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 「脱ハンコ」を推し進める河野太郎行政改革相に対し、日本一の印章産地である山梨県長崎幸太郎知事が2日、自身のツイッターで苦言を呈した。「押印廃止」との印影と印章の写真が載った河野氏のツイートとみられる画像を添えて、「啞然(あぜん)として言葉も出ません…ただただ限りない『嫌悪感』」とコメントした。

 画像のツイートは10月29日付となっている。印影や印章の写真とともに、平井卓也デジタル改革相からの「プレゼント」とする記載もあった。

 長崎氏はツイッターで、「決してデジタル化に反対している訳ではない」と断ったうえで、「印章関係者の健気(けなげ)な想(おも)いや切実さに対する敬意はおろか想像力すら微塵(みじん)も感じられない」と指摘。「あたかも、薄ら笑いを浮かべながら土足で戦場の死体を踏み付ける残虐シーンの映画を見ているが如(ごと)き」と書き込んだ。

 長崎氏は10月、菅政権が進めるデジタル化における「脱ハンコ」について、政府や自民党本部に対し、商取引で押印が不適切であるかのような風潮が広まらないよう要望活動を実施。「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」の会合にも参加していた。

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 政府が「脱ハンコ」を加速させ、身近な行政手続きから押印がなくなりそうです。皆さんのご意見をお聞かせください。https://www.asahi.com/opinion/forum/121/