スマート・キー 小型化
投稿日 : 2008年01月26日
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車両への乗り込みやエンジン始動にあたり、鍵の手動操作を不要にした『スマートキー』
この類の電子錠が世に出てからすでにいくつかの装着車が開発されていますが、スマートキーそのものについてもデザインや携帯性の面でかなり進化してる様子・・・ トヨタのエントリーモデルとなるヴィッツでさえ、新型では、より小さく洗練されたモノに変更されてました。
先進装備の普及速度や進化の度合いにショックを受けつつも、悔しい気持ちをバネにして(?)クラウンのスマート・キーを更にスマートにするべく小型化を決意。 どーせなら既存の製品を超える(財布に入れっぱなしにできるくらいの)大きさの筐体を作ってやろーと計画しました。
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プラスチックのキーケースを分解してみたところ、中の基盤はかなり小さく、目標達成にはそれほど無茶な改造は必要ないカンジです。
私の場合、リモコンボタンはほとんど使用してないので、これらの操作性を若干 犠牲にし、可能な限り小さい筐体を作ることを考えました。
ただ、スマートキーの本質的な機能は制限したくなかったので、イモビライザーは活かし、電池交換も簡単に行えるようにしなければなりません。 またその性質上、かなり過酷な使われ方をすることが予想されるので、筐体の強度に関しても余裕をもったものにします。
この点については、はじめアルミ板を加工してケースをつくろうかと思ってましたが、スマートキーをアルミの弁当箱に入れて調べたところ、やや受信感度が下がることが判明して断念。 次に加工の簡単な溶剤パテも考えましたが、硬化収縮が大きいことと衝撃に対して弱いという理由でこちらもパス。 試行錯誤の結果、電子部品を包んでいたプラスチックケースを基盤ギリギリに削りだして薄いベースを作り、その上から柔軟性のあるエポキシ樹脂を流して内部メカを固定する方針でイクことに決定しました。
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電池を交換する為の蓋を固定するため、そのビス受けとなる六角ナットをケース裏に溶着(ナットの上からハンダごてをあててプラスチックケースに埋め込む)しておきます。
削りだしたケースの大きさに合わせてスチロール板を囲み、樹脂を流し込む型を作ります。
また、電子部品に樹脂が浸透しないよう、基盤の表面全体にフィルムを貼っておきます。
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エポキシ樹脂に硬化剤を混合した後、型枠の中に流し込みます。
キーケースは黒色に上塗りするつもりですが、落下や擦り傷などにより塗装が部分的に剥がれても目立たないように樹脂も黒色を選択。熱をもちながら30分程で硬化します。
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硬化後、型枠から外し、サンドペーパーを使って、3つのリモコンボタン(ボタンの高さがそれぞれ異なるので、ドアロックボタンの土台に合わせます)が顔を出すギリギリのラインまで削ります。
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スパッタリング塗料の乾燥後、電池蓋の隅にドリルで穴(直径1.5mm)をあけます。
そこに極小ビス(Φ1.5×5mm)を通して、ケースの内側に溶着しておいたナットで固定します。
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完成。 最厚部のスリーサイズは、62×36×16mm → 50×25×8mm へ。
写真ではあんまり大きさが変わったように見えませんが、薄さが半分になってるので、手に持った感じはかなり小さくなったよーな気がします。
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電池交換も簡単にできます。
なお、電池を使い切った場合や電子部品の故障時などにおいても、スタートプッシュボタン横のスロットにこのキーを差し込めば、(磁気チップによるIDコード照合により) エンジン始動は問題なくできます。 その場合、初めにメカニカルキーでドアを開けなければなりませんが、そんな非常時の為だけにメカ・キーをわざわざ別体で持ち歩くこともメンドーなんで、(ここだけのハナシですが)車体に隠しておくことにしました。 とりあえずの防犯対策として、①鍵を樹脂で包んで形を変える。 ②工具を使用しなければ入らない場所に鍵を隠す。 ③その工具についても工具と分からない形に変えてシャシーに隠す。 の三段構えで行う予定です。
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