新型コロナウイルスの変異種が蔓延しているイギリスでは感染の急拡大が止まらず、さらに多くの地域で事実上のロックダウンを実施することになりました。

　イギリス政府が２３日に発表した新型コロナウイルス関連の統計によりますと、新たに感染が確認されたのは３万９２３７人で、過去１週間の総計はその前の７日間と比べ６１．３％増加しています。また、この日に報告された死者は７４４人でした。

　イギリスでは現在、４段階の警戒システムをとっていて、感染力が強い変異種が多く見られるロンドンや南東部の一部などは事実上のロックダウンとなる「レベル４」に指定されています。ハンコック保健相は会見で、「警戒レベル３は従来のウイルスを抑える効果はあったが、変異種を抑えるには不十分」だとして、東部と南東部を中心にさらに多くの地域をクリスマス明けの２６日からレベル４に指定すると発表しました。

　イギリスでは、レベル４以外の地域ではクリスマスの今月２５日に限り３世帯まで集まれるとしていますが、これによりさらに感染拡大に拍車がかかるとの懸念も出ています。このため直ちにイングランド全体を「レベル４」に指定すべきではないかとの質問も出ましたが、ハンコック保健相は「変異種が見られる地域にはまだバラつきがある」としてこれを否定しました。