お年玉で購入したい! 電動ファン内蔵の超・本格派「N95マスク」と最新紫外線グッズ
デイリー新潮2021年01月04日05時58分
米国労働安全衛生研究所が定めた規格
昨年は新型コロナウイルスによる未曾有の災難に襲われた一年だった。今年2021年(令和3年)こそはコロナを克服する年になってほしいと願うが、残念ながら収束の兆しはまだ見えてこない。
しかし、この一年で「マスク」と「紫外線グッズ」も相当進化している。
帰省を諦めて正月をお家で過ごしている人も多いだろう。
ゆっくりお餅とミカンでも食べながら、今回紹介する最先端のコロナ対策アイテムの導入を検討してみてはいかがだろうか。
これまでに、「やっぱりUVに軍配!? マスク消毒のための『殺菌グッズ』厳選5」、「やっぱり紫外線! アベノマスクをUV除菌ケースで消毒してみたら…!」、「UVか加湿か…ウイルス対策『最新家電』、ベスト3はこれだ!」、「アベノマスクだけじゃなくスマホも withコロナ時代の紫外線除菌『最終兵器』」といった記事で、マスクを除菌する紫外線グッズなどを紹介してきた。
今回は、フィリップスが11月19日に発売した最新マスク「ブリーズマスク」を紹介しよう。電動ファンを内蔵した「N95マスク」だ。
N95マスクとは、米国労働安全衛生研究所が定めた防塵フィルターの規格「N95」(0.3μm以上の微粒子を95%以上除去する性能基準)を満たすマスクをいい、工事現場の他に医療現場などでも使われている。いわば「ガチ」の本格派マスクだ。
このN95フィルターを採用した「ブリーズマスク ACM066」は、フィリップスによれば、ウイルスの98・87%、細菌の99%、PM2・5と花粉の95%をカットするとのこと。これは素晴らしい。
しかし、一つ大きな問題がある。それは、N95マスクは「防塵性能が高い」=「密閉感がスゴイ」ので、息がしにくいという点だ。普通のN95マスクを着けて歩き回ると呼吸が苦しくなる。
「レンズが曇って困っている」という人にも
そこでフィリップスは、マスクに小型の「電動ファン」を内蔵させた。
毎分41リットルの空気を排出するというハイパワーのファンだ。
メガネを使っていて普通のマスクでは「レンズが曇って困っている」という人にも朗報だろう。
使う前に必要なのは、マイクロUSB端子で充電することだけ(満充電に約3時間)。実稼働時間は最長で3・5時間。
ボタン一つで3段階に調整できる風量をマックスにすると実働2時間になる。
運動時など、ココぞというタイミングでファンを駆動させる使い方なら、常用マスクとしても十分だ。
肝心の装用感だが、電動ファンのおかげで、N95マスク特有の「息苦しさ」が見事に解消されている。これは本当に素晴らしい。
ただし、ファンが動作している間は、ブーンという微かな風切音がするとともに、正面のLEDが青く点灯する。
人によっては若干の「恥ずかしさ」を感じるであろうことは否めず、「マスクにそこまでの存在感が必要か」という思いを持つかもしれない。
しかし、そういう人はぜひ、紀里谷和明監督の映画『CASSHERN』(2004年)を思い出してほしい。
21世紀で最も難解な映画の一つとも言われ(2021年正月時点)、映画史にその名を刻む金字塔的な作品だ(Amazonプライムビデオで絶賛レンタル中)。
人類の苦悩と愛を背負って闘う新造人間キャシャーン(人造人間ではなく、新造人間です)の「マスク」は、これでもかというぐらい大きいのだ(隙間も大きいが、自動折りたたみ式です)。
これくらい目立つマスクでないと、闘えない――。
そう考えれば、マスクを装着した際の恥ずかしさなど、いくらでも耐えうる(はず)。
フィリップスのブリーズマスクは、コロナの時代にふさわしいN95基準の性能を誇るだけでなく、青色LEDに象徴される強いメッセージを打ち出している新世代のマスクなのだ。ぜひお試し頂きたい。
ウイルスを不活性化させるタイプ
色は、グレーとブラックの2色展開(海外ではFresh Air Maskという商品名でピンク色も発売中)、Amazonの実売価格はグレーが10,780円、黒は人気がないのかちょっと安くて9,800円。
楽天のフィリップス公式ストアでは2色ともに10,780円だ。お年玉で買うのにちょうどいい値段かも。
なお交換用のN95相当フィルターが別売りされており、5枚セットのAmazon実売価格は1,595円。
外側のマスク本体は洗濯できるが、内側にセットするフィルターは「使い捨て」。「洗浄しないでください」と使用説明書に明記されている(大気質指標が0-50の状態(=通常のキレイな空気)で使用可能時間は「122時間」とのこと)。
この正月に見逃せないもう一つのグッズが、紫外線殺菌装置だ。
まずは、日機装の空間除菌消臭装置「Aeropure(エアロピュア)AN-JS1」。
日機装株式会社(本社:東京都渋谷区)が開発した「深紫外線LED」と光触媒フィルターでウイルスを不活性化させるタイプの空気清浄機だ。
ウイルス対策で注目されている空気清浄機には、「プラズマクラスター」を放出するタイプ(シャープ)や、次亜塩素酸を放出するタイプ(パナソニック)などがある。
しかし、日機装のエアロピュアに放出する物はなく、ただ空気を循環させて、そこに深紫外線を浴びせて殺菌するというシンプルな構造だ。
ポイントは、深紫外線の光源として日機装が誇る高出力LEDを採用したところ。個人的には、紫外線で空気自体を殺菌するタイプが、コロナ時代の空気清浄機として良いのではないかと思ってきた。
人体に悪影響のない紫外線光源装置
しかし、医療機器扱いの販路がもっぱらで、どの販売店も基本は「納期2ヶ月」。
頼みの綱のAmazonでも「医療機関・政府機関として認証したビジネスアカウントのお客様のみ、ご購入いただけます」という制限付きの販売になっており、入手を諦めていたのだ。
ところが、この年末に確認したところAmazonで通常販売しているショップがあることを発見。
さっそく購入してみた(購入価格:税込70,000円)。ちょっと高いが、背に腹はかえられない。届いたら、使用感を改めて報告したい。
次が、ウシオ電機(本社:東京都千代田区)の「Care222光源モジュール」を使った殺菌装置。
コロナ時代の殺菌用紫外線ランプの「本命」が遂に商品化され、この1月から販売が開始される。
紫外線はウイルスの殺菌に有効だが、これまで使われてきた波長254nmの殺菌ランプは人体に有害だった。
皮膚ガンの原因になったり、網膜を傷つけたりするとされており、基本的に「無人環境での運用」が前提とされてきた(それゆえ無人ロボットやドローンと組み合わせた製品開発が進んでいる)。
しかし、ウシオ電機は研究機関と組んで「人体に悪影響のない紫外線光源装置」の開発に成功。
具体的には、波長222nmという「深紫外線」をピークに持つエキシマランプに特殊な光学フィルターを組み合わせることで、人体に危険な230nm以上の波長をカット。
200nm〜230nmのみの紫外線を照射する装置を開発したのだ。
ウシオ電機は商品化にあたり東芝ライテックと業務提携、製造は東芝ライテックが誇る鹿沼工場(栃木県鹿沼市さつき町)で行われる。国産のイノベーション製品なのだ。
日本発のイノベーション
1月から発売されるのは、ウシオ電機が販売元になる独立型の「Care222 i-シリーズ ベーシックタイプ」、東芝ライテックが販売元になる天井埋め込み型「UVee(ユービー) ユニバーサルダウンライトタイプ」という2ライン構成。
ともに、商用施設や公共施設への展開が想定される「業務用途」だが、今後はぜひ「家庭用」のCare222照射装置も開発販売してほしい(出たら買います)。
ワクチンの開発・普及が進展しているが、コロナ禍はなかなか収束する気配を見せない。
そうした中、日本発のイノベーションである紫外線殺菌装置が、コロナ禍を克服するグッズの一つになりうるとしたら、新年にふさわしい「希望」を見いだせる気がする。
次回は、正月休みに映画をお風呂で見るための防水タブレットなどを紹介したい(ちなみに映画『CASSHERN』のエンディングソング「誰かの願いが叶うころ」(by 宇多田ヒカル)はガチで必聴です)。
北島純
社会情報大学院大学特任教授
コロナで大学院の授業が全てオンラインになったので、配信機材の最適解を模索中。ニックネームは「ジュンジュン」(デンマーク語だとユンユン)。
週刊新潮WEB取材班編集
2021年1月4日 掲載