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2020.12.17 16:00  週刊ポスト

地盤に不安の武蔵小杉 資産価値低下は新浦安や幕張と同じ道か

東京都「強い地盤ランキング」

東京都「強い地盤ランキング」

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 この地盤と不動産価値の関係に注目したのが、西武鉄道だ。地盤カルテの調査によれば、西武鉄道は首都圏の路線で非常に安全な地盤を走っていることが判明。2018年に「いい地盤の日(11月28日)」アワードの大賞に選ばれた。

 西武鉄道はこの受賞を受けて、「路線一帯の不動産価値」のアピールを始めた。西武ホールディングスの後藤高志社長は本誌・週刊ポストのインタビュー(2019年10月4日号)でこう語っている。

〈地盤の強さは西武池袋線がトップで西武新宿線が第2位という結果が出た。西武池袋線では石神井公園、大泉学園、保谷、ひばりヶ丘あたりが特に地盤が強く、西武新宿線も上石神井以西が特に強固でした。地震大国である日本では、地盤の固さは、オフィスにしろ住宅にしろ重要なポイントです。基礎工事の費用も安く済む。この点をアピールしていけば、今後の競争力は増していくとみています〉

 2011年の東日本大震災では、新浦安(千葉県浦安市)のマンションで大規模な液状化被害が起きたが、地盤リスクが顕在化した場合、資産価値はどうなるのか。前出の榊氏が語る。

「新浦安と海浜幕張では、その後2~3年かけて付近の不動産価格がズルズルと下がり、3割以上も下落した物件もありました。武蔵小杉も同じ道を辿る可能性があります」

 自分が住んでいる土地や購入予定の土地に地盤リスクがあった場合はどうすればいいか。不動産事情に詳しい経済ジャーナリストの三星雅人氏はこう説明する。

「液状化は地盤の改良工事で防ぐことができます。たとえば横浜や横須賀などの崖沿いの住宅は地盤が不安定な場所も多いですが、現在の技術なら災害に強い地盤に改良することは可能です。まずは不動産業者に相談してみると良いでしょう」

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