羅一慶教授の違法解雇事件で浮き彫りにされた中京大学の不健全運営

 大内裕和中京大教授の盗用問題に関連して筆者が行った研究不正の告発に対して、中京大学「予備調査委員会」は「告発により指摘された研究活動に係る不正行為の疑いがあるということについては確認できなかった」として、研究吏員委員会による本調査を行わないとの決定を出した。

 常識的な感覚ですれば、一見して「パクリ」だと判断されるような明白な盗用・剽窃にもかかわらず、その疑いすらないというのだ。問題がある大学ではないだろうかと疑問を抱いていたところ、読者の方から貴重な情報をいただいた。

 羅一慶(ラ=イルキョン)教授不当解雇事件である。

 「羅教授を支援する会」のホームページにはこうある。

〈2016年7月11日、梅村学園総長・理事長より総合政策学部長羅一慶教授に懲戒解雇が通知されました。この解雇については、備品のPCを転売した、滞在先を無断で変更しハワイで遊んでいたなど、事実無根のうわさが飛び交っています。〉

 支援する会の報告をみた印象は、羅教授の解雇は大学経営者らによる不当な弾圧である疑いが強い。羅教授は解雇が不当だとして中京大を提訴、去る10月に、みごと解雇無効の判決を勝ち取っている(控訴審で審理続行中)。この裁判所の判断も中京大の処分のおかしさを強く物語っている。 

 ある教員はささいなことにかこつけて追放し、別の教員は明白で悪質な不正があっても調査すらしない。中京大が不健全さをかかえた大学であることはまちがいなさそうだ。さっそく羅教授の事件の取材にとりかかることとしたい。

 

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください