ホーム > PC-Webzineアーカイブ > 2017年から2018年に人工知能導入期が来る!?

2017年から2018年に人工知能導入期が来る!?

2017年から2018年に人工知能導入期が来る!?

2017年07月18日更新

ネットワーク機器市場は成熟期に入り急成長はないが安定市場

Network Device For Business

IDC Japanは、「国内企業向けネットワーク機器市場予測」を発表した。2016年の国内企業向けネットワーク機器市場は、2015年のプラス成長から一変して、4.6%減のマイナス成長となった。2016年には、データセンター向けイーサネットスイッチの需要や、無線LANアクセスポイントの出荷台数の増加は見られたものの、市場全体の成熟化が目立ってきた。本市場の主力である三つの製品分野も2015年の市場規模を下回り、企業向けイーサネットがマイナス4.9%、企業向けルーター市場がマイナス3%、企業向け無線LAN機器市場がマイナス6%となった。

今後の国内向けネットワーク機器市場は、大きな成長は見られず、安定したものとなるだろう。全体の2016〜2021年の年間成長率はマイナス0.2%で、2021年の市場規模は2,036億3,800万円と金額的に見ても、縮小傾向と予測される。

国内向けネットワーク市場の企業別シェアの内訳は2016年も3製品全てにおいて首位を獲得したシスコシステムズが高いシェアを維持したままの結果だ。2015年の混戦状態から一歩抜け出したアライドテレシスは2位、ヤマハが3位となった。

成熟化が進む国内向けネットワーク機器市場だが、顧客のニーズに対応しながらも、提供する企業側が企業ネットワークのあり方を提案するソリューション開発を進めていくことが重要なポイントになると同社は指摘した。

2017年から2018年は人工知能導入期へ

Artificial Intelligence

MM総研は「機械特化型の人工知能技術のビジネス活用」を発表した。調査によると、日本国内で現在すでに人工知能を導入している法人が1.8%、導入を検討している法人が17.9%となった。業種別導入率は金融業7.8%、情報通信業6.9%とほかの業種に比べ割合が大きい。2016年の市場規模は2,220億円となっており、今後、年率20.4%で成長する見込みだ。2017年から2018年は人工知能の導入期となり、実験的な導入が積極的に行われ、市場が拡大するが、2019年には運用、技術面での課題が明確化し市場は一度縮小すると予測する。

今後の人工知能の普及のポイントとしては、ユーザー企業の人工知能に対する技術理解が挙げられるだろう。しかし、部長以上の層が人工知能技術やサービスを詳しく理解している割合は7.7%となっている。人工知能に投資する9割以上の企業で、導入の決定権がある部長以上の層が詳しく人工知能を理解していなければ、現場との軋轢の種となってしまう。導入後の問題として「人工知能を利活用する環境が整っていない」(31.3%)や、「保守/運用コストが高い」(28.8%)が挙げられるなど、環境整備不足による課題が目立った。

一方、国内の人工知能サービス提供者を見てみると、良質な学習データを保有している点は、米国やドイツと比較して大きな強みだ。しかし、データサイエンティストやプログラマーなどの人材や、業界の業務運用ノウハウ(Operation Technology)などが不足しており、これらの課題を解決していくことが重要になる。

業務を兼任するひとり情シスが8割を占める

Information Systems Department

ノークリサーチは「ノークリサーチ Quarterly Report2017年春版『ひとり情シス』の類型と分布に関する調査と提言」を発表した。調査を行った700社の内、社内のIT管理/運営を行う人材が一名の「ひとり情シス」は29.9%となっており、年商規模が小さな企業ほどひとり情シスが多く見られる。また、ひとり情シスにも兼任/専任によるいくつかの類型があり、さらに、全体の8割を占める兼任型も三つの類型に分けられることが明らかになった。

ひとり情シス全体の兼任と専任の割合としては、兼任が82.3%、専任が17.7%となっている。ひとり情シスの8割が本業業務のほかにIT管理、運用を行っており、その負担は専任のひとり情シスより大きいと言えそうだ。

さらに、兼任型ひとり情シスも「製品/サービスを購入する費用」と「人材の採用/育成に要する費用」を企業が投資可能な状況か否かにより、大きく三つの類型に細分化できる。「兼任型ひとり情シス」の43.0%を占める「モノ」と「ヒト」に対する投資が十分である情シスは、スキルも高く、予算も捻出しやすい傾向にある。サービスを提供するIT企業としてもアプローチしやすい。

一方、全体の28.5%を占める二つ目の類型である「ヒト」に対する予算が不足している企業に対しては、ひとり情シスの負担を減らすアプローチが求められているだろう。最後の23.8%を占める「モノ」も「ヒト」にも予算がかけられない状態の情シスに対するアプローチは難易度が高いが、導入、運用することにより費用や負担が大きく減らせるソリューションが存在するのであれば、商品提案アプローチの方法はあるだろう。

2020年度の東京オリンピックで市場は2017年度の倍に

Digital Signage

矢野経済研究所は「デジタルサイネージ市場に関する調査(2017年)」を実施し、その結果を取りまとめた。本調査によると、デジタルサイネージ市場の2016年度市場規模は前年度比116.2%の1,487億7,500万円を見込んでいる。2017年度は前年度比 120.3%の伸び率が予想され1,789 億 2,000 万円市場となる予測だ。訪日外国人に向けた対応や、東京オリンピック・パラリンピック、地方創生などの要因が追い風となり、2020年度には2017年度のほぼ倍となる3,361億7,000万円となることが予想されている。

同調査では、さらにデジタルサイネージ市場を「広告市場」「コンテンツ制作市場」「システム販売/構築市場」に分類して調査を行っている。その動向を見ると、広告の2016年度市場規模は前年度比 121.9%の600億8,100万円と見込んでいる。その背景には、広告主であるユーザー企業において、広告と販売促進の両方を兼ね備えたプロモーションが増加基調にあり、広告費と販売促進費の両方から予算が獲得できる状況になっていることが挙げられる。そのため市場は順調に拡大すると同社は予測した。

コンテンツ制作費は低下傾向にあるものの、今後は高度な映像技術に対応したコンテンツの制作により、価格低下に歯止めがかかることが期待されている。それらの背景を踏まえ、2017 年度は前年度比 115%の堅実な成長が予測されている。システム販売/構築市場は、デジタルサイネージを手軽かつ安価に導入したい層と、IoT活用といった高い付加価値を求める層で二極化している。現段階では、手軽な利用を求めるユーザーがやや多く、緩やかな成長となっている。

キーワードから記事を探す