノートPCの中でもとりわけ“高性能”なモデルである証。言わば、製品選びに悩めるユーザーの道しるべになるというわけだ。
CPU性能テスト「第11世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」の実力をチェック
話は戻るが、前世代CPUから性能が大きくジャンプアップした「第11世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」。そのパフォーマンスはどれほどのものなのか? 実際に確かめるべく、「第11世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」搭載のノートPC(dynabook V8)と、「第10世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」搭載のノートPCを使用して、その処理性能を比較検証してみることにした。
新旧のCPUを搭載した2製品の基本スペックは以下の通り。製品の設計やチューニングによる多少の性能差は考慮しなければならないものの、メモリーは16GB、ストレージはNVMe接続の512GB SSDで統一し、CPUの性能差をできる限り純粋に比較できるようにした。早速、各種ベンチマークテストの結果を見ていこう。
第11世代CPU搭載ノートPC | 第10世代CPU搭載ノートPC | |
CPU | 第11世代インテル® core™ i7-1165G7 プロセッサー | 第10世代インテル® core™ i7-1065G7 プロセッサー |
メモリー | 16GB | |
ストレージ | 512GB NVMe SSD | |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
PCMark 10
まずは、パソコンの総合的なパフォーマンスを計測するベンチマークプログラム「PCMark 10」の結果から確認していこう。第10世代CPU搭載ノートPCのトータルスコアが4058なのに対して、第11世代CPU搭載ノートPCは4113。どちらも快適さの目安となる3000を大きく上回るハイスコアを記録したうえ、僅差ではあるが、第11世代CPU搭載ノートPCが第10世代CPU搭載ノートPCのトータルスコアを上回る結果となった。
ベンチマークプログラム「PCMark 10」では、第10世代CPUを上回る4113の好スコアをマーク。オフィスアプリの使用をはじめ、さまざまな場面で軽快なパフォーマンスが期待できそうだ
3DMark
DirectX11対応ゲームを想定したテスト「Fire Strike」を試したが、第11世代CPU搭載ノートPCのトータルスコアは、第10世代CPU搭載ノートPCのスコアを約95%も上回った。第11世代CPUが内蔵するGPU「インテル® Iris® Xe グラフィックス」は、前世代内蔵GPUの最大2倍の性能を持つという、インテルのうたい文句に偽りがないことを証明する結果となった。
「3DMark」のトータルスコアは、第11世代CPU搭載ノートPCが4963、第10世代CPU搭載ノートPCが2547。第11世代CPUの内蔵GPU、「インテル® Iris® Xe グラフィックス」のパワフルな処理性能を実感した瞬間だ
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
さらに、3Dゲームのベンチマークテストとして、中程度のグラフィック負荷の「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」を実施。「フルHD解像度/最高品質」でテストしてみたところ、第11世代CPU搭載ノートPCのスコアが4328、第10世代CPU搭載ノートPCのスコアが2655という結果に。内蔵GPUに「インテル® Iris® Xe グラフィックス」を採用しグラフィック性能にすぐれた第11世代CPUの特徴が、ここでも顕著に表れていると言えるだろう。
なお、インテルでは、どのゲームタイトルを「インテル® Iris® Xe グラフィックス」で動作させられるかを、ゲームメーカーとともに検証する「インテル® Iris® Xe グラフィックス検証サポート・プログラム」をスタートさせており、同社の公式サイト上で公表している。ゲーム初心者にとっては、こうした情報をもとにパソコン選びが行えるのはありがたいだろう。
第11世代CPU搭載ノートPCは、「フルHD解像度/最高品質」でスコア4328の「快適」、「フルHD解像度/高品質」でスコア5804の「とても快適」の評価を得た。薄型のノートPCで中程度の負荷の3Dゲームを快適に楽しめるというのは、率直に驚きだ
実使用でのパフォーマンス
実際の使用感を確かめるべく、複数のアプリを起動して同時並行で作業するマルチタスク処理や、画像編集、動画のエンコードなど、PCに負荷のかかるさまざまな作業を試してみたが、動作が緩慢になるなど、ストレスを感じる場面はなく、「サクサク」という形容がしっくりきた。作業中、CPUやメモリーの使用率にはまだまだ余裕があり、オフィスアプリの使用やWebブラウジングといった普段使いから、3Dゲームや、写真・動画編集などのクリエイティブ作業まで、幅広い用途で「第11世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」の処理性能の高さを実感できた。
ベストな体験「インテル® Evo™ プラットフォーム」がもたらす“ベストな体験”に迫る
ここからは、「インテル® Evo™ プラットフォーム」準拠のノートPCを使い、要件に設定されている各項目についてチェックしていくことにしよう。まずはパソコンの起動時間だが、今回使用した検証機の「第11世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」搭載ノートPCは、NVMe接続の512GB SSDを搭載しており、OSの起動にかかった時間はわずか約8.34秒、スリープからの復帰時間は約0.63秒と、「スリープからの復帰が1秒以内」という要件をしっかりとクリア。さらに、実使用において「フル充電時からのバッテリー駆動時間が9時間以上」「30分の充電で4時間以上のバッテリー駆動が可能」という要件をクリアしていることも確認できた。
処理性能に不安を覚えることもなければ、バッテリー残量を気にすることもなく、いつでも、どこでも快適かつ効率的な作業が行える。インテルがうたう「ベストな体験」とは、PCの“限界”を意識することなく、作業にとことん没入できることを指しているのだろう。
「インテル® Evo™ プラットフォーム」では、フルHD解像度以上の液晶ディスプレイを搭載していることはもちろん、スピーカー性能についても「高度で忠実性の高いオーディオコーデック/スピーカー・チューニングと『インテル® スマート・サウンドテクノロジー』」、マイク性能については「>6dB以上の信号対雑音比および+/-1dBマッチングのデジタルマイク×2」、インカメラについても「HD/720pおよび30fps以上」という要件が設定されている。これらを満たすことで、上質なエンターテインメント体験や、Web会議における高品質なコミュニケーションを得ることができるのだ。
ほかにも、「Thunderbolt™ 4」による高速なファイル転送や、「インテル® Wi-Fi 6 (Gig+)」の安定した通信も担保されるなど、なるほど確かに、「インテル® Evo™ プラットフォーム」が求める性能水準は高い。長くつきあえるすぐれたパソコンが欲しいのなら、「インテル® Evo™ プラットフォーム」ロゴの付いた製品を選んでおけば間違いはなさそうだ。
検証機のカタログスペックは、フル充電時からのバッテリー駆動時間が約24時間、30分の充電で約9時間以上のバッテリー駆動が可能となっており、「インテル® Evo™ プラットフォーム」の要件をきっちりと満たしていた
製品紹介「インテル® Evo™ プラットフォーム」準拠
注目の最新ノートPCはこれだ
本特集では、「第11世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー」のパワフルなパフォーマンスと、「インテル® Evo™ プラットフォーム」の要件についてお伝えしてきたが、その魅力がおわかりいただけただろうか? 以下に、「インテル® Evo™ プラットフォーム」に準拠した注目の最新ノートPCをピックアップしたので、ぜひチェックしてみてほしい。きっと高い満足感が味わえる、「ベストな体験」が得られるはずだ。