中2で英検1級に合格した秦聡一朗さん=大分市の向陽中
【大分】大分市の向陽中3年、秦(しん)聡一朗さん(15)は中2で実用英語技能検定(英検)の1級に合格した。主催する日本英語検定協会によると、中2での最高位合格は「全国的にも非常に珍しいケース」。海外留学も見据える秦さんは「将来の夢をかなえる手段として、英語に磨きをかけたい」と前を向く。
英検は英語を読む、書く、聞く力を問う筆記やリスニング、スピーキング試験で審査する。1級は「大学上級レベル」とされる。秦さんが合格した昨年度第3回の合格者数などは公表されていないが、同協会は「英語力だけなく、高度な社会的知識も問われるのが1級。中学生で合格するにはかなりの努力が必要」と驚く。
秦さんは幼い頃、英語のCDを耳にしたことから習得に興味を覚えた。小学校に上がって以降、英検に挑戦。高学年時には医師である父の仕事で米国・カリフォルニアで暮らし、本場の英語にも触れた。
小6までに準1級に合格。向陽中に進学後、1級の壁に挑んだ。他の勉強や部活動にも励みながら、英会話学校で耳を鍛え、単語帳を読み込むなど、1日1時間ほどこつこつと学習。中学の英語教師らのアドバイスを得ながら、4回目の挑戦で頂にたどり着いた。
「不合格だった時は英語の勉強が嫌にもなった」という秦さん。その際は授業で習った「Don’t stop learning(学ぶことをやめるな)」との言葉を思い出し、自らを奮い立たせた。
将来は医師や研究職に就く希望を持つ。「アメリカなど海外で勉強してみたい。そのためにも、英語力をさらに高めたい」と話す。