新型コロナウイルス感染症を巡り、神奈川県が県内の市中感染の実態を探るため、全県を対象に感染歴を調べる抗体検査の実施を検討していることが分かった。黒岩祐治知事が神奈川新聞社のインタビューで明らかにした。
県によると、抗体検査の詳細は決まっていないが、県内全域で対象は千~2千人規模を念頭に検討を進めている。無作為抽出や希望者募集など対象者を決める方法は未定で、精度を高めるための手法を練っているという。
抗体検査は血液中の抗体の有無から過去の感染歴を調べることができる。国がこれまでに東京、大阪、宮城、愛知、福岡の5都府県で数千人規模の検査を実施しているが、都道府県が独自に実施するケースは「確認できていない」(県担当者)という。県内では横須賀市が実施しており、昨年12月の検査では対象の市民約900人のうち0・44%が抗体を保有していた。
黒岩知事は「これから先、どんな手を打っていけばいいのか。どれぐらいの県民が抗体を持っているかということが一つの参考になる」と説明。実施時期については「(感染が拡大している)今の状態がどうなるかを見極めてからになる」と語った。今年中にも始まる見込みのワクチン接種のスケジュールも考慮しながら判断することになりそうだ。
2021年 1月 6日 (水)