BY YUMIKO TAKAYAMA, PHOTOGRAPHS BY YUKAKO HIRAMATSU NOVEMBER 22, 2017
自家製発酵調味料。右は松の木の新芽のピクルス、中央は梨の発酵ジュース、左は発酵キウイフルーツ
世界中のシェフが料理のクリエーションをより豊かに広げる手段として熱く注目しているのが、日本の発酵技術。安田翔平さんはコペンハーゲンで料理人として、江本賢太郎さんはメルボルンでソムリエとしてトップレストランで働いた経験を持ち、地元のシェフたちが日本の発酵技術を使って自由奔放に新しい味覚を生み出すのを見て刺激された。 (写真左より)シェフの安田翔平さんと、ソムリエの江本賢太郎さん
「春には木々の新芽をピクルスにし、秋は森できのこを採って発酵させる。味噌も大豆だけじゃなくていろんな材料を使って作る。その味わいが魅力的なんです」(安田さん)。そんな彼らが、フレンチやニューノルディッククイジーヌのテクニックと、日本の食材・発酵技術を組み合わせたユニークなスタイルのレストラン「Kabi」を11月26日(日)にオープンする。 手前は生塩麹漬け鶏レバーのローストと黒ニンニク、発酵白アスパラガスをマリネしたネギのフリット。合わせるのは発酵キウイと大葉の塩漬けジュース。奥は佐賀の珍味ワラスボと鮒ずしでとっただし、ニラ、イチジクの葉、備長炭のオイルを使ったスープ。発酵梨と自家製甘酒のカクテルと
自家製発酵食材に加え、梅干しをパウダーにしたり、鮒ずしはスープやソースのだしとして使用するなど、想像を超える味覚は、驚きの連続。自然派ワインや日本酒、クラフトビール、発酵ジュースのカクテルと枠にはまらないペアリングも未知の領域だ。