ご注意書き。
ラブコメのつもりで書いたけどたぶん別の何かです。
でも、色々と壊れてます。
だが、おっぱい。
博麗神社に巨大なハリネズミが転がりこんできたのは日ものぼりきらぬ霊夢にとっては気だるい午前の事であった。
たぶん巨大なハリネズミの妖怪がやってきたのだろと陰陽玉を投げつけていると
「待て!霊夢!私だ!助けてくれえ!!」
と、よく知った声で訴えかけてくる。
その声と微かに針の間より見える黒いとんがり帽子よりこのハリネズミのような生き物は魔理沙であると霊夢はこの時初めて気が付いた。
さらによく目を凝らせば針に見えたそれは小さな刃物だった。
そう丁度、人形が持つくらいの大きさの。
こんな状態で魔理沙が神社にきたのだ。
勘がよくなくても分かる。
面倒な事がおきたと。
「ヒッグ…アリスがひどいんだぜ…」
魔理沙から大量の人形の剣やら槍やらを抜き取って神社にあげると案の定魔理沙はベソをかきはじめた。
別段魔理沙自身に外傷はないあれだけ大量の小さな刃物は信じられない器用さで魔理沙の服だけに刺さっていた。
となると、魔理沙が泣いている理由は精神的なものに他ならない。
これが非常に面倒なのである。
多分これから魔理沙の口から語られるのは他人が聞けばどうでもいい些細な事で泣いているのだろう。
霊夢にとってはそれこそ本当にどうでもいい事で。
しかし、いくら表裏のない性格の霊夢でも本音を押し殺してでも魔理沙の話を聞いてあげなくてはならなかった。
以前も魔理沙がアリスへの恋心を熱心に語った時、どうでもよかったので香霖堂にあった「魔法少女VSヤクザ」を読みながら適当に相槌をついていた所本のセリフがうっかり口からでてしまい神社が半壊した事があったからだ。
「なあ、霊夢。アリスは少し素直じゃないだけだからちょっと距離が縮まればそのまま流れで結婚までいけるよな」
「あんまりグダグダぬかしやがると。尻にキノコ詰め込んで簀巻きにして諏訪湖に沈めるぞ」
その事件以来、霊夢はどんなにくだらない事でも魔理沙の話は親身になって聞くフリをする努力をしている。
「ドウシタノマリサナニガアッタカハナシテミナサイヨ」
紫に作ってもらった傷心の乙女に対してはどういう言葉をかけるべきか書かれたメモも見ながらやる気の無さに満ち満ちた霊夢の声が響く。
本来なら死人に鞭打つ行為に等しい言葉だが、普段の霊夢から想像できないようなやさしい言葉なので魔理沙も霊夢ががんばっている事が感じられたのだろう。
怒ることもなく自分の身に起こった事を話し始めた。
「ぐっす…私が今アリスと同棲してるのは知ってるだろう」
はて、あれを同棲と言うのだろうか。
その言葉にすぐに霊夢は首をかしげた。
たしかにアリスは今魔理沙宅で暮らしている。
他でもない魔理沙に家を台無しにされたからだ。
事の起こりはアリスに無断で作った霧雨魔法店直営キノコ養殖所マーガトロイド邸屋根裏支部のキノコが突然変異を起こし巨大化。
マーガトロイド邸を押しつぶし、さらには人間にも妖怪にも有害な胞子を撒き散らしだし、紫と二人がかりで結界をはって封印する事態となった。
この一件により魔理沙はアリスの衣食住すべての面倒をみている。
アリスにしてみれば当然の償いなのだが、恋という病に脳を深く浸食された魔理沙には突然のアクシデントにより関係が深まり結婚も秒読みの段階にはいったと思い込んでる。
しかし、その後魔理沙の口から語られた今朝の霧雨邸での出来事は霊夢の予想をはるかに超えたものだった。
「アリスー朝ごはんができたぜ」
朝ごはんを作った後、アリスを起こしにいくのがここ最近の魔理沙の日課である。
朝早く起きての食事の用意は正直面倒であるが魔理沙には苦にはならなかった。
それは他ならぬ毎日アリスと食卓を囲める幸せと。
「アリース!ああ…今日も可愛いなあ…」
なによりアリスの寝顔を心ゆくまで堪能できるからだ。
アリスの安らかな寝顔を見るたび魔理沙は思う。
普段は二人きりの時もツンツンとした表情を崩さないアリスだがそれは照れ隠しに違いないと。
なぜならこんなにも可愛いアリスの寝顔を見られるのは自分だけなのだから。
自分でもわかるほど頬の肉を緩ませながらアリスの寝顔を堪能していた魔理沙だったがそのとき布団からはみ出たアリスの上半身をみた時、声が聞こえたのだ。
(寝間着がきつくて苦しいよ)
それは寝るときは必ずブラを外しているためネグリジェ一枚に覆われたアリスの胸の言葉にならぬ声だった。
これはいけない!アリスの胸が苦しんでいる一刻も早く楽にしてあげなくてはと、魔理沙が薄い一枚の布だけ覆われたアリスの胸に触れた時。
元気がないのに気が付いたのだ。
アリスの胸の先端の部分が。
これはいけない!と必死にアリスの胸をマッサージをしてアリスの胸の主に先端の部分を元気づけようしていると、突然頭を鷲掴みにされおっぱいから引きはがされたのだ。
「おはよう。魔理沙」
次の瞬間、魔理沙が見たものは笑顔でそう挨拶をするアリスと、その後ろで刃を構える何体も人形の姿だった。
レズレイプである。
今朝の霧雨邸での出来事を聞いた途端霊夢が思った事はそれだ。
それだけではない。
この魔法使いは自分の行為を正当化させる為に妄言を吐き出したのだ。
おっぱいの声が聞こえたなど、インチキ霊媒師だってもうちょっとマシな嘘をつく。
前々からレズだレズだと思っていたがついに一線を越えてしまった友人に霊夢は言葉を失ってしまった。
しかし、もっと重大な事に気がついてしまった。
ピンチだ。
主に霊夢自身の貞操が。
この状態では魔理沙は家には帰れまい。
ならば当然神社に泊めてくれと言い出すだろう。
となれば次にこの魔法使いの餌食になるのは霊夢自身に他ならない。
「なあ、霊夢そんな訳で今日は家に帰れそうにないからここに泊めてくれよ」
案の定ここに泊めてくれと言い出した魔理沙。今の魔理沙の泊めてくれはレズ夜這いするとしかとれない。
その言葉を聞くやいなや霊夢が神社の奥より持ち出したのは一丁のレズ妖怪バスター。
これは昨今幻想郷において多発する妖怪によるレズ犯罪を抑制する為に河童と協力して開発したもので、ご神体よりはなたれるアツアツのコンデスミルクによりレズ妖怪を懲らしめるのだ。
今回のケースは人間が妖怪を襲ったケースだが。なに、使用方法に誤りはない。
「うわ!なんだ霊夢!やっ!熱い!」
問答無用で魔理沙の顔にアツアツのミルクを発射すると、熱いと小さな悲鳴をあげる魔理沙に霊夢はゾクゾクと背筋が歓喜に震える感覚を覚えた。
(これは服を脱がして、縛って使った方が効果的ね)
今、試してみようかとも思うがすぐに霊夢は思いとどまる。
本来の目的ではないと。
「そんな事言って襲うつもりなんでしょう!レズレイプするつもりなんでしょう!!」
「なっ!?いくらなんでもそんな事はしないぜ!!私はアリス一筋だし、霊夢にはそんな興味はないし、アリスより胸もないし…」
「なっ!!」
その魔理沙の一言にさすがの霊夢もカチンときた。
レズの友人の言葉だろうが興味がない、おまけに胸までないと言われれば霊夢とて女としての自尊心は傷つく。
「分かったわ、魔理沙。今日は泊まっていきなさい」
そして、博麗神社への宿泊を許可された魔理沙だが素直には喜べなかった。
そう告げる霊夢の顔が何時も妖怪を退治する時にみせる笑顔。
鬼をも恐れるハクレイスマイルだったからだ。
「あううっ霊夢!」
「あら、魔理沙そんなせつそうな声だしてどうしたの?」
「こんな事されたら誰だってそんな声あげるぜ…」
魔理沙の言い分はある意味もっともであった。
今、魔理沙と霊夢は一つの布団の中で身を寄せ合っている。
しかし、互いを求め合う関係ではなく。
ましてや、そんな雰囲気でもなかった。
「こんな事って?仲のいい女の子ならよくするただのスキンシップじゃない」
「じゃあ、この縄を解いてくれよぉ」
「だめよ。魔理沙に私が襲われるじゃない」
どこの世界に両手を前にして縛られた状態で後ろから抱きつき襲われるから縄は解けないとのたまう巫女がおろうか。
しかし、薄い寝間着越しにつたわる霊夢の胸の感触に上手く働かなくなった魔理沙の理性では反論もできず。
ただ、甘い悲鳴をあげるしかなかった。
「あうっ霊夢っ!!霊夢!!」
「そんなに私に名前を呼んでどうしたの魔理沙?興味がなかったんじゃなかったの?」
はじめは興味がないなどと言われた腹いせに霊夢が始めた行為だったが、今は完全にこの状況を楽しみだしていた。
魔理沙からでは確認する事ができないが、胸を擦り付けるたびに身を震わしながら甘い声をあげる魔理沙に霊夢の顔もうっすらと熱をおびていた。
肩越しに魔理沙の頬に頬ずりをすれば涙声になり顔を嫌々と振る様など霊夢にはもっとしてくれとしかとれない。
しかし、そんな事をしていると魔理沙の口からいままでとは違った質の声がもれている事に気が付いた。
自分の悪戯とは違うタイミングでもれる声に不思議に思いふと魔理沙の縛った手をみると、自分の脚の間に手をいれもぞもぞと動かしているのが見える。
魔理沙が何をしているのか霊夢はすぐに分かった。
そして、これから自分がどうすればいいかも。
「やだ、魔理沙もしかして私の体に欲情して一人でしてるの」
「やあっ…言わないでぇ」
「駄目、はっきり言ってあげる。魔理沙は女の子なのに女の子の体で欲情しちゃって我慢できずに一人でしちゃってる変態なの」
「ちっ違う!!これは違うぜ!!」
「どこが違うの?ほら、もっと見せてみなさい」
そう言い、霊夢が魔理沙の片脚を掴み広げるように持ち上げると下着の中に手を入れ動かしているのがはっきりと確認できた。
「やあっ!!見ないで!!見ないで霊夢!!恥ずかしい!!」
「だったら手を止めればいいでしょ」
「やあっそんな…」
しかし、必死に見ないでと哀願する魔理沙の口とは裏腹に手の動きは早さを増していた。
そして、その事を見逃す霊夢でもなかった。
「あら、魔理沙。口では嫌々言ってけど手の動きは激しくなってるじゃない。もしかして、見られて興奮したの?」
「やっ…そんな事…うんっ…ないぜ」
「やっぱり興奮してるじゃない。魔理沙は私の体で発情したうえにこんな辱めを受けて興奮してるんだ」
「やんっ…違う…違うぜ…」
「何が違うの?おまけに女の子のなら誰もいいんでしょ」
「違うっ…霊夢が…アリス…」
容赦のない霊夢の言葉攻めを受ける度に魔理沙の興奮の度合いもまた高まっていった。
「ふーん、私の体で興奮してアリスの事想いながらしてるんだ」
「あうっ…アリス!アリス!!」
「まあいいわ。ほら、ちゃんと見ててあげるからいきなさい」
その言葉を皮切りに魔理沙の手の動きは激しくなり。
そして
「やっっっアリス!!!アリスぅぅぅ」
一人身を震わし果てた。
「ひっぐ…ひっぐ…」
「ああ!!もうっ!!そんなに泣かないの!私が悪かったって言ってるでしょ!」
その後、布団の中で泣き止まぬ魔理沙とその横で必死になだめる霊夢の姿があった。
あれからずっと泣き止まぬ魔理沙に霊夢も困り果てていた。
レズレイプをした魔理沙を懲らしめる為の行為と後付の理由もしっかりと用意していたのだが。
これではどっちが女の子を襲った悪人なのか分かりはしない。
無論、客観的に見てどちらが悪いのか明白だ。
それが分からない霊夢でもない。
「ひっぐ…だって…霊夢が…あんな恥ずかしい事させて…ぐっす」
「あれは魔理沙があんまり可愛く嫌々するから私のほうもついスイッチ入っちゃって、でも気持ちよかったでしょ。なら、いいじゃない」
「うああああああああああああん」
いや、この巫女はまるで何も分かっていない。
先ほどの行為で魔理沙は図らずも初めて人前で絶頂を迎えてしまった。
いわば魔理沙にとって初体験となってしまったのだ。
キスもまだなのに初体験があのような倒錯した行為、おまけに相手は友人の霊夢だ。
さらには実際気持ちよかった事が拍車をかけ泣いているのにもかかわらず。
気持ちよかったらいいじゃないの一言ですまそうとしているのだ。
さらに問題なのはこのまま神社に居続けては毎晩こんな仕打ちをうける魔理沙はそんな気がしてならなかった。
一刻も早くアリスに機嫌を直してもらわないともっと恥ずかしい事をされるだろう。
しかし、今家に帰りアリスに「私、霊夢に傷物にされちゃったぜ…」と勇気をだして告白したところで慰めてくれるようなやさしい抱擁は期待できない。
「そう、よかったわね。じゃあ傷物の魔理沙はさっそくお風呂の準備をしてちょうだい」とまるで蚊に噛まれたかのように軽い扱いをうけるのが関の山だ。
そう思うと一向に涙は止まってくれなかった。
「わかった。私がアリスとの仲を取り持ってあげるから」
「ぐっす…本当か?」
しかし、霊夢の一言によって魔理沙の涙は止まった。
「本当。明日朝一に私がアリスの所にいって話つけてくるから。魔理沙は昼ごろ家にもどりなさい」
「…霊夢!!」
その言葉に一気に魔理沙の表情も明るくなる。
思えば少し性格や行動や思考に難のあるものの今まで培ってきた友情は偽りのものではない。
友人でレズ羞恥プレイをしてしまう事はあっても自分を見捨てるような事はしない。
それが霊夢ではないか。
しかし、そんな魔理沙の抱いた希望も翌日の昼には無残に打ち砕かれる事となった。
魔理沙が家に帰ると信じられない光景を目のあたりにした。
そこには猿ぐつわをかまされ、下着姿で縛られ吊るされたアリスと、そのアリスにレズ妖怪バスターで嬉々としてミルクをかけている霊夢がいたのだ。
前々からSだSだと思っていたがついにアリスにまでその毒牙にかけはじめた友人に魔理沙は憤慨した。
いくらアリスが可愛いからと言って自分をのけ者にしてそんな事を勝手に始めるなどと。
「霊夢!私はこんな事頼んでないぞ!!」
仲を取り持ってくれると言ったのにもアリスを縛りあまつさえミルクをかけるのを楽しんでいる霊夢に魔理沙は声荒げてつめよると霊夢は落胆した顔で大きなため息をついた。
「ちょっと、魔理沙。せっかく私が心を鬼にしてアリスを縛ってミルクをかけてるんだから。ここは私を倒してアリスを助けるところでしょうが。ちょっとは展開読みなさいよ」
無茶ぶりだった。
そもそも、事前に何の説明もなく突然こんな光景を見せられてそんな事が出来るわけがない。
なのに、なぜ自分が悪いように言われないといけないのか。
しかし、今一番の問題はこの巫女よりものアリスの方で、
「うー!!ううう!!!」
端正な目と眉をこれでもかというほど吊り上げ魔理沙にむかって唸っている。
完全にこれは魔理沙が仕組んだ事だと思っているのだろう。
猿ぐつわを外せば素敵な罵倒がたっぷりと聞ける事だろう。
「霊夢…どうするんだよ…」
仲を取り持つどころか明らかに悪化している現状にそろそろ魔理沙は気づき始めていた。
根本的に相談相手を間違えていたのではないかと。
「しょうがないわね。こうなれば最後の手段よ。アリスの恥ずかしい写真を撮って脅しちゃいましょう」
まるでとっておきの策のようにそのような事を平然と言ってのける霊夢に魔理沙の人選ミスは確信へと変わった。
しかし、その霊夢の言葉に一瞬魔理沙の心が揺らいだ。
アリスを恥ずかしい写真で脅して自分の意のままにできるなんて夢のようだと。
「さあ、アリス。この恥ずかしい写真をばら撒かれたくなかったら。私を自分の人形みたいに愛情をもっていじめるんだぜ」
「くうっ…写真さえなければ魔理沙なんかいじめないのに…」
「ああっ…そうっ!もっと無茶苦茶にしてくれぇ!!」
だが、すぐに魔理沙は暴走し始めた自分の思考を振り払う。
自分は決してアリスを意のままにしたいのではない。
ましてや、いじめられて感じる人間ではないと。
それに今こそ霊夢を止める時ではないのかと。
アリスに嫌われたままでもいい。
それでもアリスの恥ずかしい写真を撮るのは絶対に止めないといけない。
「霊夢!!」
「ほら、魔理沙。アリスのおっぱいポロロ~ン」
霊夢によってアリスのブラから飛び出たおっぱいを見せられた後の魔理沙の記憶は定かではない。
気が付けば一心不乱にアリスのおっぱいを吸っていた。
そのせいでアリスの恥ずかしい写真は撮れず。
代わりにおっぱいに吸い付く魔理沙の恥ずかしい写真だけが撮られる事となった。
こうして身を挺してアリスの恥ずかしい写真を阻止した魔理沙。
だが、その後アリスは数か月間口も聞いてくれなかった。
鬼才は健在でしたねww
あんたやっぱすごいや
もっとカオスにしてもいいのよ。
アリスも大変だな・・・