能無し刻印使いの最強魔術〜とある魔術師は来世の世界を哀れみ生きる〜
EP.17 魔術師は試験を受ける《その1》
やがて全員が集まったのかグループ分けが施された。大きくわけて赤と青、ふむ、まぁ無難な分け方と言えるだろう。
「クルシュ君何色だった?」
「赤だ」
「あー、私青だった」
「そうか、まぁ頑張れよ」
「もちろんよ!」
そう言って別れた。まず俺達が案内されたのは教室、どうやら筆記試験が先らしいな。
「そんじゃ、始めるから席につけー。まぁカンニングなんて姑息なことしたやつは即刻退場だからな〜」
と、白衣を着た養護教論らしき人物の声の元、開始された。内容は、ふむ、『数式計算』、『魔法理論』、『魔法工学』.......か、あと少々の歴史も、だな。.........なんだこれは、簡単すぎるだろう。もう少しまともなところだと思っていたんだがな、こんなの前世の暦の8歳の子どもでも知っていたぞ。
(なんだこれ...........)
問:終
太古の文明、魔術にて栄えたセナビアですが、その中で魔王と謳われた伝説の魔術師を答えよ。
(............待て、これ俺だよな?完全に俺だよな?歴史の文書を読んでいたが俺よりも逸話を残したヤツいなかったしな。..........なんとも恥ずかしいが仕方ない)
仕方ないので俺の本名、アストと書いておいた。ここまで恥ずかしいことは無かったぞ、本当に。
その後何度思い返してみてもやはり記憶にはない。これで間違っていたらそれはそれで遺憾だがそれは仕方ないと割り切ろう。
「おーし、んじゃそろそろ時間な〜。鉛筆置けよ〜」
まぁ筆記は問題ないだろう。さて、次は魔法試験か?.........アリス、しっかりやってるんだろうな........?
「はーい、次は魔法試験でーす!そこにある魔道具から適当なのを取って使ってくれても構いませんし、持参したやつでもいいですよー!」
次に連れていかれたのは芝生が広がる中庭のような所だ。的が3つ、それ以外は何も無い。
まぁ要するに魔法を放って審査員がそれを見るという感じだ。
「あ、的壊せたら満点ですからねー!」
つまり壊せない作りのようだ。事実あの的には《魔法抗壁》と《鉄壁》の付与がされてるからな。まぁこの程度の低レベルな付与なら壊すことも造作もないが。
「我が目の前にて集まり、収束し...........」
ああ、もう聞いているだけで頭が痛くなる。本当に勘弁して欲しいんだが。
そして放った魔法は的に当たったが的に一切の傷は見られない。さらに炎系統の魔術であったにも関わらず焦げてもいない。
「はい、次の方ー」
おいおい、嘘だろ。あの程度の付与なら俺が5歳の時でも壊せるぞ.........。本当にこの世界の魔法は低レベルな物ばかりだ.........。後でアリスに聞いておくか、壊せたか壊せなかったか。
「はい、次........」
「言われなくても準備できてるわ」
啖呵を切って前に出たのは見覚えのある少女だった。朱色の髪をたなびかせるその女、先程俺達に突っかかってきた女だ。きめ細かい白い肌を持ち、ワインレッドの瞳は真っ直ぐ的を見据えている。
「始めてもいいのよね?」
「はい、どうぞ」
すると腰に差してあった刀身が赤い剣は恐らく魔道具だ。その魔道具を一閃、現れた炎の剣戟は的に命中するなりヒビを入れた。
なるほど、第5位階魔法『紅蓮斬』か。まぁ悪くは無い、スピードも然り、威力も然り、中々のやつもいたんだな。
「す、すげぇ!ヒビを入れたぞ!!」
「あ、あいつ天才か!?」
「あいつ真紅の刻印だろ!?それであそこまでって.........」
などと口々に評価しているが鬱陶しい気持ちを前面に押し出して中に戻って行った。...........今こっちを見たな。
そこから次々と進むも、あれ以来的に傷が入った形跡などなく進み、最後に俺は呼ばれた。
「えっと、受けます?」
「もちろんです」
まぁ聞いてくるのはもちろんだ。その上で醜態を晒すなどと思っているのだろう。まぁ根底から覆してやるよ。
「おいおい、あいつ何やってんだ?詠唱は?」
「あいつ星宝の刻印だろ?無理無理、魔法なんか使えないって」
さて、どれで行こうか。ここは無難に火炎球でいいか。まぁオークの集落の時みたいに失敗はしない。さて、そろそろ魔術を起動させるか。
「お、おい見ろ!あいつの手に火の玉が!」
「嘘だろ!使えないはずじゃないのか!?」
まぁ的は3つあるし3つともでいいよな。さて、周りはどんな反応をするだろうか。別にどう思われようがほとんど興味などないが。
「ところで一つ、道っていうのは自分で切り開く物だ。そこで1つ、俺がお前達に享受してやろう」
放った魔術はそのまま3つの的全てに命中し、的を吹き飛ばした。地面は、その魔術が通った所だけ土が抉れている。
「俺が放ったまじゅ.........魔法のあとに文字通り道ができただろ?これでまたひとつ賢くなったな、良かった良かった」
「な、なんであいつが某奇妙な冒険の第3部の名言知ってるんだ!?」
「少し違うけどだいたいそうだよな!?あれ!」
さて、何を言っているのか。まぁ別に興味などないんだがな。これで星宝の刻印が魔法を使えると分かっただろう。まぁ魔法と言うより魔術なんだが。
「クルシュ君何色だった?」
「赤だ」
「あー、私青だった」
「そうか、まぁ頑張れよ」
「もちろんよ!」
そう言って別れた。まず俺達が案内されたのは教室、どうやら筆記試験が先らしいな。
「そんじゃ、始めるから席につけー。まぁカンニングなんて姑息なことしたやつは即刻退場だからな〜」
と、白衣を着た養護教論らしき人物の声の元、開始された。内容は、ふむ、『数式計算』、『魔法理論』、『魔法工学』.......か、あと少々の歴史も、だな。.........なんだこれは、簡単すぎるだろう。もう少しまともなところだと思っていたんだがな、こんなの前世の暦の8歳の子どもでも知っていたぞ。
(なんだこれ...........)
問:終
太古の文明、魔術にて栄えたセナビアですが、その中で魔王と謳われた伝説の魔術師を答えよ。
(............待て、これ俺だよな?完全に俺だよな?歴史の文書を読んでいたが俺よりも逸話を残したヤツいなかったしな。..........なんとも恥ずかしいが仕方ない)
仕方ないので俺の本名、アストと書いておいた。ここまで恥ずかしいことは無かったぞ、本当に。
その後何度思い返してみてもやはり記憶にはない。これで間違っていたらそれはそれで遺憾だがそれは仕方ないと割り切ろう。
「おーし、んじゃそろそろ時間な〜。鉛筆置けよ〜」
まぁ筆記は問題ないだろう。さて、次は魔法試験か?.........アリス、しっかりやってるんだろうな........?
「はーい、次は魔法試験でーす!そこにある魔道具から適当なのを取って使ってくれても構いませんし、持参したやつでもいいですよー!」
次に連れていかれたのは芝生が広がる中庭のような所だ。的が3つ、それ以外は何も無い。
まぁ要するに魔法を放って審査員がそれを見るという感じだ。
「あ、的壊せたら満点ですからねー!」
つまり壊せない作りのようだ。事実あの的には《魔法抗壁》と《鉄壁》の付与がされてるからな。まぁこの程度の低レベルな付与なら壊すことも造作もないが。
「我が目の前にて集まり、収束し...........」
ああ、もう聞いているだけで頭が痛くなる。本当に勘弁して欲しいんだが。
そして放った魔法は的に当たったが的に一切の傷は見られない。さらに炎系統の魔術であったにも関わらず焦げてもいない。
「はい、次の方ー」
おいおい、嘘だろ。あの程度の付与なら俺が5歳の時でも壊せるぞ.........。本当にこの世界の魔法は低レベルな物ばかりだ.........。後でアリスに聞いておくか、壊せたか壊せなかったか。
「はい、次........」
「言われなくても準備できてるわ」
啖呵を切って前に出たのは見覚えのある少女だった。朱色の髪をたなびかせるその女、先程俺達に突っかかってきた女だ。きめ細かい白い肌を持ち、ワインレッドの瞳は真っ直ぐ的を見据えている。
「始めてもいいのよね?」
「はい、どうぞ」
すると腰に差してあった刀身が赤い剣は恐らく魔道具だ。その魔道具を一閃、現れた炎の剣戟は的に命中するなりヒビを入れた。
なるほど、第5位階魔法『紅蓮斬』か。まぁ悪くは無い、スピードも然り、威力も然り、中々のやつもいたんだな。
「す、すげぇ!ヒビを入れたぞ!!」
「あ、あいつ天才か!?」
「あいつ真紅の刻印だろ!?それであそこまでって.........」
などと口々に評価しているが鬱陶しい気持ちを前面に押し出して中に戻って行った。...........今こっちを見たな。
そこから次々と進むも、あれ以来的に傷が入った形跡などなく進み、最後に俺は呼ばれた。
「えっと、受けます?」
「もちろんです」
まぁ聞いてくるのはもちろんだ。その上で醜態を晒すなどと思っているのだろう。まぁ根底から覆してやるよ。
「おいおい、あいつ何やってんだ?詠唱は?」
「あいつ星宝の刻印だろ?無理無理、魔法なんか使えないって」
さて、どれで行こうか。ここは無難に火炎球でいいか。まぁオークの集落の時みたいに失敗はしない。さて、そろそろ魔術を起動させるか。
「お、おい見ろ!あいつの手に火の玉が!」
「嘘だろ!使えないはずじゃないのか!?」
まぁ的は3つあるし3つともでいいよな。さて、周りはどんな反応をするだろうか。別にどう思われようがほとんど興味などないが。
「ところで一つ、道っていうのは自分で切り開く物だ。そこで1つ、俺がお前達に享受してやろう」
放った魔術はそのまま3つの的全てに命中し、的を吹き飛ばした。地面は、その魔術が通った所だけ土が抉れている。
「俺が放ったまじゅ.........魔法のあとに文字通り道ができただろ?これでまたひとつ賢くなったな、良かった良かった」
「な、なんであいつが某奇妙な冒険の第3部の名言知ってるんだ!?」
「少し違うけどだいたいそうだよな!?あれ!」
さて、何を言っているのか。まぁ別に興味などないんだがな。これで星宝の刻印が魔法を使えると分かっただろう。まぁ魔法と言うより魔術なんだが。
コメント
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コメントを書くペンギン
鉛筆はあるんだ〜ww
そーす
ジョジョ草