QFHアンテナ(2) ~指向特性~

先日上げたQFHアンテナで衛星からのビーコンを受信してみましたので、その指向特性(無指向特性というべきか?)についてレポートします。

~~まずは理論から~~

 以下は、ナガラのQFHアンテナ説明書に載っているビームパターンです。
 打ち上げ角の低い部分にサイドローブがあるのが分かります。
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 次は、前記事でも紹介した、John Coppens氏(ON6JC/LW3HAZ)のサイトに載っているシミュレーション結果です(W/H=0.44,X-axis)。
https://www.jcoppens.com/ant/qfh/sim.en.php
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 大地の影響は考慮されていないので、ナガラの説明書にあるようなサイドローブはなく、きれいな気球のようなビームパターンになっています。
 あと、打ち上げ角の0度付近は、思ったよりもゲインがないみたいです。縦長の形状をしているため、GPアンテナのように、もう少しゲインがあるかのように思い違いをしていました。

 さらに、大地の影響を加味したシミュレーション結果がないか探してみたら、ありました。
『4NEC2 APT QFH Antenna をモデリングしてみる 』
(海谷の凧さんのブログより引用させていただきました)
http://kaiyanotako.blogspot.jp/2014/05/4nec2-apt-qfh-antenna.html

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 ナガラの説明書とそっくりなビームパターンです。
打ち上げ角10度付近に、大きなヌルポイントがあるのも、よく似ています。


~~実測との比較~~

145MHzアンテナ
 AO-73の、このような北からのパスでビーコンを聞いてみました (2016年4月29日)。
SDR(FCD+とfuncube dashboard)での受信になります。
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 AOS時、仰角が1.3度くらいになったときに、ガツンと強い信号が入りました。
その後、7度~10度くらいの間で急に弱くなる点があり、その後は安定して受信がなされました。
(仰角値については、軌道計算ソフトの誤差が多少あるかもしれません。)

とにかく良くも悪くも、ナガラの取説にあるビームパターン通りにヌルポイントがあるのが分かりました。


 QFHアンテナの特性については、次の方々のブログでも報告がされています。
『NAGARA・QFH243のクセ~やまおく@JH最大の難所 』
 私と同じ、ナガラのQFH-243を使用してのレポートで、やはり10度くらいのところにヌルポイントがあるとのことです。

『アンテナいろいろ~JA0FKM/1 Homepage』 (フレームを含めたトップページはこちら
 QFHアンテナを傾けて設置すると指向性もそれに合わせて傾くという実験や、GPアンテナと切り替えて指向性の谷間を埋めようというアイディアは、参考になりました。

435MHzアンテナ
 FO-29の、このような南からのパスでビーコンを聞いてみました (2016年4月29日)。
こちらはSDRではなく、IC-7100での受信になります。
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 全般にSメーターが振れないほどのかすかな電波でしたので、耳Sでのレポートになりますが、10度付近でのヌルポイントは感じられませんでした。
LOSに向けて、仰角4度くらいまで普通に聞こえていましたが、その後急に信号が弱くなって、1度くらいでフェードアウトとなりました。

 今回は、パスの仰角があまり高くなかったのと、耳S頼りでのレポートでもあったので、435MHz用の特性については、今後も継続調査としたいと思います。

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