※はじめに
この作品は、【百合色の】東方の百合カップリング談義4【幻想郷】 30、同じく11スレ目676、及び常春の百合ろだ[lily_0073.txt]、[lily_0130.txt]に投稿したSS、
http://merupo.orz.hm/lily_stories/upload/read.php?id=0073&file=lily_0073.txt
http://merupo.orz.hm/lily_stories/upload/read.php?id=0130&file=lily_0130.txt
にネチョ要素を追記し、統合・加筆修正したものです。
この作品が、上記のSSの盗作、無断使用ではないこと、上記のSSとこの作品の筆者は同一人物であることをここに明記します。
「じっごっくーをみっれっばー、こーこーろっがかっわっくー♪」
湯気で煙ったガラス戸の向こうからは、ルーミアの能天気な歌声。
一方霊夢はというと、脱衣所で悶々としていた。
「あー……あのコったらこっちの気も知らないで……」
自分の提案とはいえ、脱衣所に入った途端ルーミアが遠慮なしに着ているものを全部脱いでしまったのには流石に面食らった。
霊夢は慌てて、忘れ物をしたからと言ってルーミアを先に行かせることにした。
ルーミアの小ぶりなお尻を見送った後、霊夢はため息をひとつ。
「まったく、あのコったら……」
無邪気で、無防備。そんなルーミアに、霊夢は惹かれているのだ。
さて、いつまでもこうしているわけにはいかない。
深呼吸を3回。3回したら扉を開けて中に入る。
そう決めた霊夢は、さっきのように不意打ちを食らわないようにドアの向こうのルーミアの様子を伺い、出てくる様子がないのを確認して、深呼吸。
吸って、吐いて、吸って、吐いて、吸って、吐いて。
その吐息に妙な熱がこもっているのに、霊夢は一人、顔を赤らめた。
「もー霊夢おそーい」
「ごめんごめん」
浴室に入ると、ルーミアは頭にタオルを乗せて浴槽のふちにあごを乗せていた。
赤くなった頬が可愛らしい。
霊夢はなんとか表面上は平静を保ちながら、浴室用の椅子に腰をおろす。
一瞬だけ躊躇してから身体に巻いたタオルを取り、身体を洗い始める。
(……な、なによこの沈黙は)
霊夢が身体を洗っている間、ルーミアは口を開かない。
いつもならうるさいくらいのルーミアが黙りこくっていると、それだけで落ち着かない。
髪を洗いながらちらりと浴槽の方に目を向けると、ルーミアは黙ったまま、じっと霊夢の方を見ている。
沈黙が気まずいのなら霊夢のほうから話し掛ければいいだけの話だが、なんとなくきっかけがつかめない。
どうしようかと躊躇っているうちに、先にルーミアが口を開いた。
「霊夢、きれいだなー」
「な……!」
まだ湯船に浸かってもいないのに、霊夢の顔がのぼせたように真っ赤になる。
そんな霊夢の様子を気にした風もなく、ルーミアはのんき顔。
「霊夢って髪長いんだね。リボンほどいたの初めて見たよ。きれいだなー」
「な、なに言うのよ、いきなり……」
「ふわー、つやつやだー。きれーだなー」
「だから、そういうことをさらっというんじゃないの!」
「えー」
ルーミアは全然分かっていない様子で首をかしげている。
霊夢は気恥ずかしさをろくに隠すこともできないまま身体を洗い終え、浴槽に身を沈める。
するとルーミアはさも当たり前のような顔で、背中を霊夢の胸に預けてきた。
裸身を隠すそぶりも見せないルーミアの無防備さに、霊夢は二重の意味でくらくらしてきた。
ルーミアは頭を逸らし、背後の霊夢に「えへへー」と笑いかける。その喉もとの白さが目にまぶしい。
成熟した女性――例えば紫のような――には遠く及ばないルーミアの肢体はしかし、幼さ故の逆説的な色気を湛えていた。
普段陽に当たらないせいか陶器のように白い肌が、今はほんのりとピンク色に染まっている。
細い腕、抱きしめれば両腕の中にすっぽり抱え込めてしまうほど小さな肩、そこから続く僅かなふくらみを見せる胸元……。
それら全てが今、自分の腕の中にあることに、霊夢は酩酊感すら覚える。
気が付けば霊夢は、自分でも気付かないままルーミアの小さな肩に腕を回し、抱きしめていた。
ルーミアは肩から回された霊夢の手に自分の手を重ね、甘えるように頬を寄せる。
素肌がぎゅうっと密着する感触が、たまらなく甘い。
「ふにゃ~……あったかくって、ほわほわするよー……」
ルーミアはすっかりご満悦で、霊夢に身体を預けている。
その様子が無性におかしくて、霊夢は笑みをこぼした。
「どお? お風呂の感想は」
「な~にが~?」
肩越しに振り向いたルーミアの顔は弛緩し切っていて、なんかよく煮た白菜みたいになっていた。
「うわあなんか脱力してるし」
「だ~って~、きもちい~んだみ~」
「み~って……」
なんかヘンな生き物みたいになってしまったルーミアを、霊夢は抱き寄せる。
ルーミアはふにゃふにゃ言いながら、霊夢の胸におとなしく収まった。
「……」
すぐ近く、目の前にあるルーミアの首筋。
手を伸ばすどころか、息がかかりそうなくらいに近くにあるというのに、霊夢はもっと近くに欲しくて、その首筋に顔を埋めた。
「んにゃ……くすぐったーい……」
きゅっと肩をすくめて、ルーミアはくすくす笑った。
そのまま霊夢は、吸い寄せられるように、その細い首筋に口づけた。
「ふぁ……っ?」
外見とは全く不釣合いな吐息が、ルーミアの唇から漏れた。
戸惑い気味の瞳が、至近距離から霊夢を振り返る。
「……ちゅー、したの?」
「いや……だった?」
昂揚と、そして少しの罪悪感で僅かに震えた声で問う霊夢。
その問いにルーミアは、すぐには答えなかった。
霊夢もそれ以上言葉を続けられず、浴室に気まずい沈黙が満ちる。
触れ合った背中を通してルーミアに自分の鼓動が伝わってしまいそうで、霊夢は無意味に息を止めてみたり。
「んーん……ちょっとびっくりしたけど、やじゃないよ」
ルーミアの返事に少し安心した霊夢は、くすりと笑みを漏らした。ルーミアも同じように、無邪気に笑ってみせる。
「ね、ね、霊夢。今の、もっかいして?」
一瞬あっけに取られる霊夢。
前を向いてしまったルーミアの表情は見えないが、どんな顔をしているのだろう。
ぼけっとしていると、ルーミアがせっついてきた。
「ねーねー霊夢ぅ、今のもっかいしてよう。ちょっとぞくぞくして、きもちよかったの」
「……あ、あーはいはい、わかった、わかったから」
まさか分かっててこういうコト言ってるんじゃないでしょうね……そんなことを思いながら、霊夢は華奢な首筋に唇を寄せた。
「んぅ、んっ、ふ……にゃは、くすぐったぁい……」
唇が触れるたびに、ルーミアはくすぐったそうな声をあげ、吐息を漏らし、肩を震わせる。
その様がたまらなく可愛らしく、霊夢は裸の胸にルーミアの体温を感じながらくちづけ続ける。
肩から首筋へ、そして、ふと沸き起こったいたずら心に従い、上気して赤くなった耳たぶを口に含んだ。
「ひゃ……!」
ルーミアが、今までとは決定的に異なる声を上げた。
あ、ヤバ、やりすぎたかな……?と霊夢が思った時には、ルーミアの体からはくたりと力が抜けてしまっていた。
「ちょ、ちょっと、ルーミア?」
慌てて覗き込んだルーミアの顔は、明らかに湯船以外の理由で上気している。
「ふぁ……?」
「だ、だいじょうぶ? のぼせちゃった?」
「んみゃ……」
ルーミアはぽーっとした視線を霊夢に向け、ふにゃっと微笑んだ。
「えへへー……おみみ、食べられちった……」
霊夢の腕の中で、ルーミアがもぞもぞと身体の向きを変えて腕を伸ばす。
ルーミアは伸ばした腕を霊夢の首に絡め、身体を寄せる。ルーミアの薄い胸が霊夢のふくらみに押し付けられる。ルーミアが身を捩るたびに密着した素肌から伝わる甘い痺れが霊夢を襲った。
ルーミアは霊夢の鼻先まで顔を近づけ、笑って見せた。そして霊夢がしたのと同じように、霊夢の耳に拙いくちづけをした。
「ん……」
「えへへ、お返しー」
「もお……」
顔を赤くしながら笑うルーミアの額に霊夢は軽くくちづけて、幼い身体を抱き寄せた。ルーミアは嬉しそうに頬をすり寄せる。
そうやって肌を合わせているだけで、霊夢は胸中に根源的な安堵が広がるのを感じていた。抱きしめているようで、抱きしめられている……そんな感覚だった。
ぴったりと密着した胸の奥から、確かな心臓の鼓動が感じられる。背中に回した手に少し力を入れると、その感覚はより強くなった。
「ねぇね、霊夢。ちゅーしてもいーい?」
「な、なによ、いきなり」
可愛らしく小首をかしげてとそう問うルーミアに、霊夢は思わずどもってしまう。
「んとね、霊夢に首とか耳とかちゅーしてもらったり、ぎゅーってくっついたりしてたらね、なんだかどきどきして、ふわふわして、どきどきして、ちゅーしたくなっちゃった」
そんなルーミアの様子がたまらなく可愛くて、霊夢は顔が赤くなるのを抑えられない。
返事の代わりにそっと抱き寄せてやると、ルーミアは嬉しそうに唇を寄せた。
「ん……んー、ちゅ、んふふ……」
くすくす笑いながら、ルーミアは幼い唇と小さな舌で、霊夢にキスを繰り返す。
身じろぎするたびに、ぱちゃ、ぱちゃんとお湯が跳ねる音も、霊夢にはどこか遠い。
どちらからともなく唇を離し……ルーミアが追いすがるように再び重ねる。小さな舌が霊夢の唇をぺろぺろと舐めた。
霊夢も舌を伸ばして応じると、潤んだルーミアの瞳が、とろんと微笑んだ。
唇を離してからちょっと間が空いて、霊夢は自分の方からルーミアに頬をすり寄せてみた。少し恥ずかしかった。
ルーミアは、わ、と小さく声を上げて、ちょっと驚いた様子だった。それから、きゅっと霊夢を小さな両手で抱き寄せて、霊夢の髪を撫でた。
かっと顔が赤くなったが、霊夢はそのままでいた。気恥ずかしさはあったが、それすらもが心地よかった。
「えへへ、なでなで」
「もお、生意気」
「だって、わたしもなでなでしてもらったから、こんどはしてあげたいなーって」
そう言って無邪気に笑うルーミアに、霊夢はこみ上げるようないとおしさを覚えた。何の打算も計算もない、純粋で無垢な笑顔。
ぎゅっと抱きしめて、また口づける。
密着した肌がこすれ合うたびに、頭の奥がとろりと溶けてしまいそうだ。
ルーミアの視線もまた、少しずつとろけてきている。身体をすり寄せながら漏らす鼻にかかった甘い声が霊夢の耳朶を侵す。
耳元で息をされるだけで、霊夢は背筋がぞくりと震えるのを抑えられない。
ルーミアの身じろぎ一つが、熱が氷を溶かすように霊夢の現実感をなくしていく。
ぷは、と唇を離すと、ルーミアがはぁ……っと、吐息をこぼした。
「お風呂で……はだかで、こんなことしてるなんて、なんかえっちだね」
「あは、そうね……」
「でも……ちょっとはずかしいけど、おっぱいとかおしりとか触りっこしたり、ちゅーしたり……霊夢とえっちなことするの、やじゃないよ。好きー」
あけすけなルーミアの言葉に、霊夢は赤面する。赤面しつつも、霊夢の手は自然とルーミアの頬を伝い、首筋をくすぐり、そして小さな身体を抱き寄せた。抱き寄せて、深く、抱きしめる。
それだけで、心地いい。
ルーミアも手を伸ばして、霊夢にしがみついた。それが霊夢には嬉しかった。
「あは……」
霊夢の耳のすぐそばで、ルーミアは吐息とも笑い声ともつかない声を漏らした。どきっとした。
上気したルーミアの顔が一瞬、ひどく大人びて見える。
「えへへ……なんか、ぎゅーってしてると、安心するー……」
そんな風に笑いながら、ルーミアはじっと霊夢のほうを見つめている。
穏やかな、沈黙……。
ルーミアの幼い肌の感触に、霊夢は足元が抜けるような酩酊感と不思議な安堵を同時に覚えた。
細い肩に、首筋に、霊夢はそっと口づける。
そのたびにルーミアは身じろぎし、お湯が跳ねて二人の身体を濡らす。
「ルーミア……」
ため息のように、自然とその名前が霊夢の唇からこぼれ落ちた。
ルーミアは、溶けるように微笑む。軽く目を閉じて、霊夢の胸に顔を埋める。
「えへ……ずーっと、ぎゅーってしてたいな……」
「ばか、のぼせちゃうわよ」
照れ隠しに霊夢は、ルーミアの頭を軽く小突いてやった。それからちょっと間を置いて付け加える。
「……ね、寝るとき、してあげるから。ぎゅーって」
「ほんと!?」
「わっぷ! いきなり立ち上がるんじゃないわよ!」
「ふや、ごめん」
「あと前隠しなさいよ前。あんたも女の子なんだから恥じらいってものを……」
「んー……でもぉ、霊夢になら見られてもいいよ?」
「……ば、ばか言ってないで、ほら、もう上がるわよっ」
「ふぃ? どしたの霊夢ー、霊夢ってばぁ」
「霊夢ー、おふとんしいたよー」
「んー……」
顔を赤くしてようやく風呂から上がった霊夢は、ルーミアに寝床の準備を頼んで明日の着替えを用意していた。
ルーミアの服はワンピースと一緒に洗うことにして、あまっていた浴衣を着せておいた。
霊夢が布団を敷いた居間にやってくると、布団の上にちょこんと座っていたルーミアは、嬉しそうに駆け寄ってきた。
「あ、来た。ね、早く寝よ?」
「はいはい、分かったからそんなに引っぱらないでよ……って……」
布団は一つ。
枕は二つ。
「……なんで布団が一つなの?」
「? だって一緒に寝るでしょ?」
「……なんで枕が二つなの?」
「? だって一緒に寝るでしょ?」
「\(^o^)/」
ああ、詰んだ。NO REFUGE。
自分の意識の届かない、どこか遠いところで霊夢はそう思った。
「き……切れた……わたしの体の中で、なにかが切れた……決定的ななにかが……」
「わあ、霊夢がこわれたー」
ぺちぺちと霊夢の頬を叩いてみるが、霊夢はこの世のどこも見ていない目でスピードワゴンがどうとか彗星がバーッとか呟くばかり。
霊夢の内的世界では理性と衝動が宇宙大戦争を繰り広げているのだが、ルーミアはそんなことは知る由もない。
口を尖らせて不満顔をしている。
「いっしょのお布団じゃだめなの?」
「べ、別に一緒の布団じゃなくてもいいでしょ」
「えー……でもぉ、寝るときぎゅーってしてくれるって……」
「うッ! そ、それは言ったけど……」
「だめなの? アソビだったのね!? ひどい!」
「あんたどこでそんなの覚えてくるの……あーはいはい分かったわよ一緒に寝るわよ……」
「にゃはー♪」
ため息混じりにそう答えて、さっさと布団にもぐりこんでしまったルーミアに急かされながら、霊夢も布団に入る。
さっそくしがみついてきたルーミアは、ひどく嬉しそうにな笑顔を霊夢に向けた。
「ね、ね、ぎゅーってして、ぎゅーってして!」
「はいはい……」
ぎゅっと抱きしめてやる。ルーミアは嬉しそうに霊夢の背中に手を回してきた。
霊夢の胸元に顔を埋めて、にこにこしている。
なんとなく見下ろすと、ルーミアもまた視線を上げて、にへっと笑った。
「♪」
「……っ」
その無邪気な笑顔に見つめられて、なんだか気恥ずかしくて、でも目を逸らすのももったいない気がして……結局霊夢はそのままでいた。
霊夢の胸の中で、ルーミアはじっと霊夢を見上げている。その表情がだんだん夢うつつになっていく。
頬にかかった髪を指先でかき上げてやると、ルーミアの小さな唇からかわいい吐息がこぼれた。
「んみ、ねむーい……」
「……気楽でいいわねあんた」
逆に霊夢はこの騒ぎで色々な意味ですっかり目がさえてしまっている。
ルーミアはそんな霊夢にはお構いなしに、もう半分夢の世界だ。
「ああもう、眠いならさっさと寝なさいよ」
「ふにゃーい……」
そういうとルーミアは、なにを思ったのか寝ぼけ眼で霊夢の浴衣の合わせに手を突っ込んできた。慌てる霊夢。
「ちょちょちょちょっと!? な、なにしてるのよ……!」
「んにゃ……おっぱい……」
「はぁ!?」
「れーむの、おっぱい……ほしい……」
「な……っ!?」
顔どころか首筋までが一瞬で赤くなったのが分かった。
霊夢が赤くなって硬直している間に、ルーミアは霊夢の浴衣をはだけてしまった。そして霊夢の胸の谷間に顔を埋めると、安心しきった顔で寝息を立て始めた。
「……っとにもお……甘えんぼなんだから……」
そう文句を言った自分の顔がだらしなく緩んでしまうのを、霊夢はどうしても止められなかった。
胸元を寝息でくすぐられながら、霊夢はルーミアの髪を優しく撫でてやる。いたずら心を起こして、耳や首筋の辺りを指先でくすぐってやると、ルーミアはやけに色っぽい声を漏らして、霊夢はひとり赤面した。
そんな風に、霊夢は先に眠ってしまったルーミアを眺めていた。
無防備な寝顔。キスしたいな、と霊夢は思った。でも、眠っているときにするのはなんだか悪い気もするし……そう考えてから、霊夢はすでに眠っているルーミアにキスをしたことがあるのを思い出した。
うう……と霊夢はうめいて、でも結局、ルーミアの柔らかい頬にキスをした。
「ねえ……ルーミア?」
「すかぴー」
「寝てるし……人の気も知らないで」
ルーミアは霊夢の苦悩などそ知らぬ顔で気持ちよさそうに眠っている。
その無邪気な寝顔を見ていると、自然に笑みがこぼれた。
思えば今日は、ルーミアにずっと振り回されっぱなしだった。
一緒に食事をしたり、お風呂に入ったり、ペアのワンピースを着てみたり……。
あわただしい一日だったがとても楽しかった。
それに……
「……」
霊夢は無意識に、自分の唇を指先でなぞる。
たくさん、キスをした。そして、たくさん、ルーミアと……。
甘やかな感触が蘇る。
指先を、ルーミアの頬に持っていく。
つついてやると、ルーミアはむにゃむにゃと声を漏らす。
「……けっこう、恥ずかしかったんだぞ」
そう小声で呟くと、ルーミアは「にへへ……」と寝息交じりに笑う。
その様子に霊夢は思わず吹き出して、なおもルーミアの頬をつつく。
「あはは、ほんとぷにぷにだわ……」
「にゃふー……」
頬をつつかれっぱなしのルーミアが、両手をわたわたと動かして霊夢の手を掴もうとするが、ほとんど眠っているせいか的外れな方向を掴むばかりだ。
霊夢がその手を優しく取ってやると、ルーミアは強くも弱くもない中途半端な力で握り返してきた。
「あ……」
そのまま両手で、大切なものを抱きしめるように自分の胸に抱きこむ。
手のひらにルーミアの体温が伝わってくる。染みるように温かい。
そして、かすかに感じる柔らかな感触。どきんとした。
霊夢は空いた手でルーミアを抱き寄せる。
無邪気な寝顔が間近にあった。
そのまま頬に手を添えて、くちづける。
頬に、額に、そして唇に。
「ん、ん、ん……」
今日、ルーミアがしてくれた分を返すように、霊夢はくちづけを繰り返す。
ルーミアの手がわずかに強く霊夢の手を握る。
急にルーミアがいとおしく思えてきて、霊夢はそっと、もう一度口づけた。今までより、少しだけ長く。味わうように。慈しむように。
「おやすみ、ルーミア……」
ルーミアを抱きしめたまま、霊夢は心地よい眠りに落ちていく。
眠りの中で、何かが唇に触れた気がしたが、霊夢にはよく分からなかった。
朝、霊夢が目を覚ましたときには、ルーミアはまだ眠っていた。はだけた霊夢の胸に顔を埋めたまま、気持ちよさそうに寝息を立てている。
目を覚ましたときに、すぐそばに誰かがいる――霊夢には初めての経験だった。
「ふふ……」
自然と、笑みがこぼれた。
「ルーミアだ……」
そんなことを呟いて、霊夢はルーミアの髪を撫でる。ルーミアがかすかな吐息を漏らし、小さな手がぴくぴくと動いた。
今日は、なにをしようか、この子と。一日中ふたりで寝ていてもいいかも。
「いっぱい、いちゃいちゃしたいな……」
自分でそう言っておいて、霊夢は顔を赤くした。なぜかそこでルーミアが、にひゃ……と寝言を言った。
「もお……あんたのせいなんだからね、ちびっこ」
そう言ってルーミアの顔をつついてやると、ルーミアはうーうー言いながら両手をわたわたさせた。
その様子が可愛くて、おかしくて、つついて遊んでいるうちにルーミアが目を覚ました。のろのろと起き上がって、眠たげに目をこすっている。
「んゅ……朝なのかー」
「おはよ。やっとお目覚め?」
「ふぃ……? れえむぅ……? なんで霊夢がいるのぉ?」
「まーだ寝ぼけてるのね。あんた夕べ私んちに泊まったんだって」
「う~……? ヨバイ~?」
「だからどこでそんなの覚えてくるのよ……」
まだ寝ぼけている様子でルーミアが立ち上がる。中途半端に結んだ帯がほどけてしまって、着ている浴衣ははだけてしまっていた。
「ほぉら、朝からそんなかっこうしてるんじゃないわよ。もおっ」
「ふぃ……?」
言われてルーミアは視線を下に落として、自分の姿を確認する。そして……
「……ふみゃあああっ!」
悲鳴を上げてその場にへたり込んでしまった。
どうせ寝ぼけながら、えへへ、脱げちゃったとかなんとか言うんだろうと思っていた霊夢は、少なからず驚いてしまった。
ルーミアは両手で必死に身体を隠しながら顔を真っ赤にしている。
「ちょ、ちょっと、ルーミア?」
「ふわわわ……み、見ちゃった? 見えちゃった?」
そう言って涙目になっているルーミアの様子は、とてもではないが夕べ脱衣所に入るなり服を脱いでしまった彼女と同一人物だとは思えない。
「ルーミア、どうしちゃったのよ? その、一緒にお風呂入ったりしたじゃない?」
「そ、それはそうだけどお……い、今、ほら」
「……?」
ルーミアはいつもの様子からは想像できないひどくおどおどした様子で、へたり込んだまま霊夢を上目遣いに見上げて、言った。
「あ、朝……だから」
「……?」
霊夢はその言葉の意味がすぐには理解できなかった。妙な沈黙。
その間ルーミアは、真っ赤な顔をしてもぞもぞと着衣の乱れを直していた。
「え? え? 朝だからって……でも、一緒にお風呂入ったときは、え?」
「だ、だからぁ、お風呂入ったのって夜だったでしょ? だから平気だったけど、今は……」
「え……と、つまり、明るいからとかそういうんじゃなくて、今が朝だから、恥ずかしいって……?」
「うー……そ、それに、こんな時間に、誰かと一緒にいるなんて、それにこんなかっこしてるなんて、その、はじめて、だから……」
再び、沈黙。
霊夢はようやく、ルーミアの言わんとするところが理解できた。理解して、そして、思わず吹き出してしまった。
「ぷ……あは、あははは! え、なに? そういう問題なの?」
「あーっ、霊夢ひどーい……ほんとに、ほんとに恥ずかしいのにぃ……」
「だ、だって、あんたお風呂場じゃあっさり脱いじゃったし、寝るときに私の服脱がそうとするし、なのに、今さら……」
「だって、だってぇ……」
笑い続ける霊夢にルーミアは涙目で抗議するが、霊夢はお構いなしに笑っている。
いつもはどちらかというとルーミアに振り回されがちなせいか、余計におかしい。
霊夢は涙が出るほど笑いながら、ルーミアのほうを見る。
見慣れた無邪気で無防備な表情ではなく、顔を赤くしてへたり込んでいるルーミアは、なんだか弱々しく見えて……霊夢はいたずら心を刺激される。
「いつもはあんなに無防備なのにねえ。裸見られても、えっちなことされても平気っぽかったけど」
「うう……そんなこと言われてもぉ……」
「うふふ、なんだか、顔赤くしてるあんたも可愛いなあ」
「……霊夢、わたしのこといじめてるでしょ」
「さあ?」
「うー、やっぱりいじめてるんだ……霊夢のいじめっこ……」
「そんな可愛いこと言ってると、ほんとにいじめちゃうわよぉ」
そう言って霊夢は、ルーミアの方ににじり寄る。のけぞるルーミア。霊夢は自分でも驚くほど嗜虐的な気分になってきた。
(わー……もお、こんなに顔赤くしちゃって……可愛いなー……)
そんなことを思いながら、ルーミアの頬に手を伸ばす。指先が触れただけで、ルーミアはびくっと身をすくませた。
壊れものを扱う手つきで、霊夢はルーミアに触れる。頬をなぞり、襟のはだけた首筋をなぞり、そっとルーミアの幼い身体を抱き寄せた。
「ふぁ……」
「あはは、つかまえたー」
いたずらっぽくそう言って、霊夢は抱き寄せたルーミアの頬にキスをした。赤くなって熱い頬にキスをすると、ルーミアはぶるっと小さな身体をふるわせる。
自分の知っているのとは全く違う反応に、霊夢はむずかゆいようなくすぐったいような、不思議な気分を覚えた。
「あはは、なんかかわいー♪ そんなに顔、赤くしちゃってさ」
「こ、これは、霊夢がいきなりちゅーなんかするからぁ……」
「いつもはあんたの方がいきなりしてくるくせにぃ。んーちゅっ♪」
「あ、わ……ひゃうっ」
「ね、ルーミア、こっち向いて」
「んぅ……」
優しくルーミアの頬を両手で包んで、口づける。
しばらく唇を合わせていると、ルーミアの体からくたりと力が抜けた。
唇を離して、ふふ……と霊夢は笑い、もう一度口づける。今度はもっと深く。
口に含んだルーミアの舌先が、すこしふるえていた。
ちゅう……と吸ってやると、抱きしめたルーミアの肩がわなないた。ふと気付くと、ルーミアは弱々しく霊夢の浴衣のすそを握っている。
霊夢はその手を取り、そっと口づけた。ルーミアが小さく、あ……と声を上げた。
ルーミアの指を絡め取るように手を握り、指を口に含む。
「やぁぁ……ん……」
舌先で指をなぞる度に、ルーミアは瞳を潤ませて声を上げる。
幼いルーミアが上げるその声は、霊夢の背筋をあわ立たせた。
「ん、ちゅぷ……っは、あ……どぉ? きもち、よかった……?」
「しらないもん……」
そう答えるルーミアの声はすでに熱が含まれていた。は、は……と乱れ始めた吐息が、無性にいとおしかった。
ちゅ、ちゅ、とついばむようなキスを繰り返しながら、ルーミアの身体を優しく寝かせる。
乱れた浴衣の合わせ目に手をかけると、ルーミアは、んくっ、とつばを飲み込んだ。
ゆっくりと、その過程を楽しむように時間をかけて、浴衣をはだける。
障子越しに朝日の差し込む薄暗い居間に、ルーミアの裸身が浮かび上がった。
ルーミアはきゅっと身体を縮こまらせたが、それ以上の抵抗はしなかった。
「ルーミア、かわいい……」
「や……はずかしいよぉ……」
上から覆いかぶさるように、霊夢はルーミアの胸元にキスをした。
顔を近づけると、甘い香りがした。ルーミアのにおいだ、と霊夢は思った。
脱がされた浴衣の上に裸身を開いているルーミアが、どことなく包みを開いたお菓子に見えて、霊夢は小さく笑った。
キスをしながら、霊夢は指先でルーミアの肌をまさぐる。ささやかな胸のふくらみに手が届くと、ルーミアはか細い声を上げた。
「ふみ……れぇむぅ……」
幼い外見よりもさらに幼い、舌っ足らずな口調で名前を呼ばれて、霊夢はぞくりとなった。
ふくらみを愛撫しながら、つんと立った乳首を指先でそっと転がしてやると、ルーミアの背中がぴくんと跳ねた。
「んゃ……! あ……」
「きもちいい……?」
耳元に唇を寄せてそうささやいただけで、ルーミアは呼吸を乱した。
「みぅん……やぁ……」
「あはは、かわいいなぁ……」
「やぁ……はずかしいよぅ……」
「だって、かわいいんだもん……こんなに、顔真っ赤にしちゃって……ここも、こんなに、かたくして……」
「んにゃぁぁ……! さきっぽ、おっぱいのさきっぽ……くりくりしちゃ、やぁ……!」
霊夢が指先でルーミアのいじらしく尖った乳首を愛撫するたびに、ルーミアは甘い声を上げる。
背中をぴくん、ぴくんと跳ねさせ、しきりに太ももをこすり合わせるルーミアが、どうしようもなくいとおしい。
霊夢はルーミアの上げる甘い声を吸い込むように、口づけた。口づけながら、愛撫は止めない。
「んむ、むゅ……んーっ!」
くぐもった声を上げるルーミア。細い肩が、ぶるぶるっと断続的にふるえ、きゅっと硬直し、そしてくたりと脱力した。
(イッた、んだ……)
肌を合わせていた霊夢には、ルーミアの感覚が手に取るように分かった。自分の愛撫でどんな風に感じてくれているのか。
唇を離す。ルーミアはほんのりと桜色に染まった裸身を隠すことも出来ず、四肢を投げ出している。
手を伸ばして耳元や首筋を触ってやると、ルーミアはぴくん、ぴくんと身体をふるわせた。
「あは……おっぱいいじられて、イッちゃった……?」
「やだぁ……そんなこと、ゆっちゃやだぁ……」
ルーミアの抗議の言葉は、乱れた呼吸で切れ切れになってしまっている。
「くす……なんか、いつもルーミアじゃないみたい……。いつもなら、もっと無防備なのに、ねぇ?」
「うぅー……だってぇ……」
「もぉ、かわいいんだからぁ……」
ルーミアの恥らう仕草のひとつひとつが、霊夢には可愛らしくてたまらない。見ているだけで、頬が緩んでしまう。
霊夢は、えへへ……と笑った。なんだかルーミアみたいな笑い方だな、と思った。
「ね、ルーミア。もっと、していい……?」
霊夢は返事も聞かずにルーミアの上に屈みこむ。息をつくたびに上下する、桜色に染まった胸に唇を寄せた。
「みゃう……息、かかってるぅ……」
肌に霊夢の吐息がかかるだけで、ルーミアは子猫が甘えるような声をこぼした。その頬も、羞恥とは別の理由で紅く染まっている。
「ルーミアの、ちっちゃなおっぱい……おいしそ……♪」
最初は味見とばかりに、霊夢は舌先で、ルーミアの乳首に触れた。くに……と優しく、優しく、転がしてやる。
「ひみぅ……! あ、あ……んみゃあぅ……みぅ……」
息を呑んで細い肩をすくめたルーミアは、ややあって、身体をゆっくりと弛緩させた。きゅっと立てた両膝が、頼りなげにふらふらと揺れている。
ルーミアの声音は、羞恥に混じってだんだんと恍惚の色が濃くなってきた。安定を失って宙をさまようルーミアの視線は、とろとろとゆらめいている。
上目遣いにルーミアの顔を見上げながら、霊夢は幼い乳房を味わう。幻覚的に甘い。固くも柔らかくもない、不思議な感触。霊夢の舌先の動きに翻弄されるように、ルーミアの甘えた声にビブラートがかかる。
「ふゃ……あぅ……みゃあぁぁ……」
「えへ……どお、きもちいい……?」
「うん……おっぱい、ちゅぱちゅぱ、されぅの……きもちぃ……」
ルーミアの口調はだんだんろれつが怪しくなり始めていた。その口調が幼いルーミアをさらに幼く見せて、霊夢はなにか、ひどく「いけないこと」をしている気分になってきた。
こんな小さな子を組み敷いて、しかも朝っぱらから……。
一瞬我に返りかけたが、だめだった。ルーミアの肌から立ち上る甘い熱気、唇からこぼれるとろけた言葉に意識を絡め取られ、霊夢は舌先を、指を、唇を、体中を使って、ルーミアを愛撫することしか考えられなくなっていた。
なんて恐ろしい妖怪だろう。霊夢は思った。
妖怪退治の専門家、博麗の巫女を、こんなにしてしまうなんて。
「ん、はむ、ちゅ、ちゅう……」
「ひみゃ……れぇむぅ……れぇむぅ……おっぱい、ちゅーってすゅの……はずかし……よぉぉ……」
「あは……ルーミア……きもちよさそうな顔、してる……」
「やぁぁん……だめぇ……みちゃやぁだぁ……」
そう弱々しく抵抗するのがかえって誘っているようだ。
と、ルーミアを組み敷いた形になっている霊夢の足元で、くちゃ……と濡れた音がした。
視線を向けると、恐らくは無意識にだろう、ルーミアが自分の両足の間にある霊夢の膝に、たどたどしく自分の股間を擦り付けている。
ふ……と霊夢は微笑んで、そっと片手を下に伸ばした。それに気付いたのか、ルーミアは小さく、あ……っと声を上げた。
「こわい……?」
そう聞くと、ルーミアはぽーっとした表情で霊夢を見上げ、ちょっと顔を背けた。
「……は、はずかし……よぉ」
「でも、きもちいんでしょ? ここ、こんなにして……」
膝を少し持ち上げ、じっとりと湿ったルーミアのそこをまさぐってやると、ルーミアは細い腰をびくんと跳ねさせた。
「んゃう……! そ、こ……あついの……れぇむに、さわられてると……きゅぅーって、なるの……」
「じゃあ、もっと、きゅぅーって、させてあげるね……」
霊夢は下に伸ばした手で、ルーミアの下半身を探った。すべすべしたお腹、くぼんだへそ、汗とそれ以外の体液で濡れている内腿を霊夢の手が伝うたび、ルーミアは鳴く。
そして霊夢の手がそこへたどり着くと、ルーミアはひときわ高い声を上げた。
「きゃあぅぅ……! そこぉ、そこぉ……あついよぉぉ……」
「あは……かわいいよ、ルーミア……感じてる顔、かわいい……」
「やぁん……かお、みちゃだめぇ……」
弱々しくいやいやをするルーミアの頬に、霊夢は首を伸ばしてキスをする。何回も、繰り返し。
「ね、見せて……ルーミアの気持ちよくなってるところ、見せて……」
耳元でささやきながら、霊夢はルーミアの湿った下着のすそから、そっと指を忍び込ませた。
ルーミアのこぼす吐息と同じに、そこは熱くなっていた。
ルーミアの視線と同じに、そこはとろけていた。
「はゅ……れぇむの……ゆび……」
「わぁ……ルーミアのここ、やわらかくって、あつい……わたしの指、きゅうーって、くわえてる……」
「やぁぁ……」
霊夢がわずかに指を動かすだけで、ルーミアは敏感に反応する。ぎゅっと眉根を寄せて快感に耐える表情を見ているだけで、霊夢は体の芯が熱くなるのを感じた。
熱い吐息と意味を成さない言葉をこぼす唇に、自分の唇を重ね、深く口づける。ルーミアは快感に熱い舌をふるわせながら、すがりつくように絡めてくる。
重なった唇からこぼれた唾液が、布団に染みを作った。
いつしか霊夢も着ていた浴衣をはだけ、ルーミアを深く抱きしめていた。むき出しの肌と肌が密着し、ふたりは互いの昂ぶりを余すところなく感じることが出来た。
「あ、はぁ……ルーミア、きもちいい? わたしの指で、きもちいい……っ?」
「はぅ、はぅん、はみゅぅぅん……っ! れぇ、むぅぅ、れぇむぅ……! あついよお、きもちいぃよお……!」
涙目になって快感を訴えるルーミアの顔を見つめながら、霊夢は自分の腰が支えを失ったようになっているのを感じた。
ルーミアの上げる声が、吐息が、密着した肌から伝わるふるえが、そして、激しい快楽に揺さぶられ、涙でいっぱいになりながらも自分を見つめ続けてくれているルーミアの瞳が――愛撫を受けていないはずの霊夢を絶頂へと押し上げていく。
一緒――。一緒に……。
そう思った瞬間、ルーミアがおぼつかない手つきで、すでに溢れ始めていた霊夢のそこに触れた。
「あ……っ!」
予想していなかったその接触が、最後の一撃だった。波濤のような快感に意識を塗りつぶされながらも、霊夢の指はルーミアのいちばん敏感な部分――未発達な肉芽を探り当て、摘み上げた。
全身を走り抜ける痺れとふるえが、自分のものなのか、ルーミアのものなのか、霊夢にはもう分からなかった。
「はひゃ……!? あぃっ、ひ、ひみゃ、んみゃあああ――!」
「あううう……っ、ん、い、くぅ……、る、み、ぁ……あはああああう……!」
霊夢の腕の中で、ルーミアの小さな体が激しくふるえる。肺の中の空気を残らず絞り出してしまうような喘ぎを上げて全身が硬直する中、霊夢はかすむ視界にはっきりと、ルーミアの顔を捉えていた。
ルーミアの快感にかすんだ視線は、霊夢のほうを向いて、すこしだけ笑っているような気がした。
――それからしばらく、呼吸が整うまで、ふたりは汗と熱の染み込んだ布団に身を横たえていた。情交の熱はまだ朝の空気を押しのけるようにその場に残っている。
先に呼吸を整えた霊夢は、手を伸ばしてルーミアの乱れた髪を撫でてやる。ルーミアはまだ肩を上下させながら、んん……と声を漏らした。
「ルーミア、かわいかった……とっても。子猫みたいな声上げて、ぴくんぴくんってふるえて……えへへ」
「やぁだぁ……」
からかうようにそう言うと、ルーミアは裸身を隠そうとしてかもぞもぞと身じろぎする。そんなルーミアに、霊夢はくすくすと笑った。
霊夢は両手でルーミアを抱き寄せて、裸の胸に抱きしめる。まだ熱いルーミアの体温が染みるようだ。
霊夢の胸元から、ルーミアはぼんやりした視線で霊夢を見上げている。
かわいい、ともう一度言って、霊夢はルーミアの頬に、何回もキスをした。
「ね、ルーミアは、きもちよかった?」
「……ん」
「わたしは、すっごくきもちよかった。ルーミアのかわいいところ、いっぱい見られたし」
「……霊夢のえっち」
「うふふ。だぁって、はずかしがってるルーミアが、すっごくかわいかったんだもん」
「もお、ばかー」
そう言ってルーミアは、ばふっと霊夢の胸元に顔を埋める。よく見ると耳が赤かった。
わけもなく幸福な気分になって、霊夢はルーミアの髪をわしゃわしゃと撫でた。
「……夜になったら」
「ん?」
ひょいと顔を上げるルーミア。そのままわしっと霊夢の頭を掴んで、キスをする。
「今度は霊夢のこと、食べちゃうんだから!」
そう言って、にこっと笑う。
朝日の中の宵闇の妖怪の笑顔は、太陽よりも眩しかった。
霊夢もルーミアも可愛すぎてニヤニヤが収まらなくなってしまった。
次回作にも期待しています。
毎月七日は紅魔でルーミア戦のみノーショットですwww
意味はないがな・・・
とりあえずれいるみゃ支援
GJ!
GJ!!
GJ!!!
愛してやまないルーミアの可愛い姿、そして霊夢との素晴らしいやりとりが読めて良かったです!
良い作品をありがとうございましたー!