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県立延岡病院長に就任した 柳邊安秀(やなべ・やすひで)さん

2014年4月24日
 二次・三次救急医療の充実、研修医ら後進の育成。県北を中心にさまざまな役割を担う拠点病院のトップに就き、「患者本位の医療で地域に信頼される病院を目指したい」と見据える。

 最大の課題は医師をはじめとする人員不足だ。同病院の医師は4月1日現在で54人(定数66人)。医療の細分化により専門医の重要性が増す中、決して多くはない定数さえ満たしていない現状にある。「宮崎、熊本大の医局に医師派遣を要請するだけでなく、個人のつながりなどいろんなルートを駆使して医師を確保していく」と力を込める。

 生まれは熊本県天草市。青森県の弘前大医学部を卒業後、地元の熊本大医学部付属病院小児科に入局した。専門は小児血液で、同病院のほか国立病院機構熊本医療センターなどで白血病患者らの治療に尽くしてきた。「病気を克服した子どもたちが社会で働く姿を見るのが最大の喜び」と柔和な笑みを浮かべる。

 2002年に県立延岡病院に赴任し、09年から副院長。12年間暮らしている延岡市の印象は「医者を大事にしてくれる地域」。「県北の地域医療を守る会」を代表するように、コンビニ受診や医師不足といった医療現場の問題と向き合う市民がいる。医療者に感謝の気持ちを伝える活動も盛んで、「患者さんと信頼関係を築き仕事ができると、やりがいも大きい」。

 熊本市の自宅に妻を残し、単身赴任。公舎に帰ると愛犬チャッピー、愛猫のシロとクロが迎えてくれるので「寂しくないかな」。昔から生き物が大好きな60歳。
(延岡支社・菅野健太)

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