バンドカラーシャツを着こなすために。押さえたいおすすめとコーデ術
シャツを気軽に楽しむならば、襟元を正したものよりは解放したアイテムが良い。となればバンドカラーシャツは適役。ここではその“選び”と着こなしに関するコツを解説。
大人の新定番。バンドカラーシャツを手に入れよう
バンドカラーシャツは、折り返した衿羽根を取り除き、身頃と襟をつなぐ台衿を残したシャツのこと。その起源は思いのほか古く、1300年代とされている。当時のシャツは、襟とカフスが着脱できる仕様となっており、帰宅後に双方を外して家でくつろぐのが一般的なスタイルだったとか。そんな背景を聞けば漂う開放感も大いに納得。抜け感のある姿に誰もが親近感を抱くにちがいない。
襟付きシャツは1枚でキリッと見せられる、もとより備わった気品がある。大人たちにとっては頼もしい限りだが、普段着るなら下手にかしこまらない方が好都合。その点、胸元にリラックス感のあるバンドカラーシャツは手に取りやすいアイテムだろう。上襟を排除して得た自由は、軽い羽織りものとして、または衣紋抜き気味に着るなど、着こなしの幅も広げてくれる。
バンドカラーシャツのおすすめブランド
程良い抜け感が大人にうれしいバンドカラーシャツも、今ではしっかりシーンに根付いた様子。それは、多くのブランドがコレクションに取り入れていることからもわかる。なかでも大人が手に取りたい名門から注目気鋭まで、おすすめのブランドを厳選してご紹介。
ブランド1
『ボルゾネッラ』
50年代から優秀なカミチェリアとして名を馳せたイタリアのシャツブランド。顧客を存分に満足させてきた仕立ての技を礎に、最先端技術も取り入れ作り上げられるアイテムは今なお評価は高い。こちらは、さらに日本人の体型に合わせて製作した別注アイテム。
ブランド2
『マッシモ アルバ』
あらゆる名門で腕を磨いてきたマッシモ・アルバ氏が、満を持して2007年に独立。自社工房にてハンドメイドで仕上げるシャツは、多くの識者たちも賛辞を惜しまない。それはドライなタッチが爽快なこちらも同様。洗いざらしのようなシワ感が軽やかな印象を与える。
ブランド3
『ギャレゴ デスポート』
1993年設立のフランスのファッションブランド。 “快適”を追求したコレクションはアンティークの影響を強く受け、独特な素材使いや斬新なアイデアにより声価を高めてきた。ルーズシルエットのこれは、あらゆる体型を包み込みシンプルな美しさを周囲に伝える。
ブランド4
『マッキントッシュ ロンドン メン』
英国のアウターブランド、『マッキントッシュ』のメインラインとしてスタートした同ブランド。英国トラッドをベースとしたオーセンティックなアイテムをトータルで提案する。こちらもその1つで、昔ながらの趣を演じつつ、洗いを加え今風の抜け感もプラスした。
ブランド5
『08サーカス』
森下公則氏率いる『08サーカス』は、計算しつくしたパターンと美しい素材使いも相まり2010年のファーストコレクションから話題を呼んだ。その魅力は丈長で仕立てたこのシャツからも。滑らかな生地感がエレガントなドレープを作り、気品ある佇まいを描く。
ブランド6
『ギットマン ヴィンテージ』×『シップス』
古くから名門やコレクションブランドの生産を手がけてきた実力派、『ギットマンブラザーズ』。創業当時のシャツを再現し、現代的にアップデートしたラインがこちら。『シップス』が同社へ別注をかけた注目作で、3色使いのストライプの主張具合も良い塩梅。
ブランド7
『アンフィル』
『アンフィル』は選び抜かれた素材、考え抜いたパターンをベースに日常に溶け込むシンプルなアイテムを提案する。このシャツは、前後の異なる丈感、サイドスリットを入れたデザインが着た時の好バランスを生み、高級綿を使ったツイル生地は抜群の美しさを誇る。
ブランド8
『トゥモローランド』
セレクトショップながら、オリジナルのモノ作りにおけるストイックな姿勢は業界でもよく知られるところ。この上品なシャツは、イタリアでも有数の生地メーカー、カンジョーリ社のレーヨン生地を使用。ひんやりとした質感はこれからの季節にもちょうど良い。
おしゃれに着こなすには? バンドカラーシャツのコーデ術
“いつも”とは異なり、大いにリラックスしながら着られるバンドカラーシャツ。とはいえ、果たしてどこまで抜いて良いかはつかみかねる部分もある。その微妙なさじ加減を、洒落者たちのコーディネートから学びたい。
コーデ
いつものアイテムをディテールのアレンジで新鮮に
最小限のコーディネートでもしゃれた雰囲気を演出する好例。白シャツの両胸のビッグポケットやバンドカラーでさりげなく抜けを感じさせ、カーゴパンツも9分丈の1本を選び軽快さをプラス。トップを甘く、腰下を辛めに仕上げた上下のギャップも良い感じ。
コーデ2
同系色でセットアップ風に着こなす
同系色のアイテムを選びながらセットアップ風に合わせた、今を意識した着こなし。軽やかな旬のベージュを採用したことにより、上下ともビッグシルエットながら重さは微塵も感じさせない。その軽妙な空気感に適度な緊張を添える黒小物もバランス良し。
コーデ3
軽快さと品の良さを色味で演出
バンドカラーシャツのカジュアルな雰囲気とトロピカルなカラーカーディガンがベストマッチ。相乗効果によりすこぶる爽やかな趣に仕上がっている。そこへ、ダークトーンのたっぷりシルエットのボトムスを取り入れ、適度に落ち着かせた点も技あり。
コーデ4
色味はベーシック。されど抜け感を加えて今らしく
トップは黒カーディガンと白シャツ。ボトムスはとろみのあるグレーパンツ。簡素な合わせながら、トップはバンドカラーを選択し、ボトムスには全面にチェック柄を配置。足元はスニーカーと、随所にほどほどの抜け感を加えたことでこなれた印象に昇華。
コーデ5
胸元で洒落感をプラスした上級者コーデ
シャツとボトムスのシンプルな合わせを、ビッグシルエットを選びながら今っぽく料理。バンドカラーシャツの開放的な胸元を有効活用し、ハイカラーのカットソーを合わせる遊びも披露した。ざっくり羽織ったコートも大人っぽさをグッと引き立てる。
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