表2、表3で述べたように、完全失業者数が増加すると生活保護者数が増加する。そして、生活保護者数が増加することで“食糧不足による餓死”が防がれていると考えられる。
しかし、2020年はどうやら様子がおかしい。2020年の生活保護者数と完全失業者数は逆相関関係にあるのだ(表7)。2020年は3月以降に完全失業者数が増加の一途を辿っているにもかかわらず、生活保護を受けている人数が減少している。
もちろん失業しても、生活が困窮するまでには時間があることや、生活保護には申請してから受給までに時間がかかることが要因の一つだと考えられるが…。
セーフティネットをすり抜けて、餓死の危機に晒される人が増えることだけはあってはならない。政府には、くれぐれも食糧の不足による餓死者を出さないように、失業者に対する生活の保護を図っていくことが求められている。