拡大する写真・図版最終10区、2位でのゴール後、倒れ込み手で顔を覆う創価大の小野寺勇樹=2021年1月3日午後1時28分、東京・大手町、瀬戸口翼撮影

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 「(10区の)10キロくらいまでは、先着できると思っていた」。初優勝を逃した創価大の榎木和貴監督は冷静に振り返った。「15キロすぎくらいから小野寺(勇樹)の足が鈍り、残り4キロで(後方から駒大監督の)大八木(弘明)さんの声が確実に聞こえてきた。大八木さんの執念が選手に伝わったのでしょう」

 区間最下位と失速し、逆転を許したアンカーの小野寺は、脱水症状などのアクシデントではなく、「優勝に向けた緊張から来るものでしょう」と榎木監督。それでも、9区までは、復路のスタート時より2位以下との差を広げる好走で「選手たちはよく走ってくれた。駒大さんは勝ち方を知っている。経験が足りなかった」と語った。

 全体でもアンカーを除いた9人が区間8位以内の安定した走り。体のぶれの少ないフォームが浸透していた。東京都八王子市にある大学周辺のロードを走り込んで身につけたものだ。「周りは起伏のあるコースばかり。すべてが箱根につながっている。どんなコースでもどんな気象でも言い訳せずに走ってきた」。昨年2月には監督の古巣旭化成宮崎県延岡市)で合宿を張った。「実業団で日本一のチームはどんなものか体験させたかった」

 初出場からたった6年での準優勝。「優勝するチームを作るにはまだ早かった。この悔しさを忘れずに立て直したい」と雪辱を誓っていた。(堀川貴弘)

拡大する写真・図版最終10区、2位でゴールし倒れ込む創価大の小野寺勇樹=2021年1月3日午後1時28分、東京・大手町、瀬戸口翼撮影

拡大する写真・図版10区、駒大・石川拓慎(右)は創価大・小野寺勇樹を抜き去りトップに躍り出る=代表撮影

拡大する写真・図版10区、駒大・石川拓慎(右)は創価大・小野寺勇樹を抜き去りトップに躍り出る=代表撮影

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