最終回への残念だったポイントを一度ちゃんと言わないとこのモヤモヤが収まりそうもないので、自分のために書きました。長い。最終回良かった!という方は回避してください〜
大前提として、演者さんも映像も音楽も最高で大好きです。この秋クールの最大の楽しみで、めっちゃハマらせてもらって、ありがとうございました。だからこそ最終回が残念で、両手を上げて喜べないのがしんどくて仕方がないので、何がそんなにモヤモヤするのか自分の心を整理したくて書きました。
11話までは安達くんと黒沢さんの話だった。ゆっくりじっくり、二人が近付いていくのを見守ってきたと思う。
原作の黒沢さんが11話に俺はどんなに安達が苦しんでいても別れてやれない、と泣いていて、そんな原作黒沢さんは、作者の先生も言うことをきかないから物語の方を変える、とインタビューで仰っていた。本当にそれが素敵だと私は思っていて、キャラクターはちゃんと意志があり、そこに生きている人だと感じる。『物語のために都合良く動くだけの存在にはしない』先生のこと好きだな!と信頼できる所以なんですが、ドラマの最終回での黒沢さんは完全に『やりたい展開のために動く駒』になってしまった。
最終的に藤崎さんに屋上で花火を上げてもらうために、大事な初デートのお店選びを会社で藤崎さんに相談して、安達とデートする予定なのを話す。これほんとなんで???と思ったシーンで、不自然すぎる。今まで藤崎さんと黒沢さんそんなに仲良しなシーンなかったのに。大事な初デートのことを他人に相談してる時点で黒沢優一というキャラクターへの解釈違いです!!てなるんだけど、これ藤崎さんに付き合ってるの知られたとしたら、黒沢さんとしては安達くんにはすぐ言わないといけない話じゃない…?けど安達くんは知らなかったんでしょ?不自然に感じてしまう。
藤崎さんは原作とは別の設定を与えられたキャラクターで、原作ではそこまで黒沢さんと安達くんと深く関わってくる人ではない。同じフロアの同僚にすぎない。読者の皆さんが私も藤崎さんになって二人を見守りたい!という気持ちの具現化としてもいてくれる。ドラマの藤崎さんの設定変更はまあ、腐女子としては、そうか我々はそのままドラマに出てはならない隠しておくべき存在なのか…まぁそうだよね…と一抹の寂しさを覚えつつも、今までドラマに扱いがなかった恋愛に興味がないタイプの方、という変更は良かったと思う。藤崎さん大好き。可愛い。女神。けど、12話での藤崎さんは制作側がやりたい物語(主人公によって変化があり、二人を応援するために動く)ためのメインに置かれてしまい、急に制作側のメアリー・スー(二次創作において、原作のキャラクター以上に活躍するオリジナルキャラクターなどを意味する。 二次創作内で理想化された原作キャラクターを指すこともある。ピクシブ百科事典より引用)と化してしまった。安達くんに「ごめんね」といいながらマジおせっかいな事(すまん)言って主人公を動かそうとする。あの社食ランチシーンも必要ある…?「周りが心配してる」という描写なんだろうけど、あの時点で安達くんは自分のこと好きになれるはずないし、何で今その話??てなるし、屋上に向かうには柘植くんからのアドバイスで充分だから、極論12話の藤崎さんのシーン全部無くても成立するんですよね。花火上げるシーンも含めて。無くても成立するシーンというのは無くていいんですよ…蛇足でしかないから。書きたいテーマが薄れるから真っ先に切るべきなのに、それをわざわざねじ込んで付け加えてしまった。
勿論、とても美しいシーンで、心温まるエピソードではあるんだけど、20分強しか時間がない中でやるのは無理があったと思う。最終回スペシャル1時間とかだったら喜んで周りにも影響与えて優しい世界!素敵!とか私も心から楽しめたかもしれないけど、20分強では、今その話いる????とどうしても感じてしまう。
そのために、割りを食ったのが黒沢さんの描写だから余計に。
七年片思いした相手と両思いになれて、ラブラブになれて、頑張る安達くんのためにサポート全力でして、安達くんの方から誘ってキスしようとしたら突き飛ばされて、魔法使えるって告白されて辛そうに泣かれて、自分から断腸の思いで別れを切り出したという、あのとんでもなく悲痛な11話後の描写が、なんか辛そうな顔で一人歩いてるだけだったのほんと…えええ…安達くんを優先させて、彼自身の気持ちは?という部分をもう少しちゃんと見せてほしかったなーーほんと黒沢さんの描写が足りなさすぎで、受け身すぎて、突然物語の都合のいい駒になってしまったのがしんどすぎる。黒沢さんと安達くんの生きている物語が見たかったのに、黒沢さんがいなかった。
花火もプロポーズもあまりにも都合が良すぎて(アントンビルのこと知らなかったはずの二人がたまたま近くの見えるビルで花火上げるとか)綺麗なんだけどとたんに作り物めいてしまって「本当にこんなことあるかも」という部分が薄れてしまい白けてしまったところがある。
アントンビルの屋上で、安達くんが来てくれたことに「安達、俺は…」と言いかけた言葉、ちゃんと聞きたかったよ。安達くんがさえぎって、お気持ち表明して、それに感激して抱きしめるの、うん、7話でもう見たことあるやつだったね……
奇跡が起きて来てくれたらと万年筆用意してプロポーズは正直ご都合すぎて引いてしまったんだけど(ごめん)(すごいなファーストキスもデートもしたことないのにプロポーズし出したぞ…とは思った)清ははちゃめちゃ感動してたお顔がぐっときました。清くんにはこれくらいがちょうどいいのかな…いやけど、正直、プロポーズより感情高まった安達くんのファーストキス、黒沢さんの安達くんとのファーストキスは丁寧にじっくりゆっくり見せて欲しかった。キスシーン無くても良かったという方も多いようですが(まじか)全年齢のでずにー映画でも思いの通じ合ったふたりは見つめ合ってちゅーするじゃん…じぶり映画だってするじゃん…ラブストーリーの大団円の昔からのお約束じゃん。二人を応援していた視聴者への二人は愛し合いくっつきましたよ、というお披露目みたいなもんで、おめでとう!良かった!と拍手する場面ですよ。ラブストーリーにキスシーンないって第九聞きに行って第四楽章だけやりませんみたいなもんじゃん!どんなに第一楽章〜第三楽章良くても歓喜の歌は!聞かせてくれよ!!てなるじゃん…え、ならないの…人それぞれだもんな…などとぐるぐるしている今日この頃です。私は聞きたいよ聞かせてくれよ…
BL作品としては二人がくっついて、はじめてのキスや初めてのベッドインへのドキドキやらそのあたりが見たくて見てるのに、ご褒美全部すっとばして朝チュンなのは拍子抜け…見たかった全てが既に終わってしまっていた…見たかったもの全部取り上げられて二人はもうその先に行ってしまったことで、置いていかれたような寂しさを感じてしまいました。
漫画原作のドラマ化って、ドラマオリジナル展開を盛り込みすぎて原作の良さが薄れてしまうというのが邦画のよくある改悪だと思うんだけど、まさかチェリまほ最終回で思いっきりこれをされるとは思わなかった。ファーストキスとか他のあれこれとか原作で読めば?となるけどドラマで見たかったんだよな…