感染拡大の沈静化、「首都圏が鍵」と尾身氏
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は21日、西村康稔経済財政・再生相と共に記者会見し、首都圏を起点に感染拡大が全国に波及しているとして「首都圏を沈静化させないと全国の感染を沈静化できない」と述べた。また、飲酒の有無や昼夜を問わず飲食を介して感染が広がっているとして対策の徹底を呼びかけた。
政府が感染拡大地域での集中的な対策を求めた「勝負の3週間」の効果にも言及し、感染が減少した地域がある一方、高止まりや拡大が続く地域もあると指摘。個人的な見解としたうえで、感染が減少した地域として北海道、高止まり地域として大阪や名古屋、拡大が続く地域として東京を挙げた。
そのうえで、東京のように感染拡大が続く地域では忘年会や新年会は基本的に見送り、帰省も延期を含めて慎重に検討してほしいとした。他の地域でも5人以上の忘年会や新年会は控えるよう求めた。
尾身氏は「こうした感染対策の急所を押さえられれば、社会活動を抑制しなくても感染を収束方向に向かわせることは可能だと思う」と述べた。
西村氏も「焦点を絞った感染拡大防止措置と医療機関への支援を強化して、何としても緊急事態宣言を回避すべく都道府県知事と連携して取り組みを強化したい」と述べた。