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栽培雑記 Vol-4
Sarracenia栽培の工夫
ベランダは食虫植物の楽園
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1.概要
サラセニアは北アメリカの東海岸沿いの平地の湿地に広く分布している食虫植物で、
日本と気候が似ているため、栽培は簡単で、初心者向けのものといえる。
原種はS.leucophylla S.flava S.rubra S.alata S.oreophila S.minor S.purpurea S.psittacina
の8種類だけであるが、自然雑種及び人工交配が無数に存在し、園芸品種としても価値のあるものが
古くから日本で作出されている。
2.栽培の基本
最近はホームセンターなどでも普通に売っているのを良く見るが、置いてある場所はというと
温室や冷房の効いた室内にある場合がほとんどで、元気のない株を見る機会が多い。
近所のホームセンターの店員に「菖蒲と同じですよ」とアドバイスしてあげたところ、早速
外の日あたりのよい場所に移動してくれた。栽培の基本は外に置いてよく日に当てることがまず肝要である。
そして次に鉢の大きさである。親株サイズであれば、間口10cm以上、15cm程度が望ましく、高さも20cm以上あるものを使うと
根が下に伸びで、生育が見違えてしまう。プラスティックでも素焼きでもビニールポットでも何でもよいので、
なるべく大きい鉢を使うことをお勧めする。
コンポスト(用土)であるが、ミズゴケが無難である。ミズゴケは傷み易いが、10鉢程度のコレクションであれば、毎年
植え替えても苦にはならない。しかし100鉢以上のヘビーコレクターはそうは行かない。植替えの手間もさることながら、
ミズゴケも決して安いものではないので、コストも馬鹿にならない。
私はある方の薦めで、スーパーベラボンを使用している。これは通販で100リットルが5.000円程度で購入できる。
これにパーライトの細粒を半々ぐらいの割合で混ぜて、それにゼオライトを20%程度混ぜて使用している。これがなかなかの優れもので
今年の3月にこれに植え替えてから、我が家のサラセニアは見違えるほど良く育つようになったのは事実である。
3年前から水やりはナショナルのタイマーによる自動潅水である。1万円ほどと高価であるが、その効果は計り知れない。
我が家では朝の10時と夕方の3時に3分ずつ給水される。これにより水盤内の水温上昇が抑えられ、同居しているヨーロッパ産のムシトリスミレは冷房不要。D.arcturi,D.stenopetala D.linearis D.anglicaを始め、.Dionaea類やアメリカ産ムシトリスミレもすこぶる調子がよい。さすがにダーリングトニアは失敗したが、もうすこし工夫すればなんとかいけるかもしれない。
水盤も今年から一工夫した。それはホームセンターで90cmx180cmのコンパネを購入し、それは横に半分に切ってもらう。うちの行きつけのホームセンターでは1カット50円でやってくれる。カットすると45cmx180cmの細長い板が2枚出来る。そしてその長さにあわせて、棒も購入し、板の周りに釘で固定。その上に園芸用ビニールを乗せれば、水盤の出来上がりである。これをベランダに2本置いてそこにサラセニアを
並べるのだ。45cmx180cmの水盤なので、水温上昇はかなり抑えられる上に、タイマーで常に新鮮な水が補給されるので、サラセニアを始めとする食虫植物にとっては最高の環境が出来上がるわけだ。
この手作り水盤は、各人のスペースに合わせて自由に作れるし、コストもさほど掛からないので、是非試してみよう。
魚屋さんの発泡スチロールを卒業したら、次はこのステップへ進むべし!_(^^;)ゞ
一正園で販売されている飛鳥シリーズ。
S.flavaも今年よく育ってくれている。red burgundyは筒まで赤く、見事な生育振りである。
また、S.flava heavy red veindも真っ赤な脈が入り、綺麗である。
 S.flava red haevy veind |
 S.flava red burgundy |
2年前に伊勢花菖蒲園で購入してきた交配親不明の雑種。S.catesbaei(S.flava x purpurea)に近いが、筒は20cmほどまっすぐに立ち上がり、蓋はフラバに近いがプルプレアの血を引いてか、ややカウボーイハットのように反り返る。簡単にいうと背が高くならないフラバって感じなのだ。
おそらくS.catesbaeiにもう一度S.flavaが掛かったか、S.catesbaeiのF2かと推測される。
赤い筋が程よく入り、のどもぼんやり赤くなる。これは個人的にも気に入っており、また我が家を訪れた友人も評価してくれているので、これに園芸品種名を付けたいと思う。
園芸品種名 Sarracenia 華厳 kegon TANABE