咲マリ物です。
作者は魔理沙は甘えんぼだと信じて止みません。
タグの通り若干のスパンキング描写含みます。でもSM物ではないです。
例によって尿ネタあります。そして咲夜さんがよく訓練されてます。
あんまりハードな描写はしてないつもりですが、苦手な方はご注意を。
全て許せる方のみ、お読みください。
PM3:00 紅魔館・大図書館前廊下
「ふぇいすみーいーびるばすたーど、すめるざへいとおぶえんじぇるす、ぐろーりーぷらーいどえーんぶらっしぇーど…」
呑気に歌を口ずさみながら、お盆片手にメイド長十六夜咲夜が図書館へ歩を進める。
お盆の上には、紅魔館名物咲夜お手製の3時のおやつ。
今日はいつもより量が多い。おおよそ二人分を運んでいた。
もちろん、図書館の主が大食いに目覚めたわけではない。自分のつまみ食い用と、今日は客人―――
「じゃーなー!今日もさっくり貰ってくぜー!フゥーハハァー!!!」
「も、もってかないでー!」
―――腐ってない白黒鼠こと、霧雨魔理沙の分も一緒に運んでいるからだ。
曲がり角から必要以上に凶悪な笑顔と高笑いを振りまく魔理沙と、
ボロ雑巾みたくけちょんけちょんにノされたパチュリーが顔を見せた。
またか、と咲夜が溜息をつく。
魔理沙の窃盗・強盗癖は今に始まったことではないが、最近は目に余る。
言ってしまえば仕方のない話ではある。魔理沙はまだ子供であり、悲しいことに彼女を躾ける人物が周りに居ない。
人形遣いは無関心だし、巫女は窃盗の分け前を生活の足しにしている節があるし。
そろそろ一度きちんと言って聞かせるべきかもしれない。
「こら」
「あいてっ」
すれちがいざま咲夜が、こつん、と軽く魔理沙の頭を小突いた。
「さ、咲夜!そいつを捕まえて!…けほっ…!」
ぜいぜいと息を切らしたパチュリーが、廊下の奥で叫ぶ。
「聞いたとおりよ、おやつあげるから本はパチュリー様に返しなさい」
「おやつは頂く。本は返さん」
何が誇らしいのか、えっへんと平たい胸を張る魔理沙。
「聞き分けの無い子ね。本を持ち出すのならせめてちゃんと返しなさい」
「人聞きが悪い。死ぬまで借りてるだけだぜ」
「さっき“貰ってく”って言ってたじゃないの」
お盆の上のマフィンを奪おうとぴょんぴょん飛び跳ねる魔理沙と、お盆を高く掲げてあしらう咲夜。
「……そうね、なら正々堂々と弾幕で決めましょうか」
「連戦はフェアじゃないぜ。こちとら紫もやし相手にして疲れてるんだ」
と言ってる割には元気そうじゃないの、と心の声で咲夜が突っ込む。
「タダでとは言わないわ。ちゃんとそれ相応の条件を付けてあげる」
「お?」
咲夜に頭を押さえられてじたばたしていた魔理沙が動きを止める。
「―――勝った方が今日一日相手を好きなようにできる、っていうのはどうかしら?」
乗ったぜ。
そう魔理沙が答えるのに大して時間は必要なかった。
「行くぜ!」
開始の合図と同時に、魔理沙がオーレリーズサンを発動させる。
展開したビットが大量の弾とレーザーをばら撒く、最近のお気に入りだ。
最も得意とするマスタースパーク系列は、威力は高いが隙も大きい。
瞬間移動で後ろに回り込む恐れのある咲夜にはあまり使いたくなかった。
全方位に弾とレーザーをばら撒いておけば、少なくとも後ろを取られる危険性はない。
もちろん、この程度のスペルで咲夜を圧倒できるとは思っていない。
だが、レーザー系の弾幕を持たず、手数に頼る咲夜相手にはこの手の牽制が一番だ。
集中力も霊力も切れた瞬間、八卦炉で吹き飛ばしてやる。それが狙いだった。
咲夜が器用に飛翔とバックステップでレーザーを掻い潜り、ナイフを大量に投げつける。
直線的な攻撃だ、恐るるに足らず。
そう判断して、ナイフの撃墜はビットに任せ、次の一手を放つ。
――――魔符「スターダストレヴァリエ」
レーザーと細かい弾幕で穴を空けたナイフの群れから、超高速で突進をカマす。
際どいところで咲夜が消えた。瞬間移動での緊急回避は想定の範囲内だ。
問題はどこに現れるかだ。
仕切りなおすつもりか、後ろに回り込んで一気に攻勢に転じるか。
だが、これならそんな物関係あるまい。
――――恋符「ノンディレクショナルレーザー」
何やら目に悪そうな色鮮やかなレーザーが、辺り一帯を所構わず焼き払う。
案の定、瞬間移動で後ろを取っていた咲夜が、慌てて飛びずさる。
苦し紛れに投げつけたナイフが虚しく空を切った。
これは勝ったな。
魔理沙がほくそ笑む。攻撃の主導権は自分にある。
悪あがきを続ける咲夜があちこち出鱈目にナイフを投げるものの、その勢いも弱まってきた。
ナイフ切れか、霊力切れか、いずれにしてもこんなチャンスを逃す手は無い。
「弾幕はパワーだぜ!」
叫んで、八卦炉を構え―――
あさっての方向から飛んできたナイフに弾かれ、手から炉が零れ落ちた。
「あ!?」
反射的に周りを見回すと、全方位からナイフがこちらに向かっている。
――――銀符「シルバーバウンド」
先ほど咲夜があちこちに投げたナイフが、壁や天井で跳ね廻り、魔理沙に襲いかかる。
「ほらほら、どうしたの?弾幕はパワーじゃないの?」
ニヤついた笑みを浮かべた咲夜が、小馬鹿にした口調で言う。
気に入らない。これじゃまるでマスタースパーク系列がなきゃあいつに勝てないみたいじゃないか。
八卦炉が無くったって、火力でお前ごときに後れを取るもんか。
――――星符「ドラゴンメテ――
「……お?」
ファイナルスパーク並みの高火力を誇るレーザーを放ったはずなのに、火の玉一つ出ない。
これはまさか―――
「ガス欠ね」
跳ね返ったナイフを一部回収した咲夜が呟いた。
調子に乗ってスペルを使いすぎた。高コストのスペルはしばらく使えそうにない。
マジックミサイルで慌てて牽制を掛けるが、死角から反射してくるナイフに徐々に押し返され――
「詰みよ」
いつの間にやら回り込まれた咲夜に、首筋にナイフを突き付けられていた。
PM3:30 紅魔館・メイド長私室
「相性に固執して自分の持ち味を殺したわね。初めから火力勝負に持ち込めばよかったのに」
渋々降参した魔理沙を部屋に連れて来た咲夜が、諭すように言った。
「いや今のハメでしょ?私のシマじゃ今のノーカンだから」
「残念ね、ここは私のシマよ」
私のシマだっての、とレミリアがこの場に居れば抗議しただろう。
「約束よ、今日一日は私の好きにさせてもらうわ」
満足そうな表情の咲夜が、わしゃわしゃと魔理沙の柔らかい金髪を撫でる。
まだ納得がいかないのか、ぶすっとした表情でむくれる魔理沙。
「そんな顔しないの。おやつはちゃんと食べさせてあげるから」
「好きにしてください」
安い奴だ。
「とりあえず、そこに直りなさい」
椅子に魔理沙を座らせて、紅茶の入ったティーカップを手渡す。
その正面に咲夜も椅子を置き、腰かけて魔理沙の顔をじっと見つめる。
「――魔理沙、最近のあなたの行動は目に余るものがあるわ」
「な、なんだよいきなり」
突然真剣な表情と声で言われ、魔理沙がたじろいだ。
「図書館の本を返さない、他にも物を盗む、壊す、弁償はもちろん謝罪もしない」
「言いがかりだぜ。死ぬまで借りてるだけだし、物が壊れるのは不可抗力だ。弾幕ごっこの宿命だ」
心底心外そうな顔で魔理沙がつっぱねる。
「仮に不可抗力だったとしてもよ。過失だって負うべき責任はあるの。
悪いことしたら、ちゃんとごめんなさいって謝らなきゃダメでしょ?」
小さい子供に言って聞かせるような口調。
身長差も相まって、まるで先生に叱られている悪戯っ子ような気分になってくる。
「…まさか、謝れなんて命令する気じゃないだろうな。言っとくけど無駄だぜ」
「そんなことしても意味無いわ。形だけ謝らせたって、それこそ無駄よ」
だんだん不機嫌そうな顔になる魔理沙を咲夜が諌める。
魔理沙も咲夜の言わんとすることは理解できる。
きちんと借りた物は返し、できるだけ周りに迷惑をかけるな。迷惑をかけたらちゃんと謝れ。
絵に描いたような正論だ。
だが、それだけに注意されたからと言って直す気にはならなかった。
悪いことをしている自覚は魔理沙にもある。ただ、これぐらいで口煩く注意されるのも癪だった。
「魔理沙、私の言ってること間違ってるかしら?
このままじゃあなたロクな大人になれないわよ?」
「――っ、私は、もう大人だ!」
昔、誰かに言われたような咲夜の言葉。
思わず声を荒げてしまった。
哀れむような眼で見下ろす咲夜を、魔理沙が睨みつける。
お互い何も言うことなく、険悪なムードが漂う。
やがて魔理沙がティーカップを置き、椅子から立ち上がった。
「どこ行くのよ?」
「帰る」
ぶっきらぼうに言い放つ。
これ以上咲夜に付き合っていると、思い出したくないことまで思い出しそうだ。
「待ちなさい。約束はどうしたの?」
静かな声で咲夜が呼び止める。
待たない。構いやしない。約束なんか知ったことか。どうせ咲夜だって口だけだ。
箒を持ち扉に手を掛け―――
「…やっぱりお仕置きが必要みたいね」
出て行こうとした瞬間、いつの間にか背後に立っていた咲夜にひょいと体を持ち上げられた。
後ろからお腹に手を回され、宙に浮いた状態で部屋の中央に戻される。
「は、離せ、ばかっ!」
じたばたともがく。しかし体格差のためか全く抜け出せそうにない。
「観念なさい。200…は可哀想ね、やっぱり定番の100かしら」
魔理沙を抱えたまま椅子に座った咲夜が、淡々と言う。
咲夜の脚を抱え込まされるような恰好で、膝の上に乗せられた。
――――――まさか。
この体勢には、覚えがあった。
「や、やめ―――」
ぺろん
抗議を無視して、咲夜が魔理沙のスカートを捲りあげた。
白のドロワーズに包まれたお尻が露わになる。
咲夜の手がドロワーズを掴む。ひんやりとした感触が魔理沙の腰に伝わる。
顔から一気に血の気が引くのを感じた。
「じょ、冗談だろ!?冗談だよな!?さく―――」
「残念ながら、本気よ」
ずりりっ
容赦なく、咲夜が一気にドロワーズを引きずり下ろした。
「あら、綺麗なお尻」
膝までドロワーズをずり下ろされ、丸出しになった魔理沙のお尻を咲夜が撫でまわす。
ぞわぞわと悪寒が背中に走った。
「み、見るなっ!触るなっ!」
羞恥と怒りで顔を真っ赤にした魔理沙が手足をばたつかせる。
咲夜が膝の上の魔理沙をがっちりと抱え込み、右手にはーっと息を吹きかけた。
冗談じゃない、この年でそんなこと―――
「な、何考えてるんだよ!!私をいくつだと思ってるんだ!!?」
「ひょっとしてあなた、本気で自分が大人だとでも思ってるの?子供にはこれで十分よ」
冷淡な声で言い放ち、ゆっくり平手を振りかぶる。
「わ、わかった、私が悪かっ―――」
ばっちーん!!
「~~~~~~っ!!!!」
予想をはるかに上回る痛みに、思わず声にならない悲鳴が漏れる。
痛々しい快音が咲夜の部屋に響き渡った。
思いっきり振り下ろされた咲夜の平手が、魔理沙の白いお尻に真っ赤な手形を残した。
「あ、あ、あ……」
頭の中が真っ白になる。
痛みのせいだけではない。咲夜の膝に抱えられて、抵抗もままならずにお尻を平手で叩かれて。
これじゃまるで―――
ぱしん!!
「ーーっく!!」
容赦なく飛んできた平手に、また思考が遮られる。
一発目は感覚がいま一つ掴めなかったのか、今度の平手は少し手加減されていた。
だが、むしろ魔理沙はそれが悔しかった。
肉体的な苦痛を与える為なら、思う存分手加減無用で振り下ろせばいい。
手加減したということは、咲夜の目的は単なる体罰ではないのだろう。
何時如何なる瞬間でも、手加減は強者の特権だ。
支配する者とされる者。多少の手心を加えたお尻叩きは、まさしく今の二人の関係を示していた。
肉体的な苦痛を目的としない折檻の役割なんて、一つしかない。大体、手加減されても痛いものは痛いし。
こいつは、理解してる。理解した上でこんなことをしてる。
ぴしゃっ!!
「……っく、や、やめろっ……」
三度振り下ろされる平手。涙が滲みそうになるのを、ぐっと堪えて奥歯を食いしばる。
ぱぁん! ばしっ!! ばちん!!!
「いっ………やめっ……」
抵抗の意思を見せたせいか、平手の勢いとペースが上がる。
じんじんと痛むお尻が熱を持ち始めていた。
ぱしっ!! ばちっ!! ぴしゃっ!!
「やっ………やめてっ……くださ、いっ……!」
ばちん!!!
懇願も虚しく、一際大きな音が響いた。
すでにお尻の半分以上に赤い手形が残され、大きな瞳が今にも溢れ出しそうな涙を湛えている。
「―――そうじゃないでしょ?他に言うことがあるでしょ?」
ずっと怖い顔で黙々とお尻を叩き続けていた咲夜が、ようやく口を開いた。
―――言わせたいことは大体予想がつく。意地でも言ってやるもんか。
ぎゅっと口をつぐみ、目をつぶる。せめてもの抵抗の意思表示だ。
そんな態度に、むっと咲夜が眉をひそめる。
「…ちなみに、今のでちょうど10回よ。あと90回、反省しながら耐えなさい」
――――ひょっとして、こいつ本気で百叩き――
ぱぁん!!!
「っ痛っ……!!」
本気だ。こいつは本気で百叩きするつもりだ。
間を空けずにまた、二度、三度、容赦なく平手が振り下ろされる。
「やっ……やめて………」
ぎゅう、と咲夜のスカートを握りしめた。許容量を超えた涙がぼろぼろ零れ落ちる。
絨毯にぽたぽたと落ちた涙が滲みを作った。
それを気にした風もなく、手を休めることなく咲夜が機械的にお尻を叩く。
「っく…やめっ……えっく……やめてよぅ………」
絶対に泣くまいと我慢してたのに、自然に嗚咽が漏れてくる。
痛みと、恥ずかしさと、情けなさと。魔理沙をパニックに陥れるのには十分だった。
「本当にやめて欲しいんなら、ちゃんと言うべきことを言ったら?」
「…っく……うっく…」
泣き叫びたいのを必死で我慢した様子で、弱弱しく魔理沙が嗚咽を漏らす。
咲夜の言葉には答えなかった。ただ俯き、何を言うわけでもなくいやいやと首を左右に振る。
咲夜が大きなため息をつき、魔理沙を抱えなおした。
「―――なら、ずっとそのまま泣いてなさい!」
ばちん!!!
苛立ちを含んだ声で言い、感情をぶつけるかのように平手を叩きつける。
「っく……ひっく……やめてよぉっ……!!」
咲夜の苛立ちに怯えたのか、痛みと羞恥の連鎖に耐えきれなくなったのか。
魔理沙が目茶苦茶に手足を振り回し、叫び、暴れる。
何とか抜け出そうともがき、お尻を平手から遠ざけようとする。
だが、体格差は歴然としている。
抵抗も長くは続かず、さしたる効果もないまま両腕を捻りあげられ、脚の付け根を取り押さえられた。
「いっ……!」
肩に走った痛みに思わず顔をしかめる。
背中に回された両手を、いつの間にか外していた咲夜のエプロンで包まれてしまった。
手首のあたりを腰紐できつく縛られ、とても解けそうにない。
なんとか外そうともがいている内に、靴も脱がされた。
今度こそ、全ての抵抗手段を取り上げられてしまった。
――――――詰みだ。
最後の抵抗に、首を捻って涙目で咲夜を睨みつけてやる。睨みつけて、罵ってやる。
もっとも、“睨みつける”などと言えたものではなかったが。
私にこんなことして、ただで済むと思ってるのか。
帰ったら、霊夢とアリスに言いつけてやる。今度はお前に同じことをしてやる。
しかし、そんな言葉が彼女の口から出ることはなかった。
――――なんで、そんな顔するんだ。
咲夜の顔は確実に怒っていた。
それなのに、ついでに言えば泣きたいのはこっちの方なのに、どことなく哀しそうな顔でもあった。
なんでだ。
なんでお前は赤の他人に対して、そんなに怒れるんだ。それより、なんで哀しそうなんだ。
そんな顔するな。
そんな顔しないで。
お願い、そんな顔しないで、そんな眼で私を見ないで――――
ぱぁん!!
「っ!!」
再び振り下ろされた平手。嫌でも意識が痛みへと向き直る。
もはや咲夜の顔を振り返る余裕もなく、ただ耐えた。
咲夜のスカートをぎゅっと掴んで、目を痛いほどに瞑って。
叩かれる度に魔理沙の体がびくりと跳ね、悲鳴とも嗚咽ともつかないか細い声を絞り出す。
もう、抵抗する気力は残っていなかった。
振り下ろされた平手が百を数える頃には、涙も枯れていた。
「――――ちょっとは反省した?」
ぴったり百回、律儀にお尻を叩き終えた咲夜が、静かな声で言う。
魔理沙は答えない。
束縛が解かれても、膝の上から動こうとすらしない。
いじけているのか、ショックで茫然自失の状態から立ち直っていないのか。
お尻は痛々しく腫れ、顔は涙でくしゃくしゃになっていた。
何度目になるか分からない溜息をついた咲夜が、魔理沙の軽い体を抱き上げた。
「……足りないみたいだけど、お尻はもう勘弁してあげる。
その代わり、今日一日はこの部屋で反省してなさい」
「……えっ?」
抱き上げられたまま、部屋の隅のベッドに運ばれて座らされた。
未だひりひりして感覚の戻らないお尻に、スカートの布の感触がごわごわして気持ち悪かった。
「ただし、逃げようなんて思わないことね。保険としてこれは預かっとくから」
膝までずり下ろされたままのドロワーズを脱がされ、スカートも剥ぎ取られた。
「ーーっ!」
下半身素っ裸にされた魔理沙が、慌てて前を隠す。
今更見られたって同じような気もするが、これはさすがに気が引けた。
今しがた剥ぎ取ったばかりのスカートとドロワーズを丁寧に畳み、咲夜が部屋から出てゆく。
「――じゃあね。気が向いたら構ってあげるわ」
底冷えのするほど素っ気無い声で告げ、扉が閉められる。
かちゃりと金属音が響く。恐らく外から鍵をかけられたのだろう。
こつこつと遠ざかる足音が、一人ぼっちの部屋にいやに響いた。
「……………なんだよ、なんだよ」
ようやくショックから立ち直りかけた魔理沙が、独りごちる。
「好き放題しやがって……言いたいことばっかり言いやがって……」
真っ赤に腫れたお尻をさする。
痺れが残ったような感覚は、暫く続きそうだった。
これからどうしたものだろうか。
もちろん、大人しく反省なんてしてやるつもりはなかった。
でも、逃げだすこともできない。下半身素っ裸で徘徊して誰かに出会おうものなら、露出狂扱いは免れまい。
咲夜の服を失敬することも考えたが、どう考えたってサイズが合わない。
そう年が離れてるようにも見えないのに、神様は不公平だ。身長やら、胸のサイズやら。
そう言えば、この間妖怪の山に新しく引っ越してきた神様がいた。一度文句を言いに行こう。
「……まぁ、考えようによっちゃ、こっちの勝ちだな」
負け惜しみを呟き、ごろんとベッドに寝転がる。
そうだ、結局耐え抜いた。
自分の口からは謝らなかった。意地を張り通した。
泣いて、暴れて、いじけて、みっともない恰好だとは思うが、少なくとも意地は張り通した。
誇っていいぞ、私。
――――無事に家に帰ったら、真っ先に霊夢とアリスにチクってやる。
何だかんだ言って、あの二人は私の味方だ。今度は三人がかりで咲夜にお仕置きをしてやる。
お尻百叩きなんて生ぬるい。文字どおりお灸を据えてやるのも面白いだろう。
あの白いお尻(見たことないけど多分白いんだろう)に、軽く火傷が残るぐらい熱いのをお見舞いしてやる。
普段は余裕たっぷりの咲夜が、泣き叫んでやめてやめてと哀願する様を想像し――――
「――――やめた」
つまらない妄想に逃避するのが馬鹿らしくなり、不貞腐れてベッドの上で寝返りを打った。
正直なところ、とても“勝った”なんて気分ではなかった。
意地を張り通したと言えば聞こえはいいが、実際には謝るタイミングを逸しただけだ。
(何で咲夜はあんなに怒ってたんだろう…)
確かに、紅魔館には色々迷惑をかけていた自覚はある。
でも、あんなに怒るのはドライな咲夜らしくなかった。
自分の知ってる限り、彼女はアリスとタメを張れるくらい他人に無関心だ。
主人のレミリアにだって、本気で忠誠を誓っているわけではない節があるし。
そもそも、咲夜があそこまで感情を剥き出しにしたところなんて初めて見たんじゃないだろうか。
「……何がしたいんだよ、一体…」
私のお尻を叩いたって、一文の得にもならないのに。
ひょっとしてそっちのケでもあるのかと思ったが、それも恐らくは違う。
自分を抱えてお尻を機械的に叩いていた彼女は、どう見たって“楽しくなさそう”だったのだ。
それどころか、怒りながら泣きそうな顔だった。
(―――――あれ?)
あの顔。
どこかで見た気がする。
あのときの咲夜と同じような顔をしてた人を、見たことがある。
そうだ、大体咲夜があんな顔するから、謝るタイミングが―――
いや違う、そうじゃない。今はそんなことどうでもいい。
何か、とても大切なことを思い出せそうな気がする。
それはつまり、とても大切なことを忘れていたわけで―――
(…………なんだっけ)
すぐそこまで出かかっているのに、どうしても思い出せない。
頭が思い出すことを拒否しているのか、霞がかかったように不明瞭なイメージしか出てこない。
「……あー、もう!全部あいつのせいだ!」
考えるのをやめて、ぼすっ、と枕に顔を埋める。
咲夜と同じ匂いがした。いつものいい匂いはシャンプーの匂いだったのか。
もう一度寝返り、仰向けになる。天井を見てもしょうがなかったので、部屋を見渡した。
意外だったが、咲夜の部屋は想像よりも女の子らしかった。
調度品やら家具やらがきっちり整理整頓されているのは、咲夜らしいと言えばらしいかもしれない。
本やら書類やらが置かれた仕事用の机、窓辺には小さなティーテーブル。グラスやティーカップが収められた棚。
一緒に置かれた瓶はてっきりブランデーか何かと思っていたが、ラベルを見ると子供向けの蜂蜜酒だった。
(……結局、私は咲夜のことを何も知らないんだな)
感情を露わにして怒った咲夜を見て“らしくない”なんて思っても、それは単なるイメージによるものでしかない。
いや、咲夜に限った話じゃない。
一体、人は他人のことをどこまで知っているものだろうか。
恐らく、幼馴染の大親友であっても半分知っていればいい方じゃないだろうか。
つまるところ、“単なる友達”レベルの人物のことなんて、顔と名前と表層の性格ぐらいしか知らないのだ。
理由は単純。知る必要が無いからだ。
知らなくても、日常生活を送るのに何の差し支えもない関係だからだ。
知りたいと思うならば、それはつまり仲良くなりたいという願望だろう。
だから、そうでない人物のことなんか、知らない。
(……私も、大概無関心なんだよな)
心のどこかで咲夜を冷血な機械人間扱いしていた傲慢さを、ちょっとだけ反省した。
彼女は“無関心でないふり”をしていないだけだ。
いや、違う。
あれだけ感情を露わにしたところを見るに、そこらの人妖よりよっぽど他人に関心を抱いているんだろう。
咲夜だって、変わり者ではあるが普通の人間だ。笑いたいときには笑うし、怒るときはさっきみたいに怒る。
泣きたいときは、多分泣くんだろう。
―――――何やら考えがごちゃごちゃしてきた。
要約すると、こういうことだ。
らしい、らしくないの問題はさておき、咲夜があれだけ怒っていたのにはちゃんと理由がある。けど、それがわからない。
彼女の怒りながらも泣きそうな複雑な表情は、どこかで見た覚えがある。
そして、それに関して何か大切なことを、何か忘れてしまっている。
(………………)
考えるのには、体力がいる。糖分もいる。
結局おやつのマフィンは食べ損ねていた。
泣くのにだって、暴れるのにだって体力がいる。
いつの間にかベッドの上で幼児のように身を丸め、睡魔に身をゆだねていたことに魔理沙は気付かなかった。
光がほとんど差し込むことのない、薄暗い空間。
ごちゃごちゃと物が置かれ、埃っぽかった。
そんな中に、ぺたりと冷たい床に座りこみ、わんわん泣いている小さな女の子がいた。
小奇麗な身なり、丁寧に三つ編みにした横髪。
――――ああ、これは私だ。
ここは小さい頃、よく忍び込んだ実家の蔵の中だ。
蔵には古今東西の道具や書物が山積みにされていた。好奇心旺盛な子供にとっては、まさに宝の山だった。
一日中だって蔵の中で遊んでいられた。
――――じゃあ、なんで泣いてるんだろう?
大好きな場所にいるはずなのに。
とても、今泣きじゃくっているその子は楽しんでいるようには見えなかった。
時折、泣き止もうとするのか無理やり嗚咽を抑えこみ、ごしごし涙を拭う。
それでも、すぐに涙が溢れ出し、また泣き出してしまう。
――――私ってこんなに泣き虫だったっけ…?
小さい頃の出来事というのは、どうにも都合のいい部分しか覚えていないものだ。
大方、この子が今泣いている理由も、思い出したくない思い出の一つなんだろう。
そうだ、蔵に居る時泣いていた記憶が確かにある。それも一回や二回ではない。
蔵で遊んでいる時はいつも自分から入ってたけど――――
『……っく……出してぇ……出してよぅ………』
――――泣いている時は、大抵閉じ込められた時だった。
ああ、段々思い出してきたぞ。
小さい頃は、そこら中で迷惑をかけていた気がする。今はどうなんだという話は置いといて。
その度に叱られて、場合によっては何らかのお仕置きをされて。
それでも言うことを聞かない時は、最後の手段としてこうやって蔵に閉じ込められたんだった。
――――子供って不思議だよなぁ。
自分から入った時は、暗闇だろうが何だろうが全く気にしないのに、
誰かに放り込まれて閉じ込められると、途端に不安になって泣きだしてしまうんだから。
力なく扉を叩き、『出して、出して』と懇願する。
――――我ながら、情けない。
今の自分なら、マスタースパークで扉をふっ飛ばし、ついでにしかるべき報復措置を取るだろう。
他人に助けを求めたって、ましてや自分をそこに閉じ込めた人物に助けを求めるなんて。
子供の考えることというのは、どうにも理解――――
がちゃり
つっかえ棒が外され、重々しい扉がゆっくり開く。暗い空間に、まぶしい光が差し込む。
逆光の中に、大きな人影。いや、大きいわけじゃない。
子供の視点から見れば、大人は大体大きく見えたものだ。
座り込んでいた“私”が、どこにそんな体力が残っていたのかと思いたくなるほど、素早く駆け寄った。
ぎゅう、と現れた人影を抱きしめて、恥も外聞もなく大声で泣き喚いた。
『――――もう、しないって約束する?』
『…………ひぐっ……もうっ………ひっく、しま、せんっ………わるいこと、しませんっ…………』
――――――――――――――――ママ
そうだ。
いつだって、馬鹿なことをした私を叱ってくれたのは、大好きなママだった。
叱って、お仕置きして、閉じ込めて。でも、最後には優しく、ぎゅってしてくれた。
ママの胸に飛び込んで許しを請う度に、本気で反省した。だから、同じことで怒られたことは一回も無かったんだ。
あれだけ泣いてたのにまだ泣き足りないのか、優しく抱きしめられたままぐすぐすと泣きじゃくる。
こんなとき、大抵ママは困ったような笑顔を浮かべて抱っこしてくれた。
泣き止むまであやされて、泣き疲れた私はそのまま寝てしまうのがお決まりのパターンだった。
案の定、彼女は“私”を抱き抱え、優しく髪を撫でつけ始め―――
『――――“あなた”にも、ちゃんと迎えに来る人が居ればいいわね』
私に、にこりと笑って、そんな残酷なことを言った。
金槌でいきなり頭でも殴られたような気分だった。
小さい頃の私には、ママがいた。
閉じ込められても、迷子になっても、いつでも迎えに来てくれる人がいた。
今は、いない。
じゃあ、今は一体誰が。
誰が、誰が、私をここから出してくれるの?
やがて、“私”を抱えたママは、抱きかかえたその子をあやしながら、逆光の中に消えた。
「待っ――――」
呼びかける間もなく、あの重々しい扉が閉まる。
再び、蔵の中が闇に染まる。
扉に駆け寄った。
小さい頃の私とは比べ物にならない力で、扉を開けようとした。
もう、つっかえ棒も鍵も取り払ってるはずなのに、びくともしない。
焦燥、不安、恐怖、それに孤独。
ぼろぼろ涙が溢れだした。
痛いぐらい乱暴に扉を叩いた。
「行かないで!こんな所に置いてかないでぇっ!!」
嫌だ。独りは嫌だ。
霊夢。
どこにいるんだよ。小さい頃から、ずっと一緒だったじゃないか。
楽しいことも、辛いことも、一緒に分け合ったじゃないか。
アリス。
お互いぐだぐだ言いながら、困った時には助け合ったじゃないか。
今私は困ってるんだ。助けてよ、ちゃんと借りは返すから。
―――――何で、何で。
何で、皆今ここに居ないんだよ。
誰も助けに来なかったら、私はどうやってここから出て行くんだよ。
「出してぇっ!!!ここから出してぇっ!!!!!」
声の限り泣き叫んだ。
冷たい床に崩れ落ちて、叩きすぎて赤くなった拳を扉に打ち付けた。
でも、答えはない。
さっき考えてた通りだ。他人に助けを求めたって、ましてや自分をそこに閉じ込めた人物に助けを求めるなんて。
いや、小さい“私”にはちゃんと助けが来たじゃないか。なんで今の私には誰も来ないんだろう?
いやいや、そもそも、ここに私を閉じ込めたのは誰だろう?
もう、訳がわからない。
誰か、誰か助けて。私を、一人にしないで。
「……っく……出してぇ……出してよぅ………」
――――結局、私は小さいころと、何一つ変わってない。
変わったのは、迎えに来る人がいなくなったということだけだ。
PM5:00 紅魔館・メイド長私室
寝覚めは、最悪だった。
重い瞼、涙の跡。
横になって寝ていたものだから、枕に大きな染みが出来ていた。
窓の外は、夕暮れ時。もう半刻もしないうちに夜の帳が下りるだろう。
遠い昔の記憶が見せた悪夢は、魔理沙の中にもやもやとした蟠りだけを残した。
(――――――ごめんなさい、ママ…)
あれだけママに叱ってもらったのに。何回も、もう悪いことしませんって約束したのに。
相変わらず、自分は馬鹿をやってる。
だからお仕置きされて、閉じ込められて、一人で泣いてる。
でも、もうママは居ない。
泣いても、喚いても、いい子にしてても、ママは迎えに来ない。
「…っく………ひっく…」
胸がずきずき痛む。泣き過ぎて痛くなった眼から飽きもせずに涙が顔を見せる。
「……えっく……ママぁ……」
会いたい。
会って、謝りたい。
そうだ、会いたかったんだ。だから私は―――
「魔理沙?」
「うわあああああぁぁぁぁぁあああああ!!??」
いきなり後ろから名前を呼ばれ、魔理沙がばね仕掛けの玩具のように飛びはね、振り返った。
咲夜が、きょとんとした顔でベッドの脇に座っていた。
「いっ、居るんなら言えよ!!びっくりさせやがって!!!」
慌ててシーツで未だ素っ裸の下半身を隠し、顔を真っ赤にしてまくし立てる魔理沙。
「いや、てっきり寝てるものだとばかり思ってたから……」
―――つまりこいつは、下半身ひん剥かれた少女が悪夢にうなされてる様子をじっくり見てやがったのか。何て奴だ。
「大丈夫?怖い夢でも見た?」
「う、うるさいっ!触るなっ!」
涙を拭おうと、顔を触ってくる咲夜。魔理沙がぶんぶんと首を振って抵抗する。
(何考えてるんだ、こいつは)
さっきまではあんなに怒ってたくせに、なんで優しくしようとするんだ。
今のその心配そうな顔はなんだ。
「……ああ、もう」
業を煮やした咲夜が、仕方なしに魔理沙の背中と頭に手を回し、抱きしめた。
「あ……」
抱きすくめられ、全身の力が抜けるのを感じた。
柔らかい、あったかい、気持ちいい――――
気づいた時には、抵抗をやめて大人しく頭を撫でられていた。
さっきまでの胸のもやもやが、嘘みたいにすーっと消えて行く。
お互い何も言わない。
ただ、優しく髪を撫でられるたびに悪夢の残り香がどんどん薄くなるのが感じられた。
「…もう大丈夫?」
「…うん」
いつまでそうしていただろうか。
ようやく落ち着いた頃合いを見計らって、咲夜が口を開いた。
「……………“ママぁ……”」
「うわああああああああああああああああああ」
ちょっと意地悪そうな笑みを浮かべた咲夜を、抱かれたまま顔を真っ赤にした魔理沙がぽかぽかと力なく叩く。
くすくす笑い声を漏らしながら、宥める咲夜。
「“ママ”派だったのねぇ、意外だわ」
「いっ、言うなよ!誰にも言うなよっ!!」
「それは熱湯コマーシャル的な解釈でいいのかしら」
「ちがわいっ!」
抱きしめて、撫でて、叩いて。
傍から見ても、じゃれあう二人は仲が良さそうだった。
「………咲夜ぁ」
うつぶせにベッドに寝そべり、腫れたお尻に軟膏を塗ってもらっていた魔理沙が、口を開いた。
「どうしたの?」
軟膏を塗りこむ手を止め、俯き気味の魔理沙の顔を覗き込む咲夜。
まだ顔を合わせるのが恥ずかしく、ついつい目線を逸らしてしまった。
咲夜が、努めて優しくしてくれているのはわかっていた。
ベッドの上で涙を流してる自分を見て、同情したのか。
怒るつもりはあっても、泣かせるつもりはなかったのか。
何にせよ、本心はどうあれ表面上はもう怒っていないように見えた。
でも、だからこそ
「――――ごめんなさい」
謝らずには、いられなかった。
今まで色々迷惑をかけたこと。大人しく忠告を聞かなかったこと。素直に謝らなかったこと。
全部ひっくるめての、言葉だった。
あら、と意外そうな顔の咲夜が視界に入った。
「………なんだよ、謝ったからな」
ぶすっとした表情で、拗ねたように言う。
よく言えたわね、とでも言いたげに咲夜に頭を撫でられた。
「………一つ聞いていいか?」
「何なりと」
軟膏を塗り終えた咲夜に、ドロワーズとスカートを渡された。
体を起こして身に付けながら、顔を合わせずに尋ねた。
「…何で、あんなに怒ってまで、私を叱ってくれたんだよ」
一番聞きたかったこと。いくら考えても、それだけがわからなかった。
「…あなたが心配だったから、じゃ理由にならない?」
ベッドに座りこむ魔理沙の正面に、咲夜も同じような格好で腰を下ろす。
真摯な表情の彼女にじっと見つめられ、無意識に俯いてしまった。
「あなたいつもどこかで馬鹿やってるもの。だからどこかで変な恨みでも買わないかなぁって。
世の中、パチュリー様とかアリスみたいなのばっかりじゃないのよ?」
「……」
「それにね、今は呆れてるだけでも、そのうち本当に愛想尽かされちゃうことだってあるのよ?
いつの間にか友達が友達じゃなくなってて。嫌でしょ?そんなの」
咲夜の言うことは、理解できた。
でも、そうじゃない。そういう意味じゃないんだ。
「……だから、なんでそもそも私なんかのことを、そこまで心配するんだよ。
他人のことなんか気に掛けたってロクなこと―――」
「…寂しいこと、言わないでよ」
不意に、顔に影を落とした咲夜が呟いた。
「……この際だから言っとくけど、私あなたのこと嫌いじゃないわよ?
少なくとも、将来とか人間関係とかが心配になるくらいには」
「あ……」
そっと、肩に手を置いた咲夜が囁くように言う。
言われてみれば、何かと彼女に気に掛けられていたような気はする。
遊びに来た時は必ずお茶を出してくれたし、レミリアに見つからないように匿ってくれたこともあるし。
「悪いことはちゃんと注意できるのが本当の友達だ、なんて言うつもりはないけど。
でも、あなたのことが心配なのは本当の気持ち」
だから、叱った。お仕置きもした。
だから、怒りながら泣きそうな顔だった。
魔理沙はようやく、彼女の複雑そうな表情に納得した。
肩に置かれた手が、魔理沙のほっぺたに添えられる。
「…だから、他人だなんて寂しいこと言わないでよ。
同じ時間を生きる者同士、仲良くしましょ?」
「うん…」
魔理沙が、ほっぺたに触れる手を握る。
掌を親指で押してみる。ほっそりとしているのに、押してみるとふにふにと柔らかい。
咲夜も、寂しかったのかもしれない。
周りは妖精、妖怪だらけ。人間の一生は、幻想郷の住人にとってはほんの一瞬のことでしかない。
一緒に年を取って、同じ時間の流れを共有する。
そんな関係の友達が、欲しかったのかもしれない。
何も言わずに、魔理沙はそのまま咲夜の肩に頭を預けた。
「ほら、口開けて」
咲夜が適当な大きさに千切ったマフィンを、魔理沙の口に運ぶ。
ベッドに腰かけた咲夜の膝に、横なりに座らされた魔理沙が赤面しながらも口を開ける。
“スキンシップの一環”ということで咲夜に提案された、ちょっと遅めのおやつだ。
子供のように膝の上に座り、咲夜の腕に体を預ける。
食べさせられるたびに唇と指が触れあって、ついつい指ごとしゃぶりそうになってしまって。
咲夜は楽しそうだったが、魔理沙は恥ずかしくて仕方なかった。
「……やっぱり恥ずかしいぜ」
温めたミルクの入ったマグカップに口をつけ、ぼやく。
本当に、こいつは一体私をいくつだと思ってるんだ?
(ああ、そりゃ私はちっこいよ。胸だってまだ発展途上だよ)
両手で包んだマグカップを見るふりをしながら、ちらりと咲夜の方を見やる。
門番ほどじゃないけど、すらりと背が高くて、落ち着いた雰囲気で。
メイド服の上からでもスタイルがいいことは、なんとなくわかってしまう。
(…不公平だ)
どんよりとした表情で口に運ばれたマフィンを頬張る。
「―――ねぇ、魔理沙。これは私の勝手な想像なんだけどね」
「?」
唐突に咲夜に呼びかけられ、顔を上げた。
「あなた、本当はずっと誰かに叱ってもらいたかったんじゃないの?」
―――――思いもよらぬことを言われた。
「……何でそう思うんだよ」
「今のあなた、なんだかほっとした表情してるもの」
べたついた指先をちろちろと舐めつつ、咲夜が答える。
微塵も考えたことがなかった。誰かに叱ってもらいたいなんて。
でも咲夜の言うとおり、事実として心のどこかでほっとしている自分がいる。
ずっと淀んでいたものが流れ落ちたような。肩の荷が下りたような。
本当に“微塵も考えたことがなかった”のだろうか。
違う。
本当は―――
「………」
咲夜の体に寄り添い、ぎゅっと服を掴む。
咲夜が、そっと抱き寄せる。
紅魔館は静かな場所だ。
とりわけ、咲夜の部屋がある一角は物音一つしない区画だ。
壁に掛けられた時計の音だけが、部屋に響く。
そんな静寂がいつまで続いただろうか。やがて、魔理沙がぽつり、ぽつりと語り始めた。
「………私のママはとっても優しくて、でも厳しい人でさ。
私が馬鹿なことするたびに、叱ってくれたんだ」
例えば、魔法の森に大人に内緒で遊びに行ったりとか。
霊夢と一緒に酒屋から一升瓶をちょろまかしたりとか。ああ、あのときはあいつも一緒に泣くまでお仕置きされたっけ。
「叱られても言うこときかないときはお仕置きされてさ、今日みたいにお尻叩かれたり。
それでも駄目だったら、外に締め出されたり、閉じ込められたり」
閉じ込められるのは本当に怖かった。
でも、絶対に理不尽なことで怒る人じゃなかった。
だから、厳しくても大好きだった。
「…叱られる度にわんわん泣いて、それでまたママを困らせて。
最後はいつも抱きしめられて、慰められて………」
当時はどう思っていたか、わからない。
でも、心配してくれる人がいて、叱ってくれる人がいて、心から愛してくれる人がいて。
それは、本当に幸せなことだったのだろう。
だけど
「………ママは突然いなくなって、私も家を飛び出して…」
思えば、窃盗やら強盗やらに手を染め始めたのは、そこら辺からだった。
盗んで、我侭を通して、謝ることもなかった。
そうだ、誰かに謝ったのなんて何年ぶりのことだったろうか。
「………いけないことだって、わかってたけど。
でも、好き放題やってれば、またママが叱りに来てくれるような気がして……」
瞳に映る咲夜の顔が、ぼんやりと滲んだ。
ああ、そうだ。
会いたかったから、叱ってほしかったから、抱きしめて欲しかったから。
だから、こんな馬鹿なこと繰り返してたんだ。
どうして、今まで忘れていたんだろう。
違う。忘れてたんじゃなくて、考えようとしなかったんだ。
考えれば嫌でも思い出してしまう。もうママには会えっこないことを。
ただ、その現実から目をそらしたくて、言い訳をしているだけだということを―――
潤んだ瞳を見られるのが嫌で、視線を下げた。
ぽんぽん、と咲夜に背中を叩かれた。
「………泣きたい?」
……そんなの、言えるわけがない。
押し黙っていると、不意に両腕で強く抱きしめられた。
「じゃあ、しばらくは何も見ないし、聞かないわ」
ああ、そうか。
咲夜がお尻を叩いていた時の、怒りながら泣きだしそうな、あの複雑な表情。
どこかで見たはずだったのに、思い出せなかったあの表情。
なんてことはない、あの表情は私にお仕置きしていたときのママそっくりだったんだ。
それに気づいた途端、こみあげてきたものが一気に弾けて。
もう我慢できなくて。
咲夜に抱きしめられながら、少しだけ、泣いた。
PM6:00 紅魔館メイド長私室
「ねぇ、魔理沙。もう悪いことしないって約束できる?」
ベッドに仲良く寝そべって二人で本を読んでいると、不意に咲夜がそんなことを言った。
結局ひとしきり泣いたらすっきりしたのか、魔理沙の様子はほぼいつも通りに見えた。
「…約束したら、何かくれるのか?」
期待に満ちた瞳で、横に寝転がる咲夜の方を見やる。
「もし約束できるなら、そうね。
たまにで良ければ、今日みたいに甘えさせてあげてもいいわよ?」
「………善処するぜ」
一連の出来事を色々と思いだしたのか、頬を赤らめてシーツに顔を埋める魔理沙。
“約束する”とは言わなかった。
でも善処するということは、この提案は魔理沙にとってそれなりに魅力的だったのだろう。
今はそれで充分だ。
そう判断して、咲夜は満足そうな顔で魔理沙の頭を撫でてやった。
魔理沙が気持ち良さそうに、撫でられるがままにされ―――
「―――あ…」
ぶるっと、突然身を震わせた。
「?」
そんな魔理沙の様子を見て、咲夜が手を止める。
「ちょ、ちょっと失礼するぜ」
慌てて魔理沙がベッドから降り、あたふたと靴を履く。
「どこ行くの?」
まさか今更逃げる気かしら?
と、咲夜が訝る。
「……年頃の女子にそーゆーこと聞くか…?」
信じられないぜ、と言いたげな顔で咲夜を見やった。
ああ、なるほど。
納得した様子で、ぽん、と手を打つ咲夜。
「お小水ね」
「だーかーらー!!」
何のためにぼかして言ったと思ってるんだ、と真赤になった魔理沙が詰め寄る。
そんな魔理沙の反応がおかしいのか、喉を鳴らして咲夜が笑う。
「もう、したいなら早く言えばいいのに」
「たわけ!とにかく行ってくるぜ!」
これ以上相手してられん、とばかりに扉へ向かう魔理沙。
「行かせないわよ」
「うわっ!?」
時間を止めて瞬間移動した咲夜が、扉の前に立ちふさがった。
「忘れたの?今日一日は“この部屋で”反省するのよ?」
「無茶言うな、ばかたれ!」
昼間から紅茶だのホットミルクだのを飲んで、結構キてる状態だ。
このままの状態で、今日が終わるまでは我慢できそうにない。
「あら、何も私は“我慢しろ”なんて言ってるわけじゃなくてよ?」
「そりゃ一体どういう―――」
言いかけて、最悪の予想が頭をよぎった。
…まさか。
魔理沙の考えが伝わったのか、咲夜が物凄く意地悪そうな、且つ嬉しそうな笑顔を浮かべる。
とても、さっきまで慈愛と母性を以て魔理沙を慰めてた人物には見えない。
咲夜がこんな顔してるということは、つまりそういうことなんだろう。
「ここで、しなさい」
――――予感的中。
「できるか、ンなこと!!」
想像するまでもなく恥ずかしすぎる。というか、想像するともっと恥ずかしい。
「そうよね、何もないところでするのは、ちょっとハードル高いわね。
だから、これぐらいのサービスはしてあげる」
ぱちん、と咲夜が長い指を鳴らす。
次の瞬間、“それ”が部屋に現れた。
時間を止めた咲夜がどこかから持ってきたのであろう“それ”を見て、魔理沙は絶句した。
「……………」
「……………」
「……………………」
「さぁ」
「いや、さぁ、じゃなくてさ」
琺瑯で作られたそれは、何と形容したものか。
あひると思しき動物を模していて、背中にあたる部分に大きな窪みがあって。
頭部には、掴むことを目的としていると思しき棒が二本。
「……あの、咲夜さん?」
「なぁに?」
おずおず尋ねる魔理沙に、ニコニコと邪悪な笑顔を振りまく咲夜。
「……気のせいかな。私には、これはその、何というか―――」
「おまるの使い方、知らない?」
「うああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
魔理沙が血涙でも流さんばかりに絶叫し、頭を抱え込む。
つまり、咲夜はこう言ってるわけだ。
『私の目の前で、おまるで用を足せ』
と。
「使い方はね、下着おろして跨って――」
「知ってるよ!一応!!」
なんで、こんな人として間違った問答をしなきゃならないんだろう。
涙目の魔理沙は真剣に悩んでいた。
「何考えてるんだよ、お前は!
お前がアレなのは知ってるけど!!私は守備範囲外だろ!!??」
「心外ね。私は物理的にちっちゃい子なら年齢には拘らないわ」
「胸を張るなっ!!」
ここまで最悪な自慢、聞いたことがない。
「絶っっ対、嫌だからな!!意地でもしないからな!!」
魔理沙がじりじりと、咲夜とおまるから距離を取る。
「あら、使わないのは勝手だけど、そんな余裕あるのかしら?」
「くっ…」
そんな魔理沙相手に、咲夜は扉の前から動こうとしない。
このシチュエーションにして、この冷静さ。流石としか言いようがない。
事実、膀胱は結構ヤバい領域に達していた。
「私はどっちでもいいのよ?放尿だろうが、おもらしだろうが。時間が解決してくれるわ。
諦めなさい、あなたの時間も私のもの」
最低な決め台詞を言い放つ咲夜。
魔理沙は迷った。尿意も忘れるほど迷った。
おまるで用を足すということは、必然的に大事な部分を、
しかも一番他人に見られたくない状況のそれを晒すことになってしまう。
自慢じゃないが、自分の身体の未成熟っぷりにはちょっと自信がある。ほんとに自慢にならんな。
当然、少女のそれを覆い隠す茂りは、まだ、無い。
真性にして悪食たる咲夜の前にそれを晒せば、さぞ喜ぶだろう。
あまつさえ用を足すのはおまるの中だ。
用意されたおまるは、どう見たって子供用だった。
ドロワーズを脱いで、これにまたがって、咲夜に視線で嬲られながらおしっこを――――――
「………………」
顔の血管が切れやしないかと、心配になるほど真っ赤になった。
絶対、嫌だ。
かといって、我慢していればそう遠くない内に決壊してしまう。
そっちも大概悲惨な結果が待っているだろう。
想像してみる。
我慢も限界をこえて、ぽたぽたとしずくがドロワーズから滴る。
『あ…やぁっ…止まって……』
必死でスカートの上から押さえる。
しかし無情にも、堰を切られた奔流は全く勢いを弱めることがない。
ドロワーズをびしょびしょにして、足元に水たまりを作って。
『あらあら、魔理沙ったら一人でおまるも使えないの?
甘えんぼさんだとは思ってたけど、これほどだなんて、ねぇ……』
失禁の後に待ってるのは怒涛の言葉攻めだ。
ニヤニヤ笑いを浮かべた咲夜の顔が、容易に想像できる。
自分がどういう顔をしているかは想像出来なかった。したくもなかった。
悩んだ。尿意も忘れるほどに悩んだ。
忘れることで弱まればいいが、現実は非情である。
刻一刻と限界は迫り―――――――
結局彼女は物的被害の少ない方を選んだ。
「……人生最悪の二択だぜ」
覚悟を決めた様子で、ごくりと唾を飲み、鎮座するおまるを見下ろした。
今から、ここで、する。
咲夜の見てる前で、する。
おまるの横にしゃがみ込んだ咲夜は、今か今かとわくわくした様子を隠そうともしない。最低だ。
本当に、こいつは大丈夫なんだろうか。
ひょっとしてお仕置きにお尻叩きを選んだのも、私の生尻が拝めるからとか、そういう理由なんじゃなかろうか。
「………」
怖い考えに至って、魔理沙はぶんぶんと首を振った。
よし、ものは考えようだ。
こいつには、お尻は既に見られてる。下半身剥かれた状態も、見られてる。
そこから、一歩踏み出すだけだ。
強引に開き直り、スカートをたくしあげてドロワーズに手をかけた。
真剣な表情で咲夜がその様子を見守る。やっぱり駄目な人だろお前。
ええい、と半ばヤケ気味にドロワーズを一気にずり下ろす。
一切の保護のない、無防備な少女のそれが外気に晒された。
ほう、と咲夜が感嘆の吐息を漏らす。
魔理沙のそこは、見るからに幼く、柔らかそうで。
ぷっくりとした恥丘は、彼女の体が未成熟であることを象徴するかのようで。
熱っぽい視線でじっくり観察されるのに耐えられなかったのか、
早くこの瞬間を終わらせてしまおう、と魔理沙がおまるを挟みこんで立った。
「うう…………」
こうしていざ使う段階になると、流石に恥ずかしい。
こんなもの使うの、何年ぶりだろうか。最後に使ったのがいつかもわからない。
つまり、それほどに幼い子供が使うものだということを嫌でも認識させられた。
でも、もう後には引けない。外気に晒されて尿意は高まるばかりだ。
一瞬の躊躇の後、魔理沙は床に膝をつき、ぺたんとおまるの上に腰を下ろした。
「んっ…!」
冷たい。
ひんやりした感触がお尻と太腿に伝わり、体を震わせた。
魔理沙は同年代の少女の中では小さい方だが、流石におまるが対象としている子供ほど小さいわけではない。
跨ったその姿は、どうしてもアンバランスな印象がある。
本人の幼い容姿や無垢な秘所は子供を想起させるのに、
おまると体のアンバランスさは彼女がまさに子供から脱却しようとしていることを、暗に主張するかのようで―――
「―――って、咲夜、鼻血!鼻血!!」
「えっ?……あ、ああ!!」
そんな倒錯した光景に中てられたか、咲夜の綺麗に通った鼻筋からぼたぼたと鼻血が滴り落ちた。
慌ててハンカチを取り出し、顔の下半分に当てて上を向く。
「………失敬、続けていいわよ」
真紅に染まったハンカチの下から、くぐもった声で言われた。ものすごく不気味だ。
「ううぅ…なんでこんなこと………」
涙目の魔理沙が、濡れないようにスカートの裾を持ち上げ、口で咥える。
空いた両手で、おまるに備え付けられた棒を握った。
―――――もう、早く終わらせてしまおう。
これ以上長引くと、どんどん咲夜の駄目な一面を発見してしまう気がした。
それ以上に、自分が変な気持になってしまいそうだった。
溜まりに溜まったものを一気に解放するように、下半身に力を込め――
「…あれ?」
出ない。
経験から言えば、かなりの勢いで放出されるはずのそれは、ちょろっとも出なかった。
咲夜に見られていることで掛けられた、無意識の抑制が魔理沙に放尿を許さなかった。
「なっ、なんで…?」
当の本人は知る由もない。
我慢できないほど張り詰めているのに、いざ力を込めると全く反応しない。否、力を込められない。
恥ずかしい恰好で、ただ時間だけが流れてゆくことに焦燥が掻き立てられる。
「……一人じゃ、できない?」
「で、できるよっ!!」
ゆらりと忍び寄る咲夜に、真っ赤になって叫び返す。
ここで“できない”なんて言ったら―――
「ひゃんっ!?」
いきなり後ろから伸びてきた咲夜の手に大事な部分を触られ、素っ頓狂な悲鳴を上げる魔理沙。
咥えていたスカートが、ぱさりと落ちる。
気付かない内に、咲夜がぴったりと背中に張り付いていた。
「ちょっ、どこ触っ……ふあぁっ………!」
「無理しないの。お姉さんが手伝ってあげるから、ね…?」
甘く囁き、ぷにぷにと恥丘の弾力を楽しむように咲夜が愛撫する。
その優しい声と指技に、全身の力が抜けて抵抗も出来ない。
「ちょっ……駄目だって……あっ…」
「駄目じゃないわ。これぐらいスキンシップの範疇よ?」
「う、うそだぁ……んっ…」
もう片方の手が、器用にブラウスのボタンを外し、隙間から忍び込んできた。
「あれ?胸、どこ?」
(こ、殺す…!!)
白々しく言いながらぺたぺたとキャミソールの上をなぞる咲夜に、心の中で毒を吐く。
もう、実際に口に出してる余裕はなかった。
ついさっきまでの、あまりに恥ずかしい状況が尾を曳いていた。
この年でおまるに跨ったり、人前で放尿することに対する“やってはいけないこと”をやってしまった背徳感。
そして、今日一日でお尻を叩かれ、泣き顔を見られ、優しく慰められた咲夜に、
禁忌を破っている自分をじっくりと観察されていた事実。
認めたくはなかったけど、確実に自分は興奮していた―――
「あ、あったあった」
「ふぁっ!?」
キャミソールの上から魔理沙の蕾を探り当てた咲夜が、こりこりと指先で弄る。
ぴくっと体が跳ねた瞬間、秘裂を優しくなぞり始めた。
「さぁ、しーしーしようねー」
「や…やだっ……」
それこそ幼い子供に排泄を促すような口調で言われ、こちょこちょと秘裂を揉みほぐされる。
背中にぴったりと密着した咲夜の体温が、布越しに伝わる。
耳元で囁かれる度に、熱い吐息がかかる。
秘裂を弄る咲夜の指先に、ねっとりとしたものが絡んでいるのがわかった。
「魔理沙の、熱くて、ひくひくしてる…
今、楽にしてあげるからね…」
「あ、あ……」
ブラウスの中で、固く隆起した蕾を転がされる。
ぐちゅぐちゅと水っぽい音を立てて、充血した秘所が弄られる。
「ねぇ魔理沙、もしも…」
「え……?」
咲夜が指の動きを休めることもなく、甘く、妖艶に囁く。
魔理沙の口から荒い息が勝手に漏れ出る。
熱に浮かされて、まともに思考の働かないまま、耳を傾けた。
「――もしもこの瞬間、あそこの扉が開いて誰かが入ってきたら、どうする?」
「―――っ!!」
何てことだ。
こいつは鍵もかけないままコトに及んでたのか。
いや、それよりも―――
「ああ、そろそろ他のメイドが晩ごはんを持ってくるかも。
美鈴が今日の報告書をまとめて持ってくるかも。どうしましょう?」
「うあ、あ、あああ……」
芝居がかった咲夜の言葉が、普通なら絶対に触れてはならない領域を刺激する。
今の魔理沙の状態は、他人に見られたらどう取り繕うこともできない。
こんな年でおまるに跨らされて、咲夜に大事な部分を弄られて、快楽に身を委ねている。
こんなところ、他人に見られたら。
待っているのは、軽蔑か、冷笑か、人格をズタズタにするような噂を立てられるか―――
どっちかと言えば、この状態を見られて社会的に再起不能になるのは咲夜の方だが、
今の魔理沙にそこまで考える余裕はなかった。
「あら、どうしたの魔理沙?さっきからおしっこ以外のものしか出てないわよ?」
さも面白そうに、魔理沙の目の前に愛液に浸された指を持って来てやる。
背徳のもたらす快感は、魔理沙のそこをしとどに濡らすのに十分だった。
この痴態を誰かに見られるなどという妄想に耽溺して、ぽたぽたと愛液をおまるに落して。
熱に浮かされ、紅潮した顔は視点が定まらず、涎まで垂らして。
「――――可愛いわ、あなたって」
咲夜が、柔らかいほっぺたを舌でなぞった。
ぞくぞくと魔理沙の背筋を快感が駆け上がる。
一気に秘所を弄る勢いを速める。
抱きしめて、蕾と秘裂を刺激して、汗や涙を舐め取って。
目に見えて魔理沙の限界が近づいている。
「……さ、咲夜ぁ…」
絞り出すような声で、呼びかける。
「もっ……もれるっ……もれちゃうよぉ………!」
「いいのよ、おもらししても。
私が綺麗にしてあげるから――――」
出しちゃいなさい。
優しく、秘所を擦りあげた。
「あっ、だめっ、ぁっ……あ、あ、あ、あああああああっ!!!!」
咲夜の腕の中、おまるに座った魔理沙の体が一際大きく震え――
ぷしゅっ………
震えに同調して、我慢していたおしっこが断続的に吐き出された。
おまるの中に、ぱたぱたと音を立てて黄金色の水たまりが広がってゆく。
「ふあ…出てるぅ…………」
絶頂と、我慢していたものを一気に解放した快感と。
恍惚とした表情で、魔理沙が身を震わせる。
咲夜が、最後の一滴まで出させてやろうと、優しく膀胱を刺激する。
小さく呻きながら、魔理沙の痙攣は暫く続き――
「―――はい、よくできました」
最後の一滴まで出しつくし、腕の中でぐったりする魔理沙を、咲夜の手が撫でた。
「…随分我慢してたのねぇ、こんなに濃いし、匂いも…」
「みっ、見るなっ!見せるなっ!!嗅ぐなーっ!!!」
おまるになみなみと注がれたおしっこを、しげしげ眺めたり、その主に見せつけたり、嗅いだり。
水を得た魚というか、尿を得た咲夜というか、好き放題だった。
もっとも、出したばかりのおしっこはそれほど匂うわけではない。
単純に、素直な反応を見せる魔理沙を煽るためだ。
「はいはい、拭いたげるからこっち来なさい」
「ううううう……」
咲夜に手招きされ、またもや下半身素っ裸になった魔理沙が涙目で歩み寄る。
結局、濡れないように気を付けていたスカートは、愛液やらおしっこやらで酷い有様だった。
「明日までには、洗濯して乾かしとくからね」
濡らしたタオルで、ちょんちょん、と魔理沙の秘裂を拭く咲夜。
いやらしい手つきではなかったが、恥ずかしいことをされているのに変わりはなかった。
「……それは、“泊まって行け”ってことか」
「ええ。びしょびしょのスカートでこの寒空の下を飛んで帰るんなら、話は別だけど」
なんとも嬉しそうな顔の咲夜が、今度は乾いたタオルで綺麗に拭ってやり―――
「咲夜さーん、今日の報告書なんですけど………………」
―――――どこぞで、竜宮の使いがフィーバーしているような気がした。
石化して脂汗を浮かべる人間なんてものを、魔理沙は初めて見た。
もっとも、今の魔理沙も似たような状態だろう。
部屋の扉から顔を覗かせたのは、紅魔館の動く早期警戒システムこと、紅 美鈴。
その視線の先、咲夜の部屋の中は―――――――
床に放置された、びしょ濡れのスカート。
下半身素っ裸で突っ立っている、顔を赤らめた魔理沙。
その正面に座りこんで、魔理沙の大事なところを、壊れ物のように丁寧に拭いている咲夜。
その咲夜の服には、鼻血の跡が点々。
なみなみと、おしっこを湛えたおまる。
気づいた瞬間、そこには数個のPアイテムと、残機アイテムのみが残されていた。
「さく―――」
「“何もなかったわ”」
「…はい」
懐中時計片手に鬼気迫る表情の咲夜に、それ以上何か言う勇気を魔理沙は持ち合わせていなかった。
PM10:00 紅魔館メイド長私室
「…お風呂くらい、ちゃんと入らせてくれてもいいじゃないか」
「だーめ。ほら、観念して服脱ぎなさい」
おまるだの汚れた服だのの後片付けをして、晩ごはんを済ませて、ゴロゴロして。
やはり魔理沙としては、一日の締めを熱いお風呂で済ませたいところだった。
紅魔館のお風呂は広いので、一日の疲れをとるにはもってこいである。
ところが、“今日一日はこの部屋で反省する”ことを頑なに主張する咲夜は、それを許さなかった。
これじゃほとんど監禁じゃあないか、との魔理沙の抗議は黙殺された。
しかし、咲夜もお風呂に入りたい気持ちは理解できる。
それに、恐らく今夜一緒のベッドで寝る魔理沙が、お風呂に入っていないのはちょっといただけなかった。
そこで代替案として咲夜が持ってきたのが――
「……もうちょっと、他に何か無かったのか?」
「あら、濡れタオルで拭くよりよっぽど気持ちいいと思うけど?お湯にも浸かれるし」
―――お湯を張った大きな洗濯用のタライだった。
部屋の真ん中に鎮座する、湯気の立ち上るお湯を張った、木造りの丸いタライ。
脇に置かれたタオルやら、シャンプーやら、ボディーソープやらの入浴セット。
咲夜はすでにワイシャツ一枚と下着のみの姿になり、魔理沙を洗う気満々の様子に見えた。
「入りたくなくても無理やり入れるわよ?それとも服着たまま“お洗濯”されたい?」
「………」
渋々、魔理沙はブラウスと下着を脱ぎ捨てた。
こいつなら、本気で服着たままタライに放り込みかねん。
「―――いい子ね」
「うわっ!?」
一糸まとわぬ姿となった魔理沙を、咲夜がお姫様抱っこで抱きかかえる。
「ちょっ、自分で入れるって!」
「遠慮しないの、これぐらいスキンシップの範疇よ?」
「お前それ言えば何でも許されると思ってるだろっ!」
コミュニケーションを断絶して、抱き上げた魔理沙の素肌を思うさま視姦する咲夜。
茹で蟹の如く真っ赤になった魔理沙が、必死で秘所を覆い隠す。
もう見られたし、触られたんだからいいじゃないか、というわけにもいかない。
人間(に限った話じゃないけど)、譲ってはならない羞恥心というのは、やはり存在するのだ。
やがて満足したのか、咲夜が魔理沙を抱えたままタライに歩み寄る。
「さぁ、お姉さんが綺麗にしてあげるからねー」
「子供扱いするなってばー!」
腕の中でじたばたする魔理沙を尻目に、咲夜が身を低くして彼女をお湯に横たえる。
洗濯用タライはかなり大きめで、小さめの子供用プールほどの大きさと深さがあった。
ちょうど産湯に浸かる赤子のような格好で、魔理沙の半身が熱いお湯に浸される。
「うう…悪夢だ……」
今日一日で、一体何回子供―――というか、幼児扱いされただろう?
泡立てたスポンジをにぎにぎしながらにじり寄る咲夜に、ちょっと恐怖する。
「ほら、腋洗ってあげるからバンザイして」
「……もう、好きにして……」
完全に諦めた表情で、魔理沙は咲夜の言われるがままにした。
手桶でお湯をかけられて、ボディーソープのたっぷり染み込んだスポンジで丁寧に肌を擦られる。
幸せそうなことこの上ない顔で、咲夜がお人形さん状態の魔理沙の体を隅々まで洗いあげてゆく。
平たい胸板、細くてやわっこい四肢、すべすべとしたお腹。
傷をつけてしまわないよう、優しく泡を揉みこまれた。
「……洗濯物にでもなった気分だぜ」
ぼそり、と魔理沙がこぼした。
それを聞いた咲夜が、思わず吹き出す。
「なんだよ?」
「ごめん、ごめん。
だって、どっちかと言うとあなたって洗濯物というよりは、洗濯板―――」
「~~~~~~~っ!!!」
真っ赤になった魔理沙が、泡混じりのお湯をばしゃばしゃと咲夜にかける。
「わぷっ……っくくく………ご、ごめんってば……っぷ……」
ツボに入ったのか、お湯を防ぎながら目に涙まで浮かべて笑う咲夜。
濡れたワイシャツが透けて、ところどころ白い肌にぴったり張り付いていた。
「あー、もう!!不公平だ!!お前も入れ!!」
「え、ちょっ……きゃっ!?」
ばっしゃーん…
ヤケ気味に叫んだ魔理沙が、タライの中に咲夜を引きずりこんだ。
予期していなかったらしく、まともにお湯に突っ込む咲夜。
その隙に、脇に置いてあったボディーソープを手に取り、お湯の中でもがく咲夜のワイシャツにぶっかけた。
「ぺっ、ぺっ………や、やったわね、この…!!」
「やかましいっ!!お前こそ服着たまま“お洗濯”されちまえ!!」
もう怒ったぞ、とばかりにずぶ濡れになった咲夜がシャンプーを手に取る。
容赦なくワイシャツの上からボディーソープを揉みこんでやる、と魔理沙が両手をわきわきさせる。
かくして、壮絶な洗いっこが始まった。
「このっ…ちゃんと洗ってないわね!キューティクルが剥がれかかってるじゃない!」
「うるさい!そっちこそ、シャツに汗染みできてるぞ!!」
「ほっといてよ!!メイドの仕事はハードなの!!あー!枝毛まで!!」
「枝毛の一つや二つなんだ!!嫌味なスタイルしやがって!!」
「努力の賜物よ!!どさくさに紛れてどこ触ってるのよ!!」
「お前はさっきさんざん私のを触っただろうが!!あと、右のこめかみ痒いからもっと力込めろ!!」
「ああ、そう!!お痒いところはございませんかー!?
ってワイシャツの上からブラ外さないでよ!!変なとこで器用ね!?」
「恐れ入ったか!!“洗濯板”で手洗いしてやる!!」
「………!!」
「……………………!!」
………………………………………
紅魔館は静かな場所だ。
とりわけ、咲夜の部屋がある一角は物音一つしない区画だ。
だが、その晩は珍しく騒がしかった。
PM11:50 紅魔館メイド長私室
「………なんだか、ものすごく無駄に疲れたぜ」
「………同感ね」
パジャマに身を包んだ二人が、ベッドの上でぐったりとしていた。
今日一日で、色々ありすぎた。
お仕置きだの、羞恥プレイだの、洗いっこだの。
いくら二人が若いとは言っても、体力に限界はある。
今日は早いうちに寝てしまおう、ということで二人は合意した。
「消すわよー?」
「おーう…」
部屋の一番大きな明かりを、咲夜が消す。
残った光源は、枕もとの小さなランプだけだった。
疲れた顔で、咲夜がベッドに潜り込んだ。
「………もうちょっとこっち来なさいよ」
ベッドの端っこで油断なく咲夜と距離を取る魔理沙を、ぽんぽん、とシーツを叩いて招く。
「……自ら危険に飛びこむ趣味は無いんだぜ」
「グレイズは大好きなくせに?」
「危険行為推奨は別腹だぜ」
魔理沙は頑なに枕を抱きしめて、一向に距離を詰めようとしない。
今更、文字どおり一緒に寝るぐらい気にすることないのに。
ふぅ、と呆れ顔の咲夜が吐息を漏らす。
「――恥ずかしいんだ?」
「なっ……!」
お得意のニヤニヤ笑いを浮かべて、挑発する咲夜。
「そうよねぇ、恥ずかしいわねぇ。
“霧雨さん家の魔理沙ちゃんは、もうお姉さんなのにまだ一人で眠れないんですって”なんて言われたら――」
「~~~~~っ!!」
ぼふっ、と枕に顔を埋める魔理沙。
赤面した様子が、弱弱しい光源の中でもよくわかる。
だが、挑発にのって咲夜の方へ移動する様子は無かった。
あらら、失敗か。
どうやって彼女を抱き枕代わりにしようか、次の手を考え―――
「……へくちっ!」
くしゃみが咲夜の口から飛び出た。
湯ざめしたのだろうか、我ながら馬鹿な遊びをやったもんだ。
心の中でごちながら、ぐすっと鼻を啜った。
ん?と魔理沙が枕から顔を上げる。
(お、これは―――)
チャンスかもしれない。
「なんだよ、寒いのか?」
魔理沙がさして興味なさそうに尋ねる。
だが、その顔が隠したほんの少しの心配の色を咲夜は見逃さなかった。
「ええ、湯ざめしたみたい。いいわねぇ、あなたは体温高くて」
「どーゆー意味だ」
暗に子供扱いされた魔理沙がむくれる。
「まぁ、寝てるうちにあったまるわ。あなたも早く寝なさい」
「え?あ、ああ…」
わざと素っ気なく、話題を引きずらずに打ち切る。これがミソだ。
枕もとの小さな明かりも吹き消した。
「おやすみ……」
「ん……」
暗闇の中、ベッドの反対側にいるであろう魔理沙に呼びかけ、布団に潜り込んだ。
――――案の定、すぐに魔理沙がもぞもぞと咲夜の方へ移動してきた。
計画どおり。
ニヤニヤしながら、月明かりにうっすらと照らされた魔理沙の髪を撫でる。
「あら、どうしたの?やっぱり一人じゃ怖くて眠れない?」
「違うぜ。十六夜さん家の咲夜ちゃんが一人じゃ寒いって言うから、仕方なしに協力してやるんだ」
仕方なしだからな、と魔理沙が咲夜の体に軽く抱きついた。
くすくす笑いながら、咲夜が抱き返す。
気合いを入れて洗ってやったおかげで、魔理沙の体からはいい匂いが立ち上っていた。
「……ほんとは一緒に寝たいくせに」
「なぁっ!?」
抱きしめてしまえばこっちのものだと、咲夜が再びからかってやる。
やっぱり赤くなった魔理沙が、上目に抗議する。
「ふふ…もう、子供なんだから…」
きゅっと胸に抱きしめた。
布団の中が、じんわりと温かくなってゆく。
「………私が子供なら、咲夜はなんなんだよ」
諦めきったのか、いつの間にか魔理沙は抵抗も抗議もやめていた。
「お姉さんとか、ママとか?」
「私のママは、もっと優しかったぜ」
ちょっと魔理沙の声に、寂しそうなものが混じる。
「じゃ、お姉さんね」
よしよし、と抱えた魔理沙の頭を優しく撫でてやった。
「…………………よくできたお姉さんは、こういう時に妹に言うことがあるんだぜ」
「あら、駄目なお姉さんには想像もつかないわ」
自分で言ってて恥ずかしくなったのか、魔理沙の顔は暗闇でもわかるぐらい真赤だ。
そんな様子を見た咲夜が、あえてわざとらしくとぼけてやる。
―――言わせたいことは大体予想がつく。意地でも言ってやるもんか。
こつん、とおでこをくっつけて、咲夜は狸寝入りを始めた。
============おまけ============
後日
「咲夜さーん…………?」
「めっ、美鈴!?こ…この前は、そのっ…!」
「いや、私はいいんですよ?打たれ強いですから。でも、前にちゃんと言いましたよねぇ」
「う……」
「個人の趣味にどうこう言うつもりは無いですよ。
でも、あーゆーことはちゃんと鍵を掛けて、誰も来ないところでやりましょうって言いましたよね?」
「…ごめんなさい」
「これでもう何回目ですか?ごめんなさいって言うだけなら、子供でもできますよ?」
「……………ご、ごめんなさい…」
「もう……“咲夜ちゃん”はこんなに大きくなっても、全然中身は成長してませんね?」
「あ、あ、あ…」
「……久しぶりにお仕置きが必要ですか?
ちょっと最近、目に余るものがありますよ?」
「ゆ、許して、美鈴姉…………」
「お尻ぺんぺんがいいですか?それとも木馬さん?」
「い、嫌ぁ………木馬さんはいやぁ…………」
「ふふ……じゃあ、行きましょうね」
「あっ…………」
ねーむおぶほーりーさーんだーふぉーす!
甘える魔理沙はやっぱりいいな
もげたちんこの本数が数えられないやハハハ
ちょっと真性疑惑な優しいお姉さん咲夜と甘えん坊な受け魔理沙の真骨頂を大変美味しく頂きました、ありがとう
うふふふふふ・・・にやけが止まらない・・・・・・
甘えんぼ魔理沙可愛いですね。
そして! 早くおまけの詳細を!
俺の感動を返してwwww
この2人は原作でもすごく中が良さそうなので、もっと流行ったらいいなー
もっと本格的な幼児プレイ…ばっちこいですよ
前半の聖母咲夜が性母咲夜に…www
いやぁ、美味しかったです。次回はめーさくですか?ww
これからも期待してます。
咲夜さんにスパンキンされたいです><
最低で最高な咲夜さんに乾杯!w
咲マリは良い物です