皆で力を合わせよう
・本ホームページによる情報発信
・全自動PCR装置の導入等による検査体制強化
・iPS細胞関連技術を用いた治療薬・ワクチンの研究開発
・政府AIアドバイザリー・ボードへの参画
パンデミックの一日も早い収束を心より願っております。
三井住友フィナンシャルグループ様のご支援により、30台の全自動PCR装置を導入しました。装置の選定や運用については京都大学医学研究科・臨床病態検査学の長尾美紀教授にご指導頂いています。これらの機器は、大阪府、京大病院および関連病院、大阪市大病院に設置済み、もしくは設置予定です。これらの機器を利用したPCR検査等の結果は随時、公表されます。京大に設置された機器は、京都市内で発生した院内感染への対策等で大活躍しています。大阪でも活用されることを願っています。
京都大学医学研究科・臨床病態検査学
AI・アドバイザリー・ボードの第1回会合が本日、開催されました。このアドバイザリー・ボードのミッションは、内閣府による「AI 等技術を活用したシミュレーション事業」
https://corona.go.jp/simulation/
に対して、専門外の立場からアドバイスをすることです。第1回の会合では、事業に参画するプロジェクトの概要が紹介されました。私たちからは以下の提言を行いました。
AI 等技術を活用したシミュレーション事業への期待と感染再拡大を受けての提言
2020 年 8 月 5 日
AI アドバイザリー・ボード 委員
黒川 清/安西 祐一郎/永井 良三/山中 伸弥
グローバルに情報が公開される時代にあって、新型コロナウィルス(COVID-19)が世界的なパンデミックとなり、国内外のさまざまな学術研究が参照されるとともに、各国のCOVID-19 対策や、医療提供システム、公衆衛生施策などが比較検証されつつある。多大なる貢献を果たしている学術研究者等の専門家に敬意を表したい。このような時代的背景のなか、我が国における各種の対策を、AI シミュレーション等を用いて効果分析し検証していくことは、国内におけるCOVID-19 の第二波、三波に対応するうえで極めて重要であり、「AI 等技術を活用したシミュレーション事業」の開始を決定した西村国務大臣のリーダーシップに敬意を表明する。本事業の推進は、感染症やシミュレーションの専門家等から構成される検討会議と専門家委員会が行うが、我々アドバイザリー・ボードは、①国民目線、②未来志向及び③海外協調を基本的認識として、最大限の貢献を約束する。一方で、本事業の実施が決定された第一波収束直後から、状況は日々変化しており、第一波に対する検証もさることながら、第二波の襲来とも呼べる感染再拡大への対応が喫緊の課題となっている。このように感染者が全国的に再増加している現状に鑑み、本アドバイザリー・ボードのミッションの範囲を超えることを承知の上で、本事業のあり方や本アドバイザリー・ボードの果たすべき役割について、西村大臣に提言を行いたい。
本事業に対する期待
対策効果分析へのAI・シミュレーションの導入に関する検証・提言を行うには、第一に、感染拡大への対策と経済効果への対策のそれぞれ、および両対策の間の関係に関する対策について、国内外においてこれまで取られた対策、およびこれから取られると予期される対策のうち、影響が大きいと考えられる対策をリストアップすることがまず重要である。第二に、これらの対策について、どのようなデータがどのようにして収集され、活用されてきたのか、また、どのようなモデルがどのようにして検討され、活用されてきたのかを検証することが重要である。第三に、第一、第二の分析を踏まえ、各対策の検証・提言について、AI とシミュレーションの導入が実際に効果をあげられるかどうかを検討することが重要である。AI とシミュレーションの手法は万能ではなく、感染症拡大防止と経済効果増強に対してこれらの方法の効果があげられる課題に集中的に取り組むべきである。また、こうした課題に集中的に取り組んでいることをしっかり広報すべきであり、そうでないと、「(現実にはモデル構築やデータ収集の段階で恣意性が多々入る可能性があるにもかかわらず)あたかも科学的にみえてしまう」AI・シミュレーションを導入しさえすればCOVID-19 の蔓延が防止できるかのように、世間が誤解する可能性がきわめて高いと考えられる。第四に、AI とシミュレーション、およびモデル構築には多くの考え方があり、また、超高速のスパコンを用いなくても検証や予測ができる課題は数多くあると考えられる。課題の多様性、データのスパース性、モデルのパラメータ敏感性等を考慮すると、コンピュータのスピードがネックになる応用はむしろ限られており、現在多くの研究者によって進められている手法を迅速に結集するとともにそれらの適切な検証と関連づけを行うことが重要であり、そのためには、多くの研究者が迅速に参加できるプラットフォームを迅速に構築して運用することが考えられる。本事業における「専門家委員会」は、これらの点を重視していただきたい。また、「専門家委員会」はこれらの点に鑑みて重要と考えられる検討課題に焦点を当て、重点的に進めていただきたい。また、今後の研究事業やその検討にあたっては、異なる意見や仮説を持つ専門家を含めたり、海外の専門家にも参画してもらうなど、透明性や多様性があり、科学的に批判的吟味を重ねられる体制構築をお願いしたい。
7月16日
ジョギングエチケットについて、様々なご意見を頂き有難うございます。
これからの季節は特に暑くなります。マスク等をしたまま激しい運動をすることは熱中症などのリスクもあり危険ですので、注意が必要です。私は走るコースや時間を工夫し、人が少ないところで走るようにしています。周りに人がいないときは覆いを外していますが、人がいらっしゃるときにはさっと覆い、人がいなくなったらまた外すようにしています。最近は特に感染者数が増えてきており、不安を抱えている方も多いと思います。周囲への配慮をすることで、ジョギングをする人も、街を歩く人も、お互いに気持ち良く時間を過ごすことができるよう、心がけています。
周りに人がいない時はマスク等は必要ありません。誤解を防ぐため、4月16日に投稿した動画は削除いたしました。
5月1日
下記は、休日の皇居や大阪城など、多数のランナーや散歩をされる方が集中する場所を念頭に置いて提案しています。人がまばらな時のジョギングや、グランドでの屋外スポーツに関する提案ではありません。しかし、周囲にたくさん散歩の方がおられる時は、エチケットととしてマスク等を着用することにより、お互いに気持ち良い時間を過ごすことが出来ると思います。夏用の涼しい製品も販売されています。これからは特に蒸し暑くなっていきます。私は走るコースや時間を工夫し、周りに人がいないときは覆いは外し、散歩の人等がおられるときはさっと覆うようにしています。
4月16日
外出自粛が続いていますが、時々のジョギングや散歩はOKと言われています。以前より、ジョギングをする人が増えているようにも思います。新型コロナウイルスは感染しても多くの人は無症状です。発症する場合も、潜伏期にすでに感染力があると考えられています。ジョギングできるくらい元気でも、実は感染しているかもしれません。走って大きな息をするときは、咳やくしゃみと同じように周囲への配慮が望まれます。マスク、もしくはバフ、ネックゲイター等でジョギングエチケットを心がけましょう。
7月16日
感染者の増加が続き、残念ながら第2波と呼ばざるを得ない状況となってきました。第1波とは異なり、感染者の多くは若者で、重症者も限られています。しかし、感染拡大の傾向を止めなければ、感染者が高齢者に広がり医療現場への負担が急増する可能性があります。感染を抑えながら社会経済を動かすという非常に難しいかじ取りが求められています。しかし今は、感染阻止の方向にかじを切る必要があるのではないでしょうか。
7月2日
緊急事態宣言後、いったんは減少していた感染者数が再び増加しています。今、私達が見ているデータは、約2週間前の状況を反映しています。今のところは感染者の多くは軽症者で医療現場への負担も少ないようです。しかし、この2週間で私たちの行動がさらに緩和しているとすれば、さらに感染者が増えてしまうかもしれません。自分を、周囲の大切な人を、そして社会を守るため、自分たちの行動を見つめなおす必要があります。
5月26日
緊急事態宣言が全国で解除されました。東京でも一日の感染者は一桁となり、関西ではゼロの日も多くなっています。国民それぞれの努力の成果です。しかしウイルスが消失したわけではありません。油断するとすぐに勢いを取り戻します。今はまだ青信号の状態ではなく、黄色の点滅信号、すなわち注意して進め、の状態です。賢い行動を粘り強く続け、ウイルスとの共存を図りましょう。
4月3日
感染者の急増で医療現場に負担がかかっています。私達は普段、社会に守られています。社会を支える人々に守られています。医療、介護、物量、公共交通などを担うエッセンシャルワーカーの方々です。これらの方々は、感染の恐怖と戦いながら社会を支えておられます。今、私たちに出来ることは、ステイホームを出来るだけ実践し、感染拡大にブレーキをかけることです。国や自治体からの指示を待つことなく、自ら賢く行動し、社会を守る必要があります。
3月26日
例年より早いですが、桜の開花が進んでいます。いよいよ春ですね。
皆さんにお願いがあります。今年のお花見は、人混みは避け、近くで咲いている桜の周りを散歩するだけにしてください。
多くの人が集まり、座り込んで宴会したりするのは、屋外であっても飛沫や接触感染のリスクがあります。ウイルスはすぐそこにいるかもしれません。感染すると、自分は大丈夫でも、周囲に広がって、リスクの高い方には生命の脅威となります。
桜は来年も必ず帰ってきます。もし人の命が奪われたら、二度と帰ってきません。1人1人が油断せず、万全の対策を取って頂きますよう、お願いいたします。(研究所における所長便りより抜粋)
3月14日
春の高校野球の中止が決まりました。出場が決まっていた選手達が「夏を目指します」と気丈に話す姿に、心を打たれました。中止の理由は選手の安全を守るため、と報道されています。しかし、もしこの世の中に高校生しかいなかったら、新型コロナウイルスによって甲子園や高校総体が中止されることは無かったと思います。このホームページでは、新型コロナウイルスが、季節性のインフルエンザなどこれまでの感染症とどう違うのかを、お伝えしていきたいと思っています。
新型コロナウイルスとの闘いは短距離走ではありません。1年は続く可能性のある長いマラソンです。自分を守るため、大切な人を守るため、そして社会を守るため、一人一人が賢い行動を我慢強く続ける必要があります。
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研究者・臨床家として新型コロナウィルス感染症に関わる山中、押谷、長谷川、大曲の4名は、新型コロナウィルスのすべての感染者と、予防や対処がとりわけ難しい医療従事者や医療施設に対する偏見や差別が広がっている日本社会の現状を憂慮し、報道機関への協力と協働を求める「新型コロナウィルス感染症対策に関する、研究者・臨床家から報道機関への要望書」を、2020年4月24日、一般社団法人日本新聞協会、ならびに一般社団法人日本民間放送連盟に提出しました。
二つの団体におかれてましては、問題の重大性と緊急性を真剣に受け止めて頂き、二団体合同のワーキング・グループを設置して頂きました。その後、ワーキング・グループと私共4名を含む専門家と二度の意見交換の機会を設けて頂き、2020年5月21日、二団体による「新型コロナウイルス感染症の差別・偏見問題に関する共同声明」を公表して頂きました。迅速なご対応に深く感謝申し上げます。
新型コロナウィルス感染症の問題はこれからも続きます。感染者や感染施設に対する差別や偏見の問題もすぐにはなくならないと考えられます。報道機関の方々と、私たち専門家が、感染者や感染施設に寄り添い、みながともに手を携えて生きることのできる、やさしい社会を実現できるよう、引き続きのご協力とご協働を、あらためてお願い申し上げます。
2020年5月22日
山中伸弥(京都大学教授)
押谷仁(東北大学教授)
長谷川好規(名古屋医療センター院長)
大曲貴夫(国立国際医療研究センター国際感染症センター長)