<見落とし修正しました

↑こいつはサムネ用の画像。ゲ君です。

 

 

色々とあんまりいい方向で話題になってないように見えるゲートルーラー。

ゲーム性だとかプロモーション面でいろいろ思うところがありますが、「イラストの引用」について推測が多い話どまりとなっている為、ある程度正確な数字として出せるように、どれが引用で、どれが引用じゃないかが分かるようにしてみました。

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まえがき(一切読まなくてもいい部分)

早い話これを作るに至った経緯という名の愚痴です。飛ばしても問題ないです。

 

 

:公式Twitter文より引用

「ゲートルーラーでは、絵師様から既存イラストの使用許諾を得るという、今までにない新たな手法をとっております。 勿論、それは一部であって、ほとんどのイラストは新作ですが、この方策により、絵師様の名画を再び多くの方々の目に触れて頂く機会を創出しております。

例えば、前述の添付画像は、タカヤマトシアキ様のイラスト集からご使用許可を得たもので、カードが待ちきれない、という方は今すぐにでも、イラスト集をご購入頂けます。」

 

悪く言えば使い回しですが、過去に埋もれてしまったイラストを最新作として手に取ることができる機会というのは、イラストレーター自身の画集や画展くらいしかなかなか無いため、イラストレーターのファンとしては良いきっかけになるかと思います。

大半の引用元であるFOWはDCGのクリプトスペルズやTCGの魔法少女ザ・デュエルに散々使い回されていますが

 

僕はFOWのイラスト周りのファンであったので、ここからイラストレーターのファンとなり作品を楽しんだり、FOWの存在を知るきっかけになってくれればいいなとか思ってたわけです。

 

しかし、カード名や設定もそっくり変えてリリースするという発表を見て懸念していたことは、そのまま起こってしまいました。

 

・カードに印刷されている情報にもカードリストにも既存かどうかを判別する手段がどこにも無い

・商業作品として出してないイラストは完全に無表記

 

じゃあなんで引用元の作品でも楽しめるとアピールしたの?

 

ごもごもしました。

ならガイドブックには掲載されているんでしょうか。ちょっと買おうか悩んでいます。

 

 

とはいえ実際ゲームの業界では描き下ろされていないイラストを特に表記なく使用する例は珍しくないし(カードゲームの括りで見ればシャドウバースとかそうですね)、前述のとおりFOWはわりかし使い回されてる側だったりするので、借りること自体を問題だと取り上げているわけではありません。

カードゲームの強みである、絵単体では創れない、ゲームをプレイすることやカードの集合で織りなす世界観構築やキャラクターの魅力、というのも既存のイラストを使うと(それぞれの世界観がぶつかり合う都合)難しくなるのですが、そういうハードルをそのままにしてなんだかどういう世界観かがとっ散らかってよくわからない有様。

クロスオーバーTCGを例に挙げたという弁明があったと小耳にはさみましたが、あれは権利表記もしっかりしてるしそれぞれの軸の世界観が干渉していない以上そもそも全く見当違いな話です。

何故巨大自立型メカが無整備の現代東京を跋扈しているのか?

昭和や平成初期の古めかしい近未来と近代のディティールが細かく発光が多い近未来がなぜ混在しているのか?

そもそもなぜメカや妖怪の類がなぜどの勢力にもいるのか?技術や伝承は全ての世界で共通している概念なのか?

全部解決する必要はないですが、そもそも公式サイトにも世界観やストーリーの項はないのでなにもわからない。

Twitterを探してみても、デザインがごった煮になっている理由付けになる部分は見当たらない。中途半端に触れるなら世界観にスポットをあてずにキャラゲー方向にすれば良いのにね

アピールポイントとして使っておいて適当な世界観構築で絵が綺麗でかっこいい世界観のTCGという顔してるんか…中古の服を新作の服って売り文句で売ってるのを見ている気分

そういうのを整備してからイラストやフレーバーテキストの深みをアピールしてくれよ!ねえ!

ながったらしい愚痴はこのくらいにして、本題に行きます。

 

 

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結局何枚引用しているの?

ここが一番憶測が多い部分であり、おおよそ正確な数字を出せるのが元々かなりの少数であるFOWプレイヤーであるため、その枠組みの一人である自分が集計してみました。
 
結論から言うと、「既存のイラスト」の使用は半分は超えていません。
そのため、大半が既存イラストであるという指摘は間違っていることになります。
 
 
現在(2020/12/20)判明分のカードで、シルエットとなっているルーラー6種を含め、少なくとも
178種類中69種類が既存イラストです。
だいたい3分の1ちょっとですね。
※12/20 177種中66種から更新。 
  ???(シークレット)1種を総数に追加、加えて見落としや頂いた情報を元に既存イラストも追加。
  情報ありがとうございます。
 
集計はTD、第一弾の収録カードと、イベントや購入特典のPRで確認できるもので、かつ自分が知っている範囲のイラストがどれだけあったかで集計しました。
一人で探しただけなので実際はもう少し多い可能性もあります。ノーヒントで全部探すのは難しすぎるからね…

とはいえ、半分は超えていないので「既存イラストは一部」は正しいですが、「ほとんどが新作イラスト」と表現するのはあまり正しくないですね。
こういう間違ってないから誇張してもいいでしょ、というスタンスは引っかかります。すごく

 

 

・レアリティ別集計

各レアリティごとに見ていきましょう。
:???(シークレット)
 1種中1種
:★★★★、★★★★L
 23種中14種
 (★★★★17種中10種、★★★★L 6種中4種)
:★★★
 17種中9種
:★★
 24種中5種
:★
 63種中22種
ブースター全体:134種中51種
 
:TD収録
 34種中11種(17種×2の内、「妖怪&巨大ロボ」が2種、「魔竜召喚」が9種)
:プロモカード
 10種中7種(先行販売1種、発売記念5種、店舗大会1種(上位賞がパックと同じカードなので除外)、ハイレアリティパックカートン特典1種、本特典1種、第二弾先行配布カード1種)
PRもないしTDがソートできなくてちょっと不便だった
 
ブースターのレア枠で区分すると、
:★★★以上
 41種中24種
:★★以下(ノーマル)
 87種中27種
と、レアリティが高くなると既存イラストの割合が高くなる傾向があります。
 
せめて高レアリティはオリジナルで勝負してくれ、とすごく強く思いますが、世界観導入のために多く排出されるノーマルカードを多めにオリジナルにして慣れてもらうという戦略であれば低レアリティがオリジナル多めの割合なのは間違いではないとは言えます。
とはいえまるで第2弾のようなみんなご存知スタイルでフレーバーテキストが展開されてるカードが多いから世界観がすっとはいってこないとは感じた
 
プロモーション戦略として高レアリティを多く出す必要があったために、結果的に目立って露出したカードがオリジナルイラストの割合が少なかった、という印象になってしまったのは良くなかったかもしれません。
 
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元絵があるカードたちの紹介

どれがオリジナルじゃないんだよ!という部分が重要なので、以下は元絵とカードを並べていきます。
 
気分で元イラストやイラストレーター、元のカードに関するちょっとした小話も挟むので、イラストレーター様に興味を持って貰えたり、TCGのイラストに注目するユーザーが増えてくれるといいなとも。
今はスカスカですが、気分で追記するかもしれません。
暇な方は読んでみてください。
 
ここからは補足という名の蛇足なので、見る必要はどちらかというとないです。
 
カード名でググったらここが出てきたんだけど!となってしまうのを避けるため、ゲートルーラーのカード名は表記を省略します。
(引用元がPixivとなっているものはリンクを記載していますが、文字数制限の関係で同氏2枚目以降のイラストは直リンクになっていません。気になった方はコピーペ―ストで飛んでください。)
 
 
12/20 同イラスト別カードのシークレットを追加。
ファイナルレッドドラゴン。
TCGショップ「カードキングダム」様のイベント景品として配布されたサプライの為に描き下ろされたイラスト。
原作者やスタッフが貴店の重要な役職を兼任、経験している深い縁があるため、第一弾の顔として、公募により名前を一新し当イラストが使用されています。
イラストレーターはタカヤマトシアキ先生。
デュエル・マスターズやヴァンガードはじめとし、TCG界隈ではドラゴンイラストの大御所とも呼べるくらい知名度が高く、多くのパッケージイラストを飾っています。
とにかく緻密でカッコイイテイストのイラストが多く、氏の手掛けたカードは総じてイラスト人気が高いです。
 
:FOWより
Wrath of the Flame God。
FOWは日本では撤退していますが、海外では元気にやっています。そのため一部カードは日本語版はありません。
どうやら、第一弾から日本で撤退した次の次の弾(23弾)までのイラストから引用しているようです。
 
光の魔石の化身。
FOWにも同名のルーラーという、MTGでいう統率者のようなカードがあります。
こっちのルーラーは両面カードで、ゲームの外でプレイヤーをサポートする能力を発揮し、一度だけ指定コストを払うと裏がえり場に出て、強力なユニットとして戦ってくれます。
このカードは「~の魔石の化身」という各属性のサイクルなので他にも4種類仲間がいます。
 
元はリミテッド専用カードのうちの一枚。色事故を緩和する能力と、サブデッキを使用可能にする能力を持っています。
能力に差異がある3種類を組んだデッキに応じて選ぶ形式で、3種のフレーバーテキストを繋げるとストーリーの前日譚となります。
また、1~3弾までの世界の来訪がテーマとなっていたパックの特典として登場し、「3種のカードが1~3弾のパック名を冠した名前であり、それぞれ順にこの世界の物語を綴る」というフレーバーに富んだカードになっています。
 
 
 
イラストレーターはショースケ先生。
デュエル・マスターズやバトルスピリッツでもイラストを手掛けています。
紫や黒を基調としたダークなイラストが多く、ゲームのラスボスのようなカッコよさがあるモンスターイラストを多く描かれています。

 

 
 
https://www.pixiv.net/artworks/61531278

 

 

 

みんな大好き天雷。
MTGでいう稲妻とほぼ同じ効果で使い勝手も同じぐらい高かったので、長く愛されていました。
カードではありませんが、主にスターターデッキプレイフィールドで使われていたイラストです。
ストーリー、世界観導入のための世界地図のようなもの。時系列で言うとこれの前には右側の物騒な侵攻のない平和な風景のイラストも存在します。
となるとこのイラストの地形や建物はゲートルーラーの設定と全く関係ないもので世界観説明してるわけなんですが、ウォルナーが一番イラストの引用が多い勢力で必然的にFOWに寄ったテイストになっているのでなんかそれっぽい感じになってます。
 
ハデスが影になっちゃった…
 

https://www.pixiv.net/artworks/62386195

 

 

 

 

FOWのストーリーでも重要な立ち位置だったキャラクター、アリス。
「すべての種族を持つ」能力を持っていますが、「種族の種類分ステータスを上げる」カードがこれを参照するとゲームに存在するすべての種族をカウントしてバグみたいなステータスの上がり方をするというトンデモ裁定になったために、このカードの登場で総合ルールに種族一覧の項が追加されました。
 

https://www.pixiv.net/artworks/45371084

 

 

 

 

 
 
マンガ作品「スタジオ秘密基地劇場」より、2話扉絵。
キャプチャ画像を自前で用意するのはアレなので省略。
気になった方はマンガ図書館Zで読めるよ!読んでみてね
 
イラストレーターは七原しえ先生。
和のテイストと独特の雰囲気、緻密ながらもまとまりのある美しさを放つイラストが使用されています。
 

https://www.pixiv.net/artworks/74486444

 
 

 

https://www.pixiv.net/artworks/74015409

 
 

 

https://www.pixiv.net/artworks/72273634

 

 

https://www.pixiv.net/artworks/82651421

 
 

https://www.pixiv.net/artworks/42686891

 
・マンガ作品「スタジオ秘密基地劇場」より、1話22ページ目
元々がモノクロ漫画の1コマなので、オーマイガーも共に、FOWで多くのイラストを手掛けている佐々木光之介先生が彩色を施しています。
 
 
TDとノーマル(再録)だったカードが★4に大出世したね…!
 
箱が猫に進化しました。
猫に該当するカードはFOWにあるんですがそっちは使われませんでした。

https://www.pixiv.net/artworks/59617229

 

イラストレーターはlack先生。ヴァンガード、ウィクロス、デュエルマスターズ等でも描いており、Fate/grand orderでもサーヴァントのキャラクターデザインを手掛けているなど、TCGに限らず広く有名なイラストレーターです。
氏のイラストは特に青や紫の使い方がとても美しい。必見です。
現状リリースされているカードの中でlack先生の唯一のイラストですが、描き下ろしではありません。
第2弾では新規イラストが登場するそうです。楽しみですね。
 
背景の円盤もFOWではカード化しています。どうせなら一緒に出してあげたらフレーバー的に深みが出たのになあとも。
 
 
TD(スターターデッキ)収録
https://www.pixiv.net/artworks/42686891
さっきも見ましたね。
 
https://www.pixiv.net/artworks/60565883
 
 
画像は登場前にライフを支払ってステータスが決定するテキストになっていますが、エラッタ前は場に出てからライフを支払う効果が発動したため、効果が解決する頃には墓地に送られている(発動時はステータスが決定していない=攻守0だったため死ぬ)というガバガバ効果でした。
 

https://www.pixiv.net/artworks/64250502

 
 

 

 

 
https://www.pixiv.net/artworks/64287855

 

 

https://www.pixiv.net/artworks/73060589

 
 

FOWの為に描き下ろされたカード。
…のはずでしたがカード化されていません。(多分)
「作者自身が仕事絵としてイラスト先に出しちゃった…でもよく見たら描いた表記の年が2年前だからなんだろうこのイラスト?」となった記憶。
 

過去のカードのリメイクカードキャンペーンの為に作られたPRカードのうちの1つ。リメイク前には存在しなかった共通能力の追加と、パワーの上方修正がされています。

指定のシングルカードを集めて送ると対応したPRがもらえる…というアイテムで限界突破するゲームみたいなキャンペーンでしたが、指定カードにRやSR(最高レアリティ)が多く含まれていたり、マイナーTCGである以上シングルカードの入手手段が少なかったため、交換できた人は限られ、少数しか存在しません。

日本語表記のカード画像も存在しますが、カードは英語版のみ。

 

PR(プロモカード)

12/20 ドレイクとギアゴーレム追加。

ちなみにヤマタノオロチが魔法少女ザ・デュエルから引用されてる的なツイートをどこかで見かけましたが、あちらもFOW産のイラストを使っているだけで、あちらから引用されたカードはありません。

 

 

 

 

 

 

以上69種類の紹介でした。

 

 

 

 

・おわりに

実際の割合が分からないまま「ほとんどが既存のイラスト」という意見をちょいちょい見かけたので自分で検証してみました。
だいたいの数字が分かったのでちょっとすっきり。
個人で調べたに過ぎないので、多分まだ知らない元ネタがあるかもです。
漏れがあったら教えてね。テレパシー、伝書鳩、電報、信号旗でお待ちしてます。
 
だいたいが引用だけで終わらずに同じイラストレーターが別の新規イラスト手掛けてるので、是非手に取ってカードイラストを楽しんでね。
 
でもFOWから綺麗なイラストが沢山使われてることも忘れないでね(本音)
 
更新履歴
12/20:リプライにて指摘いただいた、引用イラストの修正、シークレットの追加。総数/既存をそれぞれ+1/+3。
    ついでに誤字や細かな言いまわしを修正。文字数制限の関係で更新の度に漏れている本音がちょっとずつ消えていきます。話をいちいち折るから恥ずかしいのもある。