中国学
読み終わった
中国の学術の歴史を俯瞰するのに良い本である。前半は目録学の歴史を述べており、『漢書』芸文志の構成からはじまり、『史記』の分類をめぐって問題が生じ、『隋書』経籍志に至って「史学の独立」が達成された。ここは大変おもしろい。四部分類に磨きをかけたのが、『四庫全書総目』で、民国にいたって四部分類はうまく機能しなくなる。王国維のものは、四部分類では分類することが困難だそうだ。後半は京都大学漢籍目録の構成とその分類方針を述べている。経・史・子・集について、詳しく書かれていて、たいへん参考になる。いままでにない書物がつくられると「雑」に分類され、下方排除されるが、「雑」の拡大とともに一分野が成立し、同時にそれまで正統だった書物にも、新たな意味を加えるという学術発展における力学も述べられている。経書、類書や叢書の成立なども詳しく、読み返してつかいたい。
- レビュー投稿日
- 2012年2月2日
- 読了日
- 2012年2月2日
- 本棚登録日
- 2012年2月2日
『知の座標―中国目録学 (白帝社アジア史選書)』のレビューへのコメント
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