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“変異種”発見のカギ『遺伝子解析』国内の最前線[2020/12/24 23:30]

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000202359.html

感染力の強い“変異種”をいかに早く見つけ出し、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるか。国内での取り組みを取材しました。

ウイルスは、人の体内でコピーを作って増殖します。ところが、たまにコピーミスが起こり、遺伝子の一部が変わることがあります。新型コロナは、こうした変異を1カ月に1〜2回繰り返していると言われています。

政府の分科会は、さらなる感染対策の一つとして、遺伝子解析の推進を提言しました。遺伝子情報をたどることによって、経路不明のクラスター追跡に役立つとしています。

千葉大学と協力して新型コロナなどの遺伝子解析を行っている千葉県柏市の『ゲノムクリニック』代表・曽根原弘樹医師は、世界中で“変異”を追跡することが重要だと話します。
ゲノムクリニック代表・曽根原弘樹医師:「危ない変異に関してはモニタリングする必要がある。今後データが集まってくれば、変異から病原性を予測することも可能になる可能性があります」

慶応大学医学部臨床遺伝学センターの小崎健次郎教授は、国の支援を受け、国内の病院で流行しているウイルスの遺伝子解析を行っています。
慶応大学医学部臨床遺伝学センター・小崎健次郎教授:「どの人とどの人に関係があるかないかを把握しないと、色んな意味でのクラスターのコントロールが難しいが、このウイルスの遺伝子の配列を決めることで、そういったコントロールが容易になることが期待されていて、今後冬で寒さが厳しくなって、院内感染の対策に使われることはミクロなレベルで役立つことです」

分析や対策などには、新型コロナウイルスの遺伝子情報サイト『Nextstrain』が利用されています。このサイトには、世界中から変異種の情報が送られ、変異がいつ起き、どの種のウイルスが、どのように世界で広まっていったかも確認できます。
慶応大学医学部臨床遺伝学センター・小崎健次郎教授:「驚くべきことだったと思う。コロナ禍があったから、データを共有する発想が世界的に出て、そこから様々な研究成果が生み出されているので、国際的には素晴らしい仕組みが短期間でできたと思う」

今後、さらに新型コロナの遺伝子解析が進み、ウイルスの弱点が分かれば、新しい対策が可能になるといいます。
慶応大学医学部臨床遺伝学センター・小崎健次郎教授:「ここがコロナの弱点だと分かれば、そこに効く薬を積極的に作っていく、あるいは使っていくことは十分あり得る」

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