BRFN
BRF/BRFN芯の互換性
パイロットの高価格筆記具のうち、本体価格2,000円以下のものやドクターグリップシリーズには樹脂製のBRFN-10Fが、それ以上の高級品には金属芯のBRFN-30Fなどが入っている。これらはほぼ同じ形状をしているが、BRFN-10Fのみペン先の途中から一回り太くなっている。このため、初期芯としてBRFN-10Fが入っている軸にBRF-20/BRF-25/BRFN-30を入れることはできるが、初期芯としてBRFN-30F等が入っている軸にBRFN-10Fが必ず使えるとは限らない。
これらと近い寸法のリフィルとして、水性B型のLNシン-25EFがある(写真一番下)。ゲルインクのBLGS芯もほぼ同じ全長・外径だが、ゲルL型を短くしたような形状でペン先径2.5mmと一回り太いため、これらとは互換性がない。
| 替芯名称 | ボール径 | 全長 | 外径 | ペン先径 |
|---|---|---|---|---|
| BRFN-10EF/F | 0.5/0.7mm | 86.6mm9 | 6.0mm | 2.3mm |
| BRF-20EF | 0.5mm | 86.5mm | ||
| BRF-25B/BB | 1.2/1.6mm | 86.1mm | ||
| BRFN-30EF/F/M | 0.5/0.7/1.0mm | 86.8mm | ||
| LNシン-25EF | 0.5mm | 87.1mm | 6.2mm |
9) 実測値。カタログ表記の全長は86.8mm
左: ドクターグリップにBRFN-10Fを入れたペン先
右: ドクターグリップにBRF-25BBを入れたペン先
なお、BRFN-10Fのペン先径2.3mm、一回り太くなった部分の外径3.1mm、ペン先からスプリング止めの位置まで21mmというのはBSRF芯と同じであり、BRFN-10Fが入る軸の多くで上軸側にBRFN芯より細長いBSRF芯が入る穴が設けられている。このため、BRFN-10Fの代わりにBSRF芯を入れることも可能になっている。BSRF芯の互換芯は数多くあるため、0.5/0.7mmの黒・赤・青しかないBRFN-10EF/Fの代わりに、ボール径や色、あるいはインクの種類の異なるリフィルを利用することもできる。
10) 2本入りの替芯(品番 XLRN5H-A2)にはノック式でも使えるようクリンプが付いていたが、エナージェル多色・多機能用の1本入り替芯(品番 XLRN5H-A)にはクリンプが付いていないので注意。
ドクターグリップにLRN5Hを入れたペン先
クーペなど一部の製品では、スプリングを内径の広いものに交換すればBRFN-10Fの代わりにLNシン-25EFを使うことができる(スプリングは無印良品の選べるリフィルペンポリカーボネイト六角軸のものが無加工で流用できる)。ドクターグリップは二重構造のラバーグリップのために下軸の内部が狭くなっており、LNシン-25EFが内部の金属パイプを通らないため使えない。
クーペにLNシン-25EFを入れたところ
ドクターグリップはLNシン-25EFがここまでしか入らない
BRF/BRFN芯の互換リフィルはゼブラのST-0.7芯(廃番)くらいしかなく現状ではほぼパイロット専用となっているが、長さを約25mm延長すればゲルK型互換軸で使えたり、長さを11mmほど延長してペン先を2.54mm程度になるよう調整すれば一部の油性G2型互換軸で使えるなど、意外と応用範囲の広いリフィルでもある。
例えばぺんてるのハイブリッドテクニカノックにはゲルK型のKFRN芯が入っているが、LNシン-25EFに付属するキャップを後ろに挟めばBRFN-10FやLNシン-25EFを無改造で入れることができる。
KFRN芯が入ったハイブリッドテクニカノック
BRFN-10Fを入れたハイブリッドテクニカノック
LNシン-25EFを入れたハイブリッドテクニカノック
- 最終更新:2020-06-30 08:34:01