福島大は二十六日、県が同日発表した十人を含む学生十一人の新型コロナウイルス感染が確認されたと明らかにした。県発表の十人のうち九人は、二十日に福島市の福島テルサで開かれた福島大創作ダンス発表会の出演者八人と来場者一人だった。会場にいた学生約百五十人のPCR検査を実施した結果、陽性が判明した。
発表会は中学、高校の体育の教員免許取得に必要な一年生向けの科目「ダンス」の一部として開かれた。受講する一、二年生の四十三人と、過去に受講した二年生以上の八十五人が出演していた。
大学は担当教員から申請を受け、無観客を条件とした開催を認めていたが、実際は出演者以外の学生四十一人と保護者ら学校外の二十二人が来場していた。間を空けて着席しなかったり、マスクを着用しなかったりする場面があったという。
感染が確認された九人のうち五人は大学が二十四日に発表した感染者十三人との接触はなく、授業や練習、発表会で感染した可能性があるとみている。来場した学生の一部や担当教員のPCR検査の結果を今後公表する。学校外の来場者の検査の必要性については市保健所が判断する。
これまでに感染が判明した学生二十四人のうち二十一人が発表会会場にいた。
市内で記者会見した三浦浩喜学長は「コロナ禍の行事とは思えない対策の甘さがあり、大学の責任を強く感じている。厳しく受け止め、事実関係の解明を急ぐ」と語った。
県が二十六日に感染を発表した学生十人のうち、発表会に参加していない一人は既に陽性が確認された学生一人と二十日に会食していた。この他、二十四日に陽性が確認した学生一人は感染経路が不明となっている。