時計 2020/12/28 10:30

「洋上ハルカニ、新年ノオ喜ビヲ申シ上ゲマス」…海越える年賀電報ピーク モールス通信健在、遠洋漁船と家族結ぶ 鹿児島県漁業無線局

海を越えて届く年賀電報の送受信作業に励む通信士=26日、鹿児島市錦江町
海を越えて届く年賀電報の送受信作業に励む通信士=26日、鹿児島市錦江町
 鹿児島市錦江町の県漁業無線局で、世界各地の海で操業する遠洋マグロ・カツオ漁船の乗組員と留守家族らに届ける年賀電報の送受信作業がピークを迎えている。衛星を使った通信手段の普及などで取り扱いは年ごとに減っているが、家族の絆をモールス通信でつなぐ便りは今も健在だ。

 正月を洋上で過ごす漁船は、アフリカ沖のマグロはえ縄船を中心に約40隻。26日までに約150通のメッセージが届いた。船からは「洋上ハルカニ、新年ノオ喜ビヲ申シ上ゲマス」、家族からは「御安航ヲ祈ル」といった内容が多いという。

 1988年のピーク時には、1万5千通以上を扱い、通信士はトイレに行く暇もない程だった。電子メールなど通信手段の多様化に加え、外国人乗組員の増加や景気低迷などの影響もあり、利用は減少が続いている。

 担当する通信士の西牟田健作さん(36)は「乗組員の皆さんは家族からの年賀状が何よりの楽しみ。最後の一通まで責任を持って届けたい」と話した。
モールス信号の送信に使う電鍵