グリーン・ニューディール政策研究会

本研究会は、研究者、超党派の政治関係者、そして多様な市民運動に携わるメンバーが、グリーン・ニューディールによる持続可能かつ公正な社会・経済への転換と、ポストコロナの新しい世界のあり方を研究・提言するため、2020年7月に設立しました。特に、世界のプログレッシブ(革新的)な政治勢力が掲げる、反緊縮経済理論を背景としたグリーン・ニューディールの研究と海外レポートの翻訳・紹介、そして日本版グリーン・ニューディール政策の作成・提言を行います。

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Webinar East Asia After the Pandemic Green New Deal & Green Recovery

Webinar East Asia After the Pandemic Green New Deal & Green Recovery:It was a success, Thank you for joining us.

The ENG and JPN versions of the discussion paper and the transcript of the Q&A can be DL HERE.

 

東アジアのグリーン・ニューディル&グリーン・リカバリー:パンデミック後を見つめて

ウェビナーは盛況のうちに終了することができました。ご参加ありがとうございました。パネリストのみなさんが、韓国、台湾、中国、日本のグリーン政策(GND)とその財源についてまとめた英語版・日本語版の発表資料と、質疑応答の書き起こしはこちらからDLできます。



【全文和訳】韓国版ニューディール総合計画ー先導国家へ跳躍する大韓民国への大転換(金根三訳、朴勝俊監修)

文在寅大統領「韓国版ニューディールは、未来を拓き跳躍させる“韓国大転換”宣言であり、韓国の新100年計画である」

 

2020年7月に発表された韓国版ニューディールは、デジタル・ニューディールとグリーン・ニューディ-ルを柱とし、2025年までにデジタル分野と気候変動・環境対策部門への大規模投資で成長を促進し、雇用を生み出そうとする国家計画である。しかし、その気候変動対策目標は不十分(※1)であるという指摘もあり、今後のどのように実施されるかに注目する必要がある。全文を和訳し、公開する。

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※1

イ・ユジン著/長谷川羽衣子訳:韓国の改革はグリーン・ニューディールと呼ぶべきではない

ホン・ジョンホ著/長谷川羽衣子訳:日本語版:韓国のグリーン政策「COVID-19時代の韓国のグリーンニューディール」


グリーン・ニューディールの資金調達(サザーランド 著、朴勝俊訳)

概要:大恐慌によって、ニューディールが後押しされた。経済を回復させ、貧困者や失業者を救済し、国内の金融システムの根幹を改革するためである。今日では、気候変動の差し迫った悪影響により、各国政府はこれに似たグリーン・ニューディールを提案している。最近、Energy Research & Social Science誌で、ガルビンとヒーリーは、米国のグリーン・ニューディール提案の経済的実行可能性と、広範な社会的・貨幣的・環境的インプリケーションを批判的に検証した。

 

 

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欧州グリーン・ディール全文和訳(長谷川羽衣子&朴勝俊訳)

2019年12月11日に公表された、欧州グリーン・ディールの全文和訳を公開します。

 

欧州グリーン・ディール

作成:欧州議会、欧州理事会、欧州閣僚理事会、欧州経済社会委員会、地域委員会に対する、欧州委員会のコミュニケーション

翻訳:長谷川羽衣子、朴勝俊

 

概要:欧州グリーンディールは、現在の世代にとって最重要課題である気候・環境関連問題への対応策である。2050年までに温室効果ガスの純排出をゼロにし、経済成長が資源利用量から切り離された、近代的で資源効率性の高い、競争力ある経済を実現し、EUを公正で豊かな社会に変えることを目的とした新しい成長戦略なのである。


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PARK , HASEGAWA and MATSUO "On the Anti-Austerity Green New Deal"

In response to the climate crisis and the growing inequality and poverty due to neoliberalism, a series of anti-austerity Green New Deal (GND) proposals have been presented in Europe and the United States since 2018. A GND is a radical policy approach combining environmental and economic policies. In order to mitigate climate change, the transition to a zero-carbon society needs to happen in a shorter timespan than was previously anticipated. Addressing this need, the GND calls for massive investments while also keeping in mind the ‘just transition’ of jobs as well as the rectification of injustices related to wealth, gender, race, generation and so forth. The approach is based on an anti-austerity economic theory, meaning that its main source of funding is not additional taxes but rather the mobilisation of large-scale private-sector funds (e.g. pension funds) and, for countries whose governments have the power to create money, deficit spending.

 

To cite this article: PARK Seung-Joon, Uiko HASEGAWA and Tadasu MATSUO (2020) “On the Anti-Austerity Green New Deal”, Review of Environmental Economics and Policy Studies, 2020, 13(1), pp. 27-41

Translation: Kenji Hayakawa

Supported by Heinrich Böll Stiftung, Hong Kong Regional Office


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米国 における グリーン・ニューディール とは 何か、その 資金は いかにして調達するか(ガルビン、レイ&ノエル・ヘリー著 朴勝俊訳)

オカシオ=コルテス下院議員とマーキー上院議員によって提起された米国グリーン・ニューディール(GND )決議と、バーニー・サンダース上院議員のより詳細な、完全なコスト表を含むバージョンの特徴を概説した論文を翻訳・公開する。


この優れた論文は、GNDの最も顕著な特徴のうちの 2 つ、マクロ経済学と気候変動対策と経済的不平等改善との表裏一体の結びつきに焦点を当てている。

特にサンダースGNDのコスト試算は必読である。

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ナオミ・クライン:バーニー・サンダース気候政策のリアリズム(山崎一郎訳)

「サンダースは大衆の支持を得ている。そしてそれが、彼のグリーン・ニューディールを最も現実的なものにしている。」

『ショック・ドクトリン』などで世界的に知られるジャーナリスト、ナオミ・クラインがバーニー・サンダースの気候政策のリアリズムを語る!

 

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米国連邦議会上院議員バーニー・サンダースの政策(cargo訳)

アメリカの連邦議会上院議員で、民主党の有力大統領候補としてヒラリー・クリントンやジョー・バイデンと接戦を繰り広げたバーニー・サンダースは熱狂的な支持者が多いことで知られている。彼の政策は国民皆保険や住宅保証、雇用保障、高等教育の無償化など、格差や貧困を是正し、公正な社会を築くことに重点を置いており、アメリカのプログレッシブ派(進歩派)の代表として知られている。また、彼はグリーン・ニューディールを主要政策に位置づけており、非常に野心的な産業・社会構造の転換を伴う、低炭素社会へのロードマップを打ち出している。これらはルーズベルトの大統領の政策を参考にしており、実に60 兆ドル(6600 兆 円 )規模の公共投資政策である。サンダースの政策の詳細と、その「財源」、そして経済顧問のひとりであるケルトン氏と共に練り上げた「21世紀の経済権利章典」を詳しく解説した。サンダースの政策を読み解くことよって、日本にも活用できる政策を検討し、世界の潮流となった反緊縮経済ロジックを学ぶ。

 

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20200302 サンダースの公約 ~グリーンニューディールについて Ver^J
PDFファイル 2.5 MB


アメリカ大統領選挙 民主党バイデン候補の気候変動・エネルギー公約(cargo訳)

グリーン・ニューディールを名乗らない、グリーン・ニューディール公約

11月3日、アメリカ大統領選挙が投開票される。民主党のバイデン候補は、トランプ大統領が軽視する気候変動問題に関して、画期的な公約を掲げている。100%再生可能エネルギー社会への移行である。これは民主党の大統領候補指名争いで最大のライバルだった、熱狂的な支持者を持つサンダース議員や、彼を支持したオカシオ=コルテス議員が掲げた「グリーン・ニューディール」を、その名称以外そのまま取り込んだものと言える。サンダースやオカシオ=コルテスらは、しばしば「過激な左派」というレッテルを貼られるため、バイデンは保守層や中道層の票を取りこぼさないために、敢えて「グリーン・ニューディール」という名称を全面に押し出さなかったと考えられる。コロナ危機からの経済回復は、持続可能な経済への公正な移行でなければならない。グリーン・ニューディールと同等の政策をバイデン候補が打ち出したいま、来たる大統領選の結果が、世界の未来を大きく左右する可能性もある。

 

ただし、バイデン公約の「イノベーション」という項目には「先進的な原子力」が含まれており、この点は批判的に検討されるべきである。

 

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※バイデンのグリーン・ニューディール的政策の日本語訳全文は、以下のPDFをDLしご覧頂けます。

ダウンロード
The Biden Plan for a Clean Energy Revolu
PDFファイル 1.2 MB
ダウンロード
The Biden Plan to Build a Modern Sustai
PDFファイル 772.0 KB


韓国の改革はグリーン・ニューディールと呼ぶべきではない(イ・ユジン著 長谷川羽衣子訳)

韓国は、気候変動に対処しながらCovid-19の経済的影響を緩和することを目的とした「グリーン・ニューディール」を打ち出した。しかし、温室効果ガスの排出量を削減するための目標が曖昧であり、クリーンエネルギーへの公正な移行を提示していないため、このプログラムはその名にふさわしくないものとなっている。韓国GNDは、期待はずれのグリーン刺激策パッケージに過ぎない。

 

この記事は、ハインリッヒ・ベル財団香港支局のHPに掲載された論考を日本語訳したものです。

財団と著者の許可を得て掲載します。

 

South Korea’s Reforms Should not be Called a Green New Deal

14 September 2020 By Lee Yujin

 

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気候・エネルギー政策評価用のエネルギー経済モデルにおける 金融部門と貨幣の役割(ヘクター・ポリット &ジャン・フランソワ・メルキュール著 朴勝俊訳)

気候政策の評価に広く用いられている応用一般均衡モデル(CGE)は、金融システムに関しては、現実に見られるものとは全く異なる仮定を置いている〔貨幣量は外生的で固定的であるとしている〕。この仮定のせいで必ず投資の「クラウディングアウト」が起こる。またCGEモデルの設計上の特徴のせいで、事実上すべてのケースにおいて、気候政策は(国内総生産(GDP)や経済厚生の観点からみて)経済に悪影響をもたらすという結果となる。
これに対してマクロ計量モデルは、不均衡の経済理論に基づいてより実証的なアプローチを採用しており、金融システムについてもより現実的な取扱いをしている。マクロ計量モデルは、環境分野への投資が必ずしも、他の分野への投資をクラウドアウトすることにはならず、経済に刺激を与える可能性があることを示す。

 

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ポストコロナの日本に反緊縮グリーン・ニューディールが必要なのはなぜか?(長谷川羽衣子)

新型コロナウイルスは新自由主義の限界を明らかにした。もはや、新自由主義にすり寄った中道路線や、誤った健全財政主義では危機を克服できない。左派リベラルは、経済回復を約束するグリーン・ニューディールを打ち出し、気候危機と経済危機、そしてあらゆる不平等に立ち向かうべき時である。

 

この記事は、ハインリッヒ・ベル財団香港支局のHPに英語で掲載された論考の日本語版です。

財団の許可を得て掲載します。

 

Heinrich Boell Stiftung Hong Kong
Why Japan Needs an Anti-Austerity Green New Deal After Covid-19
28 July 2020 By Hasegawa Uiko

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「反緊縮グリーン・ニューディールとは何か」『環境経済・政策研究』13(1)、pp. 24-41(朴勝俊・長谷川羽衣子・松尾匡著)

格差や貧困の拡大と,気候危機を背景として,2018年以降,欧米では反緊縮グリーン・ニューディール(GND)が相次いで提案されている.GNDは,環境政策と経済政策を統合させた急進的な政策案である.気候変動防止のために従来提案されていたよりも,早急に炭素排出ゼロ社会への移行を実現するために,巨額の投資の実施を求めるとともに,雇用の「公正な移行」の実現と,富や人種,ジェンダー,世代などに関わる不正義の解消にも注意を払っている.また反緊縮の経済理論に基づき,資金は主に増税によってではなく,年金基金等の巨額の民間資金の誘導と,(通貨発行権を有する国々の場合は)赤字支出でまかなうことを求めている.

 

※環境経済・政策学会のHPから全文をDLしてご覧下さい
https://www.jstage.jst.go.jp/article/reeps/13/1/13_27/_article/-char/ja/