リネンシャツで涼と品を両得。着こなし方とおすすめブランド10選
暑い季節はリネンの出番。見ても着ても涼しさを実感できる天然素材の特徴をはじめ、コーディネートのヒントからおすすめアイテムまで掘り下げます。
リネンをコーデに取り入れる。ならば、リネンシャツが適役
独特のシャリッとした肌触りと、通気性の高さ。涼しげなリネン素材は、暑い時期に頼りたい服の代名詞といえるでしょう。速乾性や吸水性も高く、汗による不快感が軽減。リネンはまさに、“天然由来の機能素材”と呼ぶにふさわしい優れモノなのです。
春夏のファッションにリネンを取り入れるなら、やはりシャツが適任です。Tシャツの上に1枚リネンシャツを羽織るだけで、軽やかな印象を保ちながらもコーディネートに奥行きをプラス。しかもリネンは天然素材の中で最も汚れが落ちやく、洗濯に強いという特性を持ちます。前述の通り、乾きやすさもピカイチ。盛夏のヘビロテにも難なく対応します。
デメリットじゃない。リネンのシワも色落ちも“経年変化”だ
長所だらけのリネンシャツですが、独特のシワを気にする向きも。しかし本来は、これすら持ち味の1つです。シワの入った自然な表情がリラックス感を演出する手立てとなり、シャツ本来のカチッとした印象を程良く中和してくれるのです。良い大人の顔にだって、シワの1つや2つあるでしょう。むしろそれを前向きに楽しむ姿勢が、その人を一層輝かせてくれます。リネンシャツにも同様のことがいえる、のかもしれません。
また、リネンは染色しても繊維の芯まで染まりにくいため、色落ちしやすい素材にも挙げられます。しかし、こちらもデメリットではなく、むしろメリットとして捉えましょう。リネン特有のナチュラルな色落ちや経年変化を受け止めて、自分だけの1着を育てるのも一興です。
スタイリングに取り入れるなら。リネンシャツのコーデ見本帳
ここからは実践編。実際にリネンシャツを取り入れた装いの見本を取り上げます。とはいえ、基本はインナーの上に重ね着するだけですから臆することはありません。あくまでラフに、難しいことを抜きに楽しめるのもリネンシャツの長所なのです。
コーデ1
王道のアメカジを、素材のチョイスで新鮮に
デニムライクなトラウザーに、スニーカー。そこにチェックシャツを合わせた王道のアメリカンカジュアル。ただしシャツをリネン素材にすることで、軽やかな印象に仕上がっています。いたって定番の装いも、素材のチョイスで見違えるという好例です。
コーデ2
軽やかセットアップで、インスタントにスタイルアップ
同じリネン素材のシャツとパンツ。つまりはセットアップで取り入れることで、スタイリッシュな装いが即座に完成します。これさえ着れば、あとはTシャツとサンダルを加えるだけでOK。サングラスで味付けすれば、より夏っぽい仕上がりに!
コーデ3
リネンの表情が爽やかさと深みを演出
白いリネンシャツとストライプパンツが、見るからに爽やか。限られた数のアイテムしか使わずとも、シャツに入った独特のシワ感がコーディネートに深みを与えてくれます。ストライプとインナーの色合わせ、袖の折り返しなどの小技も効いています。
コーデ4
カジュアルでも上品なグッドバランス
ややミリタリー的な色使いと上品なアイテムチョイスが、良い塩梅のギャップを生むコーディネートです。プリーツの入ったパンツに、ベージュのリネンシャツをタックイン。サイズ感のバランスも良く、トレンドを上手に押さえています。
コーデ5
今年の夏こそ白Tから白シャツに!
Tシャツの代わりにリネンシャツを使った、夏ど真ん中な大人の装いです。肌触りがドライで通気性が高いため、1番上までボタンを留めても暑苦しさを感じません。白Tのシワはちょっと気になりますが、リネンシャツならそれが逆に味になる。そんな好例コーデです。
大人が手に取るべきリネンシャツのおすすめ10選
最後は、具体的にどんなリネンシャツがリリースされているかをチェック。ここでは、ベーシックな淡い色だけでなく、柄モノやバンドカラーなど10枚をピックアップしました。あなたの春夏の相棒が、きっと見つかるはず!
アイテム1
『MHL.』COTTON LINEN TWIN STRIPE
コットンにリネンをMIXし、高密度に織り上げ。軽快な一方で、しっかりとした生地感を持った使い勝手の良いストライプシャツです。ゆったりとしたボックスシルエットや大きめの胸ポケットなど、ラフな味付けも見逃せません。
アイテム2
『ブルックスブラザーズ』アイリッシュリネン ソリッド カジュアルシャツ
1818年創業の名門らしく、最高峰のアイリッシュリネンを採用。アームや胸囲をやや狭く設定し、オン・オフ問わず活躍するエレガントなシルエットに仕立てました。着るほどに柔らかくなり、風合いを増すさまは、さすがの貫禄を漂わせます。
アイテム3
『ビームス プラス』
定番のギンガムチェックシャツですが、リネン素材のため涼感が向上。清涼感のあるスタンダードな1枚は、暑いシーズンに重宝するはずです。
アイテム4
『レイジブルー』リネン混ロングシャツ
バンドカラー&ロングシルエットという変化球を、リネンとレーヨンの混紡生地で気持ち良く満喫できます。前を開けてカーディガン感覚で羽織ったり、あえてショート丈のアウターに合わせたり、レイヤードも楽しい1枚です。
アイテム5
『マッキントッシュフィロソフィー』リネンオープンカラーシャツ
リネン100%で仕立てられた純白のシャツは、それだけで夏の気分を盛り上げてくれます。本アイテムはディテールにもこだわり、オープンカラーにすることでムード倍増。アームにはスリーブを入れ、動きやすさと独特のシルエットを実現しました。
アイテム6
『グローバルワーク』ハイブリッドリネンプルオーバー7分袖
ゆとりのあるシルエットに7分袖。良い感じに力の抜けたシャツは、プルオーバータイプになることでより新鮮味を増しています。リネンをMIXした混紡素材のためアイロンの手間がいらず、防臭効果も発揮。重く見えないダークトーンは、夏の装いのスパイスに。
アイテム7
『ダントン』リネンスタンドカラーシャツ #JD3607
リネン100%の平織り生地で、ハリ感と柔らかさを両立。形はゆるやかなAラインで、独特の“落ち感”を楽しめます。襟は小振りなバンドカラーを採用し、サイドにポケットが付くなど、ユニークなディテールも見どころです。
アイテム8
『アーバンリサーチ』高機能リネンショートスリーブシャツ
ヨーロッパ有数の紡績メーカー『バードマン』と手を組み、「高機能リネン」を開発した『アーバンリサーチ』。通常は捨てられてしまうリネンの落ち綿を使ったサスティナブルな素材は、接触冷感やUVカット、吸水速乾性まで兼ね備えます。本アイテムは身幅をワイドに、丈をショートに設定し、旬なビジュアルに。
アイテム9
『ユニバーサル オーバーオール』OPEN COLLAR SHIRTS
ブランドらしいルーズシルエットのワークシャツを、リネンの混紡素材でコンフォータブルにリファイン。レーヨンやナイロンをMIXすることで、肌触りの滑らかさとタフネスも手にしました。
アイテム10
『ラコステ』レタージャガードカッターシャツ
フロントにメッセージ入りの開襟仕様というユニークなビジュアル。コットンにリネンをブランドした素材を用い、夏らしい爽やかな質感を手にしました。麻の配合率が低いため、リネンビギナーでもプリントT感覚で気軽に着用できます。
「衣食蹴」をフィールドに活動中
増山 直樹