京都府庁

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 京都府で新型コロナウイルス患者の重症者が急増している。わずか3日間で倍増して21日時点で20人に上り、重症者用の病床使用率は23・3%に達した。病床の逼迫(ひっぱく)度は増し、政府の分科会が「ステージ3(感染急増)」の指標の一つとする25%に迫っている。医療関係者が医療崩壊の分岐点とする30人程度にも近づき、府は警戒を強めている。

 重症者は12月17日まで8人で、86床ある重症者用の病床使用率は9・3%にとどまっていた。しかし先週末から連日増え始め、18日に9人、19日に13人、20日に15人、21日には20人となった。

 重症者用を含めて680床を確保している新型コロナ用の病床には、21日時点で220床に患者が入っている。使用率は32・4%となり、同様にステージ3の指標の一つである25%を大幅に超えている。

 重症者を巡っては、府内でコロナ患者を受け入れている府立医科大付属病院など14病院の院長が18日、危機感を訴える連名の声明を発表。通常より多くの医師や看護師が必要となる重症者が府内で30人程度になれば、がんや脳卒中、救急など通常の医療がほぼ停止する事態になりかねないとしている。

 府健康福祉部は「通常の医療を圧迫しないように、病院との連携をより強めていきたい」としている。