渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

映画『復讐するは我にあり』(1979)

2021年01月03日 | open


『復讐するは我にあり』(1979)

こういう映画観ると、気が滅入るね。
連合赤軍ものにしろ、実録実話もの
は、生生しすぎてさ。
連赤ものは、権力サイド視点から描か
れた物は事実とは異なる嘘っぱちだ
らけというのは観ていて判るが。
最高裁冒頭陳述書の清書打ちしたの
俺だから。事件の全容は克明に知って
いる。

この『復讐するは我にあり』も現実に
起きた連続殺人事件を扱った作品だ。
しかも、観ていてウゲェとなったのは、
今村監督は、すべて殺害現場そのもの
の場所でロケ撮影を敢行しているんだ
よね。福岡県の苅田駅前から始まり、
弁護士殺害もモロにその実際の殺害
現場の部屋でロケをした。
やりすぎ、という感がしないでもない。

気が滅入るけど、最後まで観る。
劇場で途中で出たのは、たけしの
『座頭市』のみだ。
あれほど出来の悪いしどい映画という
のもこの世にないと思った。
しどすぎて、途中で出て、ロビーで
缶コーヒー飲んだ。
たけしは嫌いじゃないが、映画を舐め
切ってるなぁと強く感じた。
1980年、彼に取材をしたことがある。
ある機関紙の紙面に載せるため。
「お笑いといじめ」というテーマだ。
突っ込むと彼は俯いて黙り込んでしま
った。

人いじめの芸風に忸怩たるものはあった
のだろう。彼は芸の虫であり、心から
人の笑いを愛していた人間だ。
その後、少し芸風が変わった。


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