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無職の最強賢者 〜ノービスだけどゲームの知識で異世界最強に〜 作者:可換 環

第一章

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第九話 スキルポイントを工夫してがっつり稼ぐ

本日22時くらいに、試験的にタイトルをちょっと変えてみようと思っております。

それで極端にPVが落ちたりするようなら戻すと思いますが、変更後タイトルで行けそうならそのままにするつもりです。

見たこともないタイトルがブックマークに現れてビックリするかもしれませんが、ご了承ください。

 次の日。

 俺は昨晩「チェンジ」を刻んだ20個の魔石を持って、また西の森へと出発した。



 まず俺は、昨日取っておいたスキルポイントのうち50ポイントを消費して「サーチ」を三回強化し、範囲が広かった「サーチ」を発動する。

 それから俺は……できるだけ魔物が密集している(・・・・・・)場所を探して、移動を開始した。


 今日俺は、より効率的にスキルポイントを集めるために、一つ作戦を用意してきた。

 それは、魔物の密集地帯を利用して、より獲得スキルポイントの高い魔物を召喚する作戦だ。

 当然だが、そんな作戦の遂行には、魔物がたくさん集まっている場所が必要不可欠。

 なので俺は、そんな場所を探し当てるために、「サーチ」を強化までして探索することにしているのである。


 しばらく歩いていると……俺は、まさに自分が理想としていたような魔物の密集地帯を探し当てることができた。

 行ってみると、そこにいたのはラッシュボアの番とギガントホーネット15体入りの巣、そして地中にブルータルモールというモグラの魔物が6匹。


 それぞれの魔物がそこそこ強力な上に、数としても20体以上となれば、これはかなりの好条件だ。

 早速俺はここで、作戦を開始することにした。



 まず俺は「ストレージ」から、前狩ったラッシュボアの魔石を取り出した。

 この魔石には昨晩、スライムの魔石を彫るついでにとある魔法陣を刻んである。


 その魔法陣とは、チェンジ——の、線の位置を一本だけ間違えたものだ。


「チェンジ」


 そう唱えると、ラッシュボアの魔石は輝き始めたが……魔石が交換されることはなく、代わりに別の現象が起き始めた。


 周囲にいた全ての魔物が光り始めたかと思うと……それらの魔物が光の粒子として、全てラッシュボアの魔石に吸収されだしたのだ。

 数秒ほどで、光の粒子の吸収は完全に終わり、元々魔物がいた場所には何も存在しなくなる。


 直後……ラッシュボアの魔石は、上空に黒い煙を噴出しながら、みるみるうちに小さくなっていった。

 最終的には魔石も完全になくなり、残るは上空の黒い煙のみとなった。


 そして残った煙は……初めは不定形だったものの徐々に規則的に動き始め、しまいには8匹の狼を形作った。


 この狼こそ、周囲の魔物全てを生贄に召喚された魔物。

「ファントム」という、実体を持たない狼の魔物である。



 なぜこんな現象が起きたかというと、それはもちろん、正しくない魔法陣が刻まれた魔道具を起動したからだ。

 魔道具は普通、魔法陣が間違っていると起動しないのだが……その間違いがほんの少しである場合は、なんとか起動までは上手くいくことがある。

 そんな魔道具が起動した場合、どうなるかというと……魔法陣が正しくない以上本来の効果は出ず、全くあべこべの現象が起こってしまうのだ。


 それが俗に言う、「魔力災害」だ。

「チェンジ」の魔力災害の場合、周囲にある魔物を吸収して全く別の魔物を作り出してしまうので、先ほどのような現象が起きたのである。


 NSOでも、主人公が魔法陣を彫り間違え、「ファントム」を召喚してしまうイベントが何度か起きたことがある。

 俺はその現象を、スキルポイントの獲得効率化のために、意図的に引き起こしたのだ。


「ファントム」は一切の物理攻撃を通さず、かつ一部の適切な魔法攻撃以外の魔法は自身の魔力として吸収してしまう厄介な魔物だが……実体を持たないので、「チェンジ」によって魔石化することが、即ち死を意味する。

 その上一体あたりの入手スキルポイントは300と高めなので、今回のような目的にぴったりなのである。


「チェンジ」


 8個のスライムの魔石(これにはちゃんと正しいのを刻んである)を起動すると、俺の手元には8つの琥珀色の魔石が現れ、スキルポイントも2400増えた。

 ファントムの魔石——ファントムコアは異常に燃費が良い上、人間の魔力を無限に再充填できる便利な魔石なので、売ればまた高値がつくだろう。


「ストレージ」


 俺は8個のファントムコアと……ついでにギガントホーネットの巣を、収納魔法で収納した。

 ラッシュボアとかをそのまま倒していたら、手に入れたスキルポイントの半分くらいは「ストレージ」の強化に充てないといけなかっただろうが……戦利品の体積を抑えたおかげで、今手に入れたスキルポイントは全部ステータス強化につぎ込める。


 というわけで、俺は今手に入れたスキルポイントを、どう割り振るか少し思案した。

 そして振り方を決めた俺は、こう唱えた。


「スキルコード0011 『身体強化』取得、強化×4。スキルコード2001 『武術』取得、強化×4」


 とりあえず俺は、この二つのスキルを取得し、強化できるところまで強化することにした。

 これで消費スキルポイントは2460。もともと余っていたのと合わせて2550ポイントあったのだが、残りは90ポイントとなった。


 今回は特に、身体能力や近接戦闘関係を重点的に強化しようという事で、この二つに絞って獲得・強化した。

「身体強化」は持っているだけで基礎身体能力が上がるパッシブスキル、「武術」は徒手空拳や剣術の技が使えるようになるスキルだ。

「身体強化」は+値を上げることでよりパワーやスピードが増すし、「武術」は+値を上げるほど高度で強力な技が使えるようになる。


 戦いで一番重要なのは、どれだけ強力かつ豊富な妨害スキルを持っているかなのだが……そもそも今の俺では、妨害をかけて無防備にした魔物にすら、傷をつけられないくらいだからな。

 それでは妨害とか以前に話にならないので、まずは基礎の基礎である、身体能力的な部分から上げることにしたのである。


 今後も……とりあえず目安としてラッシュボアをガチンコで倒せるくらいまでは、身体強化や体術を中心に強化するつもりだ。


 ステータスウィンドウにこれらのスキルが追加されたのを確認すると、俺は次の狩りに向け移動を再開した。



 ◇



 それから俺は、程なくしてラッシュボアを一体見つけ、「チェンジ」で討伐した。

 またもやラッシュボアの魔石が手に入ったので、再度ファントムを召喚できるよう、その場で間違った「チェンジ」の魔法陣を刻印する。


 それが終わると、俺は再び魔物の密集地帯を探した。

 運がいい事に、そのような場所はまた比較的すぐに見つかり、俺は追加で7体のファントムを狩ることができた。


 それを終えると、俺は再度スキルポイントを、「身体強化」と「武術」に振る。


「スキルコード0011 『身体強化』強化×3。スキルコード2001 『武術』強化×2」


 この+値強化で俺はスキルポイントを2040消費し、残りスキルポイントは150となった。


「さて、どのくらい強くなれたかな」


 試しに近くにあった、直径1メートルくらいの岩を軽く蹴ってみると……その岩は5メートルほど吹っ飛び、木にぶつかって木を倒壊させた。


 こんなのはどう考えても、素の人間の身体能力ではない。

 俺はスキルポイントによって着実に自身が強化されているのを、感じることができた。



 ……こうなると、魔物相手に現在の実力を試してみたい気持ちになるな。


 などと思いつつ、俺は街に帰還する方向に歩き始めた。

 何かいい魔物がいればと思っていると……ちょうど良さそうな魔物が、サーチに引っ掛かってくれた。


 寄り道してみると、そこには俺と同じ背丈くらいの黒いゴリラの魔物が。


 ——シャドウレスラー。

 強烈な張り手でいとも容易く人を吹き飛ばす、強力な魔物だ。


 真正面からぶつかるなら、今の俺だとちょっとまだ力不足なのだが……コイツには明確な弱点があるので「武術」を駆使して上手くそこを突けば倒せないことはないだろう。

 保険としての「チェンジ」も、まだ残ってることだしな。

 今の俺で、コイツを「チェンジ」無しで倒せるか、ちょっと試してみよう。

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