米ニューヨーク市、外国からの渡航者に隔離ルール 罰金1日千ドル
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ニューヨーク市の新たな隔離ルールに違反すると多額の罰金が科される(同市ジョン・F・ケネディ国際空港)
米ニューヨーク市は23日、新型コロナウイルス対策として、外国からの渡航者を対象にした新たな隔離ルールを導入した。イギリスなどで変異種が出現しているのを受けた措置。
ニューヨーク市のビル・デブラジオ市長は、外国からのすべての渡航者に対し14日間、空港で届け出た滞在先にとどまるよう命じると述べた。
また、イギリスから到着した人は全員、保安官代理らが訪問し、ルールを守っているかを確認すると説明。
ルールに従わない人には、1日につき1000ドル(約10万4000円)の罰金を科すと警告した。
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米ジョンズ・ホプキンス大学によると、アメリカの新型ウイルスの感染者は累計1845万人を超え、死者は32万6000人以上に達している(日本時間24日午後時点)。
ニューヨーク市は米国内の新型ウイルス大流行で、初期の中心地となった。ニューヨーク州はその後も再び、感染状況が深刻化している。
「違反すれば全員が危険に」
デブラジオ市長はこの日の声明で、外国からの渡航者には連絡先情報の提供を義務付けるとし、こう述べた。
「隔離ルールの違反は他の全ての人を危険にさらす。このことを私たちは深刻に受け止めている」
「闘いは最終段階にある。この休暇期間を切り抜けることが大事だ」
欧州連合(EU)加盟27カ国を含む数十の国が、クリスマス時期に感染が拡大するのを抑えようと、イギリスからの渡航者に対して規制を実施している。
新たな変異種
イギリスのボリス・ジョンソン首相は今週、同国における感染者の急増には、新型ウイルスの新たな変異種が関係していると明らかにした。
23日にはマット・ハンコック保健相が、南アフリカから来たとみられる別の変異種がイギリスで発見されたと述べた。
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イギリス当局は新型ウイルスの変異種について、これまでのものより感染力が強いとしている
この2つの変異種について、解析が進められている。英政府は、他の変異種よりも感染力が強いことはほぼ明らかだとしている。
英政府は現在、新たに厳しいロックダウンを実施中で、これが感染の抑制につながるとしている。
アメリカの状況
アメリカの新型ウイルスの感染者と死者は、ともに世界最多の状況が続いている。
感染流行の発生からこれまで、国民の約5%が感染したとみられている。
11月上旬以降は、1日あたりの感染者数が記録的な多さで推移している。多くの州で入院患者の増加に対応が追いつかなくなっている。
100万人がワクチンを接種
米食品医薬品局(FDA)は最近、2種類の新型ウイルスワクチンの使用を認めた。1つは米モデルナ製で、もう1つは米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したものだ。
米疾病対策センター(CDC)は、計940万回分以上のワクチンが国内各地へと出荷されたとしている。
米政府はファイザーと、1億回分のワクチンの追加購入契約を結んでいる。
しかし先週、多くの州で当初の想定より少ないワクチンしか届かない見込みになったことを受け、ワクチンの配布を担当する米軍司令官が謝罪した。
CDCによると、23日時点で100万人以上の米国民が1回目の接種を終えている。政府はこれまで、年内に2000万人に接種を実施すると約束していた。
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