「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(外崎春雄監督)が公開開始から73日間で興行収入324億7889万5850円を記録し、日本映画の歴代興収記録を更新した。いまや日本の漫画・アニメ史に残る大ヒット作となった「鬼滅の刃」。その盛り上がりに最初に火をつけたのが、19年4~9月に放送されたテレビアニメ版の第19話だ。
同8月に放送された第19話「ヒノカミ」は、主人公の竈門炭治郎が、激しい戦いの中で"ヒノカミ神楽"を初めて繰り出した回だった。もともと作画、演出、キャストたちの演技、全ての要素におけるクオリティーの高さに定評があったテレビアニメ版だが、特に第19話の出来はアニメファンたちの度肝を抜いた。椎名豪featuring中川奈美による挿入歌『竈門炭治郎のうた』も涙を誘い、視聴者からは「神回」と称賛する声が相次いだ。
さらに原作者の吾峠呼世晴氏も「作画、演出、音楽、全てが凄すぎて作者もボロ泣きしましたので、是非皆さんにも見ていただけると嬉しいです。20回くらい繰り返し拝聴させていただいていまして、仕事中もコソコソ見ていたのですが感動して泣いているのがアシスタントさんにバレないよう頑張りました」と公式サイトにコメントを寄せた。
「鬼滅の刃」は、テレビアニメ放送終了後から単行本の売り上げを大きく伸ばしていった。つまりテレビアニメによって人気に火が着いた作品と言えるのだが、そのテレビアニメが大きく注目を集めるきっかけとなったのが第19話。劇場版の公開にともない、20年10月にはフジテレビにて地上波全国ネットのゴールデン・プライム帯での放送が初めて行われた。今後も再放送によって、第19話はさらに多くの人々の目に触れ、アニメ史に残る「神回」として語り継がれていくことだろう。