新型コロナウイルス感染症対策県調整本部の坂上拓郎本部長(熊本大大学院教授)は28日、熊本県庁で会見し、「医療現場は危機的状況。医療崩壊を防ぐため感染予防を徹底してほしい」と呼び掛けた。
県調整本部は患者の症状に応じて医療機関を移る場合の入院調整を行っており、10月1日以降に延べ96人(27日現在)を調整した。現在は重症患者の受け入れが人員不足などの理由で難航したり、広域調整が必要になったりする例が目立つといい、坂上本部長は「患者に対応できる医師や看護師も圧倒的に少なく、現場の負担が増している」と指摘した。
また、陽性率が第1波の平均1・6%から9・3%に上昇していることから、「感染者の増加傾向が続いている」と危機感を示した。
28日午前10時時点の入院患者は164人(病床稼働率39・0%)。患者急増を受け、県は受け入れ病床を20床追加し420床(31医療機関)とした。すぐに受け入れが可能な「即応病床」も約360床まで増やした。(平澤碧惟)