[4a-11] 序ノ獄 追憶
不規則に強弱を切り替えて揺さぶってくる風に、ウィルフレッドの乗騎は大きく揺さぶられた。
青く広がる空の中、前方に浮かぶ雲がグンと斜めに傾く。
「うおあああああああ……!」
兜のような真鍮色の飛行ゴーグルを身につけたウィルフレッドは、ハーネスに圧力を感じて、ほとんど匍匐状態でヒポグリフの大きな背中にしがみつく。
風に煽られたヒポグリフは、しかし滑空するように弧を描いて羽ばたき、すぐに体勢を立て直した。
「大丈夫ですか? 護衛さん」
「だいじょっ、大丈夫く……いや平気です!!」
すぐ目の前から艶っぽい女の声がした。
ウィルフレッドを
ウィルフレッド、キャサリン、冬黎、そしてその護衛である数騎の空行騎兵。
サクタムブルクを発った一行は、帝国の人々が連れて来たスカイドッグとヒポグリフによって一路南へ向かっていた。
空を駆けるだけあって、どんな高速馬車でも追いつけないような速度だ。
しかし遥か下方に流れる景色を見ていると、どうしてもウィルフレッドは落下することばかり考えてしまい、全く生きた心地がしなかった。サムライの意地がウィルフレッドの心を支えていた。
『今からこの様子では身体が持ちませんぞ、護衛どの』
若干笑いを含んだ調子で、魔法を介した冬黎の通信音声がウィルフレッドの耳に響く。彼が乗っているのはスカイドッグだ。スカイドッグは二人乗りができるほど大きくないので、もちろん彼は一人で乗騎を操っていた。
冬黎は帝国風の意匠である面覆い付きのヘルメットを被っているのだが、これはマジックアイテムであるらしく、周囲の者と直接会話が可能なのだ。
「ケーニス帝国の人って皆こんな事してるんですか……!?」
『わしは特別ですな、慣れておったもので』
「管理官さんは!?」
ウィルフレッドの乗るヒポグリフに並んで、すぐ隣ではやはりキャサリンがお揃いのゴーグルを着けて別の空行騎兵に乗せられていた。
「私は小さい頃、王宮騎士の方にヒポグリフに乗せていただきまして……
でも、それだけと言えばそれだけですし、元々平気な性分なのかも知れません」
キャサリンは全く平然としたものだった。
ウィルフレッドとキャサリンが乗せられたヒポグリフは、気性が穏やかで人を乗せることに慣れた様子で、騎手の腕も確かだ。
だがそれでも怖いものは怖いし、それが普通ではないかとウィルフレッドは思う。サムライの意地がウィルフレッドの心を支えていた。
「怖かったら私にしがみついていてもいいのですよ? 護衛さん」
「いえ、それは……」
背中のシルエットだけでも色っぽい憧紗が、悪戯っぽく囁いた。
戦場へ出るわけではないので彼女は軽武装で、身体に密着した風を透かすような革鎧は肉体の造形を露わにしている。
「サ、サムライたるもの婦人には慎みを……」
「そうねえ、隣の彼女に妬かれちゃうわよね」
弄ばれているという気がした。
ウィルフレッドがこのタチの悪い女空行騎兵とタンデムさせられているのは、単に体重の配分の問題だ。長距離を飛ぶ以上、どれほどの重みが掛かるかはシビアな問題で、ウィルフレッドよりも軽いキャサリンが重量級の筋肉を纏ったもう一人のヒポグリフ乗りとタンデムすることになったのだ。
『まあ二、三日もすれば慣れるでしょう。
いずれにせよファライーヤ共和国に着けば、しばらくは海路です故、それまでの辛抱です』
「は、はひぃい……」
現在ケーニス帝国は、ディレッタ神聖王国やノアキュリオ王国と一触触発の状態にあり、軍属者である冬黎やお供の空行騎兵たちがディレッタやノアキュリオの上空を飛ぶことは難しい。大陸の中部に巨大な通行禁止空域が存在するのだ。
故に一行は東の帝国へ向かうため、必然的に大陸の南側を大きく迂回することになった。これだけ遠回りしても空を飛べるならまだ断然早いのだ。
天翔ける者たちは南へ、南へ、真昼の流星のように突き進んでいった。
* * *
三日目。
既にファライーヤ共和国に入っていた一行は、旅路の中で最大の苦難に見舞われた。
「うおああ! わあああ! おぇっ……うひいいい!」
轟々と、前が見えないほど激しく、灰色の空から降ってくる雨粒がウィルフレッドのゴーグルに叩き付ける。
さらに風は、木の葉を弄ぶ荒波のように小さな飛行者たちを揉みくちゃにする。
朝御飯がウィルフレッドの胃の中で上下左右に叩き付けられていた。
「これ本当に大丈夫なんですか!?」
ウィルフレッドは叫ぶ。
雨の中を飛ぶことになると朝の段階で分かっていたから、乗り手たちも空行騎たちも雨具で武装しているが、だからと言って風雨に勝てるわけではない。
全くの素人判断だが、ウィルフレッドにはこのままでは墜落者が出るように思われた。
『更に天候が悪化する予兆が見られたとのこと。行く手の街にて一旦、雨宿りとしましょう。
一同、降下軌道へ』
「た、助かった……」
冬黎の音声が耳に響いたときは本当にホッとした。
先頭を行く一騎が斜めに傾いて高度を下げると、後続の騎兵たちは皆それに習って降下していく。
雨に煙る地表に、建物群を丸く囲う石壁が見えた。
丁度良く街の近くまで来たところだったので、ここで見切りを付けたようだ。
空行騎たちは街からだいぶ離れた場所へ向かって降りて行く。
街の上空やその周辺を飛ぶという事は、事前に連絡して許可を得ているはずだが、だとしても空行騎で直接街へ降りていくのは人前で剣を抜くような不穏な行為であるため控えるべきだ。ことに軍属者が外国ですることではない。
小さな手桶のようだった街壁は、みるみるうちに見上げるほどになる。
そして雨に濡れた地面に降り立ったとき、やっとウィルフレッドは自分が生きていることを実感できた。
「ひええ、靴がグチャグチャだ。
管理官さんは大丈夫でしたか? 俺は良い雨具を使ってるんで平気でしたけど……」
あの大雨の中を飛んでもウィルフレッドは概ね靴以外無事で、むしろこの蒸し暑い共和国の夏に通気性が悪い雨具を着ていたせいで汗ばんだほどだ。
ローブのような清楚に白い雨具を着たキャサリンは、疲れた様子もうんざりした様子も無い。内心ではどうだか知らないが、少なくともそれを表に出さず平然とする技術を持っているのだろう。
武術の極意にも通じるものがあるな、とウィルフレッドは思った。今にも倒れそうであっても気迫をみなぎらせていなければ、相手に見抜かれて隙を突かれる。
元貴族である彼女は、人と戦う術を幼い頃より学んできたのだろう。それが剣を打ち合わせるようなものでなくとも。
「大丈夫です、ありがとうございます。
……あの、ウィルフレッドさん。ずっと言おうとは思っていたのですが、私はもう管理官ではないのですから、その、『管理官さん』というのは……」
「っと……確かに、そっすね。どう、呼べば?」
「私があなたを『ウィルフレッドさん』と呼んでいるのですから、そちらも『キャサリンさん』でいいのではないでしょうか」
「わ、分かりました…………キャサリン、さん」
ウィルフレッドの周囲だけ急に気温が上がった。
もはやウィルフレッドにとってキャサリンは『自分を担当する管理官』ではない。
まあ、あくまで護衛の依頼主であるという言い訳は通用するが、それはそれだ。
ギルド職員は(冒険者が名字を持っているとは限らないため)一律に冒険者を名前で呼ぶし、キャサリンもウィルフレッドをそう呼んでいたが、その意味さえも変わってくる。
そう、もはや二人は『キャサリン』と『ウィルフレッド』でしかなく……
「……お取り込み中の所ですが、よろしいですかな」
「うわああ!」
呆れた様子で冬黎に声を掛けられ、ウィルフレッドはやっとこの場に他にも人が居ることを思い出す。
「な、なんでござるか!?」
「街の様子がおかしいようです」
「えっ?」
そう言われて、街壁を見て、やっとウィルフレッドは気が付いた。
何かが変だということに。
「明かりが無い……?」
大雨のせいで薄暗いのに、街壁に掲げられるべき明かりが無い。
悪天候時や夜間は、街壁は普通、目立つ明かりを掲げるものだ。
それは接近する魔物を早期発見するためでもあるし、旅人に街の場所を伝えるためでもある。
だが、明かりが見えない。
街壁に空けられた矢狭間の形すら雨を透かして観察できる距離なのに、明かりが見えないというのは妙だった。
おまけに、決して小さくない街だというのに、見張りや門番の姿も見えない。まあ、これはウィルフレッドの居る場所からでは居るか居ないか判然としないので気のせいかも知れないが。
「今、わしの供の者で最も斥候術に長けた憧紗を様子見に行かせております。
危険があればすぐに戻るようにと言ってあるのですが……」
ウィルフレッドをタンデムさせていた女空行騎兵は、いつの間にやら姿を消していた。様子を見に行かされたらしい。
降りしきる雨の向こうには、呆然と立ち尽くすかのように佇む門がある。
門は閉じている。通用口は開いているのかも知れないけれど。
雨は降り続いた。
あと少し待てば、様子を見に行った憧紗が戻って来るかも知れない……
そう思いながらウィルフレッドは門を眺め続けた。
『あと少し』は何度も裏切られた。
いつしか皆、無言になっていた。
気が付けば、立ったまま待つには長すぎる時間が経っていた。
「冬黎様、雨が……」
「弱まる気配も無いな」
降りしきる雨は更に激しく、見えていたはずの景色さえ霞ませていく。
暖かなファライーヤ共和国の蒸し暑い夏とは言え、その重さと冷たさは徐々に体力を奪う。
「俺が行きます」
痺れを切らしてウィルフレッドは言った。
ヒポグリフに括り付けていた荷物からカタナ袋を出し、腰に差す。
「何か異常な事態が起こっている可能性は高いですが、魔物がうろついてるって様子でもないですし……
最悪、街門の下だけでも安全を確保できれば雨宿りはできます」
「そうさのう……その間に隣街の通信局辺りに連絡を試みるか。
だが、あまり離れぬ方がいいかも知れぬ」
「何かあったら逃げられる程度の距離で付いて来てください。俺を見失わないように」
冬黎の言葉を聞いてウィルフレッドは、何やら馬鹿馬鹿しい想像をしてしまった。
お互いがお互いを見失った瞬間に、神隠しのようにどこか別の世界へ連れて行かれて、二度と会えなくなってしまうのではないかと。
豪雨と言っていい勢いになった雨の中、ウィルフレッドは慎重に歩みを進めた。
危険な気配は全く無かった。
それがかえって不気味だった。
――居るべき場所に人が居ねえ。どうなってんだ?
明かりは無く、そして遠目に見て『よもや』と思った通り、そこには人が居なかった。
門は閉ざされていたが、門塔の詰め所から街に入ることはできそうだ。
だがそこに居るべき門番が居ない。
死体や血痕があるわけでもない。
辺りの様子を探ってウィルフレッドは振り返る。
キャサリンや冬黎たちはちゃんとそこに居た。
軽く手招きすると、彼らは騎兵たちを盾にするようにゆっくり近づいてくる。
「やはり人が居ない……」
「だが一休みするくらいはできそうか。中に入れないヒポグリフたちには少々不快な思いをさせそうだが」
「魔物の気配はありませんが、なるべくお静かに。何があるか分かりません」
「火を焚いても大丈夫だろうか?」
「それならそこに暖炉が……」
ともあれまず身体を乾かさねばならない。雪深い北国に生まれたウィルフレッドは、濡れたままでいることがどれほど命取りになるか身に染みて分かっていて、ここが暖かな地方であると分かっていてもやはり落ち着かない。
詰め所の奥にある暖炉を使おうとしてウィルフレッドはそこで気が付いた。
鼻を刺すような冷たいニオイに。
――これは……雪の香り? そんな馬鹿な。ここはファライーヤ共和国で、今は夏だぞ?
ウィルフレッドにとってそれは、かつて逃げ出さざるを得なかった故郷の香り。
胸が締め付けられるような気分だった。
――冷たく澄んだ、シエル=テイラの冬の風と……血のニオイ……
ひゅう、と。
夏のものでも南国のものでもない風が一陣吹き込んでくる。
そんな、まさか、あり得ないと思いながら、ウィルフレッドは詰め所の奥の扉を開けた。
冷たい隙間風が吹き込んでくる扉を。
「雨が、止んでる……」
「ええ、雨は止んだようですな」
その先には闇があった。
雨雲に日の光が遮られた結果ではない、夜の闇が。
転々と置かれた篝火によって照らされた石造りの市街は、白く厚化粧をしている。
闇の中に燦めきつつ舞い落ちるのは、雪だった。雪でしかなかった。
北国の風が濡れた身体を凍てつかせていく。
雪に埋もれた石造りの街並み……それはウィルフレッドにとって、故郷の景色に酷く似通っていた。
三日目。
既にファライーヤ共和国に入っていた一行は、旅路の中で最大の苦難に見舞われた。
『獄』は『ひとや』とも読み、人を捕らえておく場所という意味になります。
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