昨今のコロナウィルス感染防止の影響で、テレワークが推奨され自宅で仕事をする人が多くなってきたこともあり、自宅での作業環境を構築する中で家庭内の音をなるべくシャットアウトするために防音室や組み立てられる個室スペースの需要が高まっているようです。
そんな中で僕はそもそもフリーランスでずっと自宅仕事だったので大きな影響はありませんでしたし、なんだったら数年前からご近所や家族に音のことで気を使いたくないということから1.5畳程度の書斎?仕事場?防音室?をDIYして今までもずっとそこで仕事をしていました(笑)
そんな先を行き過ぎていた僕がその個人スペースで非常に困っていたのが温度です。
ツイッターなどを見てみると僕と同じように個人スペース(防音室やテレワーク用の書斎)を作っている方が多くいらっしゃいますが、そのどれもが温度がヤバいと呟いています(笑)
何もしなかったら数十分経つと平気で30℃以上になり、あらゆる手を尽くしても1~2時間すると29℃以下にならなかった僕の書斎兼仕事場環境が最低で20℃程度まで温度を下げることができました。
今回はそんな温度低下を叶えてくれたスポットクーラーのレビューになります。ただ僕がこのクーラーに行き着くまでに色々と試行錯誤したこともご紹介していきますので、同じように考えている方は「そうなっちゃうか」と参考にしてみてください。
まず僕の諸々の環境紹介
木造2階建ての二階に部屋があり、エアコンは付けられない(室外機が置けない)状態です。なので真夏は35℃以上まで室温が上がります。
そんな中に書斎兼仕事場を建てています。この過酷な環境にある掘っ立て小屋をなるべく快適な温度まで下げようとしていたということです(笑)
移動式エアコンとスポットクーラーの違い
書斎や防音室で使用するということは、クーラー本体からでる騒音や熱を考慮する必要があります。
よくツイッターやyoutubeでも移動式エアコンやスポットクーラーを使っている人がいますが、なぜだかみなさん本体を室内に入れちゃうんですよね(笑)
これ全く意味ないです、いくら排気を外に出したとしても、室外の空気を書斎や防音室の隙間などから引き戻してしまう(そうしないと真空状態になる)ことに加えて、本体も熱を発するので、プラマイゼロどころかマイナスです。つまり温度は上がっていきます。
なので狭い個室空間を冷やそうとするのであれば、クーラー本体は必ず外に置く、そして冷気は断熱材入りのダクト等を使って室内に引き込みましょう。
僕は最初安い蛇腹状になっているダクトを購入し使っていましたが、気温が高ければ高いほど滅茶苦茶結露するし、そのせいもあって結構な温度喪失があったと思います。スポットクーラーのご利用をお考えであれば、断熱材が入っているダクト一択です。
このダクトで冷気だけを引き込むという部分で、移動式エアコンとスポットクーラーで大きな差がでてきます、風量です。
移動式エアコンはあくまで使用者と本体が同じ空間、且つ近い距離にいて、直接冷風を浴びることを想定しているので風量がそこまで強くありません。
それに対してスポットクーラーは比較的大きな空間、主に工場等での利用が想定されているので、送風口にダクトが付けられ、めちゃくちゃ風量があります。なので個室空間に冷たい風を十分に送ることができます。
ということで書斎や防音室に利用するにはスポットクーラー一択なのですが、色々なメーカーが出している中で僕はスイデンのこのモデルを選びました。その理由をここから書いていきます。
スイデン ポータブルスポットエアコン SS-16MXW(前モデル)
- 丁度いいサイズと性能のスポットクーラー
- ドレンタンクが付いている
- 排気ダクトが付けられる
- 運転可能条件(温度)が高い
- 温度・風量の調整機能がない
- 排気ダクトが別売り
BADポイントも挙げていますが、基本的には滅茶苦茶良い製品だと思います!
僕が購入したのはSS-16MXWというモデルですが、これは一つ前のモデルで最新のものはSS-16MZWという型番で、若干冷房能力と消費電力が下がっていますが、基本的には同じようなスペックです。
商品の詳細
- 大きさ:幅225mm × 奥行き519mm × 高さ675mm
- 重量:22kg
- ドレンタンク:3L
- 消費電力(50Hz/60Hz):480/590W
- 冷房能力(50Hz/60Hz):1.2kW/1.4kW
- 排気ダクト:口径160mm × 長さ3m
- 動作音(製品から1m・外気温24℃):冷風55dB/送風47dB
※外気温によって大きく変わります
スイデン SS-16MXW の良いところ
冷房能力とサイズの兼ね合いが丁度いい
これより大きいサイズ、よく工場に置かれるような人の胸ぐらいまである大きなスポットクーラーもありますが、あれくらいのサイズになると一般的な住居に置くのはちょっとデカすぎますよね(笑)
またそういうサイズのものは冷房能力も非常に高く、多くが2.0kW以上の性能がありますが、流石に2畳や3畳程度の空間を冷やすのには過剰だと思います。
このSS-16MXWは1.6kW(最新モデルは1.4kW)と狭い空間を冷やすのには十分な性能です。
実際部屋に置くと結構存在感がありますが、それでも一般的なものと比べると小型ですし、重量も20kgはあるんですが、男性であれば何とか持ち上がる重さです。
ドレンタンクが付いている
移動式エアコンやスイデン製ポータブルスポットクーラー以外の製品だとノンドレン方式という除湿された水分を蒸発させるから貯まった水を捨てる手間がありません!というのがあるんですが、僕は個人的に全く信用していません。
このSS-16MXWは使用している環境の温度30℃程度で湿度が60%程度の状態で運転していると容量が3Lのドレンタンクが5~6時間で満タンになります。
まともな冷房能力があるものほど、この除湿水はでるものなので、ノンドレンタイプのものは暑くてそれなりに湿度のある環境では使えないと思います。
またノンドレン方式のものだと「除湿水の蒸発が間に合わないことがあるので、その時は本体に直接ホースを繋いで排水してね」みたいなのがありますが、絶対に使いにくいです(笑)
ほとんどの製品でドレンは本体下部にあることもあって、水を流すにはドデカイ本体を少し高い位置におく必要があります…… なので小さくてもしっかりドレンタンクが付いているものがオススメです。
排気ダクトが付けられる
これは良くない点でも書きますが、排気ダクトを付けられるようになっています…… そうです、付けられるだけで排気ダクトは最初から付属していません……
ただ小型のスポットクーラーだとそもそも排気ダクトを繋ぐような前提で作られていない製品もあったりするので、別売りだけど付けられるだけありがたいですね(笑)
これは次に書く良い点にも繋がりますが、排気ダクトを付けられないと、本体を置いている部屋が滅茶苦茶暑くなります。
そうなると本体が熱を持ちすぎて次第に冷風が出せなくなり、最終的には停止するでしょう。
ただでさえ30℃を超えてくる室内で使おうとすると、排気を窓から外に出すというのはマストなので、ダクト本体が別売りとはいえ非常にありがたいです。
ちなみに僕はスタイロフォーム(30mm厚)を適当な大きさにカットし窓枠にはめ込んで、ダクト用の穴を開けそこに排気ダクトを突っ込んで使用しています。
スポットクーラーの排気ダクトを使う時のコツ
ここで紹介している製品に限らず、スポットクーラーの排気ダクトはなるべく短く、そしてなるべく曲げないことが重要です。くねくね曲げるとそれだけ空気が流れにくくなり、ダクト自体に熱が溜まります。
また排気ダクトは買った状態のまま使いましょう。SS-16MXWの場合冷風ダクトより排気ダクトの方がかなり太くなっていますが、これは熱を排出するのにそれだけ太くないと間に合わないということです。
正規品以外の細い径のものや長いものを使うと熱暴走を起こして本来の性能を発揮できない恐れがあるどころか最悪故障します。
排気ダクトの長さが足りない場合は、純正品と同じ太さか少し大きい径のものを用意しましょう、細いものを繋いで延長するのはNGです。
ダクトの最終的な出口を小さくしたりするのもNGです、ダクトの太さのままの大きさで熱気を排出したいところに出す必要があります。
移動式エアコンよりも高い温度まで稼働可能
冷房能力だけだと1.6kWとか1.4kWなので、同じ価格帯やもう少し出せば移動式エアコンで2.0kW以上の製品がありますが、それらの運転可能条件はほとんど35℃程度です。
つまり本体を置いている空間が熱くなって、35℃以上になると十分な性能を発揮できないということです。
そして僕の環境では35℃くらいまでは結構普通に上がります(笑)
その点SS-16MXWや新型のSS-16MZWは45℃まで運転可能となっています、流石に45℃を超える室温になることはないので、これなら十分性能を発揮してくれます。
この辺りのタフさを含めて、SS-16MXWは家電と工業製品の良いとこ取りみたいな製品ですね。
スイデン SS-16MXW の良くないところ
出力の調整が一切できない
これくらいは流石に付けてほしかったなと思います(笑)
切り替えられるのは送風と冷風だけ!風量も温度も大雑把な変更すらできません!
スポットクーラーでも風量の調節はできるというものが多いですが、この SS-16MXWはその辺りの機能を削って小さくしたのかなと思います。
排気ダクトは最初から付けてください…
せっかく排気ダクトが付けられるという親切設計なのに、なぜかダクト本体は別売りという…
そしてその別売り排気ダクトが結構高いです、約12,000~15,000円程度します(笑)
購入してるから分かるのですが、物自体は全然悪くないです。ペラペラフニャフニャなのにこんな高いなんて!ってことではないんですが、僕が気になるのは製品として十分な性能を発揮するために必要なものであれば、本体価格を上げてもいいから最初から付属させておいてほしいといことです。
実際ネットショップのレビューなどでは、ダクトを使ってないから効果が出てないであろう人が星1~2つの評価をしています。
排気ダクトを買ってしっかり使ってやればSS-16MXWは十二分に役に立つ性能を持っているのに… 非常にもったいないと思いました。
書斎・防音室の温度を下げるためにやったけど意味がなかった試行錯誤
一日中仕事場(書斎兼防音室)にいることを考えると消費電力があまり高くないスポットクーラーはないかと探したところ、除湿機として有名な『どこでもクーラー』が見つかりました。
実際小屋のような場所でも使用されているレビューがあったので、僕も購入して使っていました。
ただ温度が下げられることはなく、人間とパソコンやら照明やらを付けるとどんどん温度は上がっていきました……
実際冷たい風は出てきていたのですが、冷房能力でいえばどこでもクーラーは0.8kW程度、そしてその風を送るのに十分な風量はないこともありあまり意味はありませんでした。
こんなダクトファンまで買って、冷気を送ろうとしたのですが無理でしたね(笑)
クーラー以外で書斎・防音室の温度を下げる(なるべく上げない)工夫
僕が行った中ではパソコンを排気口の近くに置くということが1番効果がありました。
今まではパソコンケースが大きいこともあり、天井付近に置けなかったのですが、ケースを買い替えてかなりコンパクトなものにしたため(このケースも今後ブログでレビューする予定です)、床に直置きから、天井に近い棚に置けるようにしました。
一応僕の書斎兼仕事場の天井には排気用の穴を開けているんですが、パソコンの排気がちょうど排気口に向くように設置しています。
これだけでもかなり温度上昇が抑えられました。当たり前に温かい空気は上昇していきますが、これが床からだと上手く排気口から出ていかないようで、立つとモワッとするような熱気が溜まっていたのが、設置場所を変えてからこのモワッと感がかなり少なくなりました。
僕が使っているパソコンが無駄に熱を放っている可能性があるので、万人がそうだとは思いませんが、やはり書斎や防音室として利用する空間であれば、恐らく1番熱を持つのはパソコンだと思うので、できれば排気する位置に近い場所に置くと温度上昇は結構抑えられると思います。
僕はパソコンを暑すぎる環境に置くのが嫌だったため書斎兼仕事場の中に設置していますが、1番手っ取り早いのはパソコンなどの熱を放つものを人がいる空間と分けて置くことです。
今年の夏はこのクーラーに滅茶苦茶お世話になりました!
狭い書斎・防音室の温度を下げる方法まとめ
- 冷房能力が1kW以上のスポットクーラーを使う
- クーラー本体は外に置いて、断熱ダクトを使用して冷気を引き込む
- 熱源となるものはなるべく外に置く
去年からエアコンの無い部屋に書斎兼仕事場を移設した際に、冬の段階で籠もってパソコン仕事していると普通に30℃近くになってしまい「夏は絶対ヤバい、早く何とかしないと…」 と思って急いで導入して、真夏でも効果があるのか実際に数ヶ月使用してみて、十分に効果があることが身を持って体感できたので、この記事を書きました。
検索すると結構防音室での温度管理に悩んでいる方が多いようなので、そういった方が見ていただいているのであれば是非候補の一つにしてください。
その他この製品に関する質問や、書斎兼仕事場の環境についてわからないことや気になることがありましたらお気軽にコメントください。
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