村上春樹氏 [中央フォト]
22日の朝日新聞によると、村上氏はこのインタビューで、「コロナ禍は何もないところから突然出てきたものではなく、経済のグローバル化やポピュリズム、インターネットやSNSの発達といった動きと切り離せない」と述べた。
新型コロナで生じた混乱を単純に感染事態と見るのではなく、社会と政界の長い問題と結びつけて考えてみるべきということだ。
実際、メディアへの露出を避けてきた村上氏は最近、各種インタビューを通じてこうした懸念を表している。これに先立ち7月、村上氏は毎日新聞のインタビューに応じ、「新型コロナなど一種の危機的状況にある場合には、例えば関東大震災の時の朝鮮人虐殺のように、人々が変な方向に動いていく可能性がある」とし「そういうのを落ち着かせていくというのはメディアの責任だと思う」と話した。
リベラシオンのインタビューでは特に政界に向けて警告の声を高めた。村上氏は、政府や政治家が自分たちの利益や権力の維持に都合のいいような政権運営をした場合「この方向に行ってはいけない、と言うのが科学者や研究者の役割だ」と述べた。
この発言は、新型コロナのような社会的混乱を利用して政治的な利益を得ようとする政治勢力を遠回しに批判したと解釈される。村上氏は「SNS上で交わされる言葉や言論が貧しくなっている」とし「批判を受けたら(それには応えず)別の批判を投げ返している。方法として恥ずべきことだ」と指摘した。続いて「日本の首相さえそうやってふるまっている」とし「自分の中に何をもっているのか、明確に説明しなければいけない」と強調した。
これをめぐり、安倍晋三前内閣と菅義偉現内閣が国難を口実に不利な問題を回避しようとする姿を見せた点を指摘したのではという解釈が出ている。
安倍前首相の場合、在任中「桜を見る会」の行事に出席した支持者の参加費用を補填した疑いで検察の事情聴取を受けたが、自身は知らないという立場を固守している。また、菅首相は10月、政府の政策に批判的な見解を明らかにした学者を日本学術会議の会員に任命することに拒否権を行使し、論争の中心に立った。その一方で詳しい説明なく「学問の自由と全く関係ない」とし、「日本学術会議を行政改革の対象として組織を見直す」という方針を明らかにして非難を受けた。
この記事を読んで…
最新記事
- 韓国首相「ヤンセンのワクチン4-6月期から接種」としたが…疾病管理庁は「細部計画策定中」 2020.12.24 18:13 5
- 韓国KOSPI2806.86…終値基準で初めて2800突破 2020.12.24 18:13 1
- 「電気自動車好調」テスラ40万台突破…現代・起亜自動車は世界4位 2020.12.24 18:12 3
- 韓国歴代大統領、全員レームダックの罠に陥った 2020.12.24 18:10 3
- 【コラム】政治指導者が風車に飛びかかれば国民が不幸だ(2) 2020.12.24 17:16 6
- 【コラム】政治指導者が風車に飛びかかれば国民が不幸だ(1) 2020.12.24 17:15 7
- LGエレクトロニクス、自動車部品世界3位のマグナと合弁…時価総額4.5兆ウォン増加 2020.12.24 17:14 2
- 韓国野党「ワクチン導入していれば文大統領の1号接種を卓賢民が演出したはず」 2020.12.24 17:13 2
- KOSPI指数が取引時間中に2800超え…史上初めて 2020.12.24 15:44 2
- アストラゼネカのワクチン、英国で承認迫る…「クリスマス直後にも出そう」 2020.12.24 15:43 3
総コメント数 10件
ログイン:アカウント選択