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栽培雑記 Vol-14
冬のSarracenia栽培-油断は禁物-
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冬の栽培場 |
冬のサラセニアは生育も終わり、見所はないが、管理はしっかりやらなくてはならない季節でもある。
まずは水を切らさない事。特に初心者の方からの質問で結構多いので、気をつけてください。
サラセニアは通年腰水にして、決して乾かしてはいけない植物なのです。
同様に日光にもよく当ててください。そして夏の間に生長した葉を切るべきかどうかという質問も良く来ます。これも見栄えを考えれば、全て切ってしまいたいところですが、高性種は10cmぐらいは残すようにしている。S.purupureaやS.psittacinaなどは切除はしていません。
サラセニアというのは、休眠というより、生育を休止しているだけのような気がしてなりません。モウセンゴケのように完全なる冬芽を形成して越冬するわけではないので、冬でも生育していると考えてます。ですから、葉っぱを完全に切除していしまうと光合成などの活動が出来なくなってしまうので、出来るだけ葉は残すほうが良いと考えたわけです。
次に植替えであるが、生長点が複数あり、株分けできそうな状態であれば、植替えと同時に株分けしてあげてください。また生長点が鉢の隅にあたりそうな場合なども植え替えして生長点を真中にしてあげてください。
植替えの際に長いバックバルブがある場合は、新しい根があるあたりで切除してあげてください。そして切除したバックバルブも埋めておけば春には新芽がでるので、簡単に同系統の苗の増殖が可能です。
最後に種子繁殖であるが、秋に採れたての種子をすぐに播種して、10度前後に加温すれば、すぐに発芽するでしょう。そして半年から1年に一回は植え替えをして、成長を促進させれば、3年で親株に生長します。親株になるまでは冬は加温しつづける事を忘れないでください。勿論加温しなくても枯れはしませんが、親株になるまでの時間が遅くなります。
サラセニアは葉挿し等で一度に大量に同系統の苗を殖やす事が出来ません。バックバルブ伏せの場合も
せいぜい2.3芽程度の増殖です。種子からの繁殖の場合も親株まで仕立てるのに時間が掛かるのが難点です。
さらに交配種の増殖に至っては、種子による場合、例えばS.courtii(purpurea x psittacina)の交配種から採れた種から得られる苗は親と全く同じ系統とは限らない。両親の中間のものもあれば、purpureaに近い系統やpsittacinaに近い系統も出るであろう。ましては3元以上の交配種の種子から得られる苗は様々なバラエティが出る可能性があるのである。
このことは選別する楽しみがある反面、同一系統の苗は一気に大量に殖やせないという欠点でもあるのだ。昔S.キョウカノコの種子から沢山の苗を育てたが、どれ一つとして親株のS.キョウカノコと同じ系統の苗は得られなかった。
上の写真はS.酔泉(yoisen) 伊勢菖蒲園選別