中京大学はだいじょうぶか/情報公開制度の有無を職員答えず

 大内裕和教授の盗用疑惑問題(注・私は「盗用」「パクリ」と断言してよい内容だと考えているが、大内氏が否定し、中京大も不問にしているので、一応「疑惑」をつけておく)について、中京大学に研究倫理違反で告発していた件で、同大学倫理委員会は予備調査をした上で「本調査不要」との結論をだした。

 調査をすればなんらかの問題があるとの結論をださざると得ないことが明白であるからこそ、あえて門前払いをしたのではないかと疑わざるを得ない、理不尽な結果である。

 この結論に至る状況を知ろうと、数日前から再三にわたって「情報公開手続きや告発調査の結果に対する異議申し立ての手続き(の制度があるかどうか、あればその方法)について教えてほしい」との問い合わせを、告発の窓口になっている部署に対して行ってきた。

 一向に返事がないので、昨日、大学の代表電話に電話をかけて「情報公開制度について教えてほしい。担当部署につないでほしい」と伝えた。応答した職員はとまどった様子で、電話を保留にした。しばらくまった挙句に出てきたのが「広報課」の職員で、やおら「なんでしょうか」と尋ねてきた。こちらはもう一度いちから説明をした。

 「情報公開の制度があるかどうか、あれば手続きを教えてほしい」

 これに対する広報課職員の応答に、筆者は驚いた。彼は動揺した口調で、私が誰なのか、なぜ情報公開を求めるのか、目的は、などと「尋問」をはじめたからだ。そして、情報公開制度があるかどうかすら答えないまま、「利害関係者しかだめです」と言い捨てた。

 「利害関係者なのですが。ともかく制度があるかどうか教えてもらえませんか」

 そういうと、職員は「どういう利害関係ですか」とまた尋問を続けようとした。どうやら、情報公開というものの概念自体がわかっていないらしいと感じた私は、こう尋ねた。

 「あなたは情報公開制度の担当者ですか? この電話は情報公開手続きの一貫なのですか?」

 「ちがいます」と職員は答えた。

 「だったら、だれがどういう内容で情報公開を求めているかをあなたに言う必要はないじゃないですか。制度を教えてもらえればいいのですよ」

 「ああ。そうですか。じゃ調べて連絡します」

 相手はそう言って電話を切った。午後5時少しまえであった。すぐに返事があるかと待っていたが、とうとうこの日は連絡はなかった。

 私立大学という公的な性格をもつ大きな規模の法人でありながら、情報公開制度があるかどうかすら即答するできない。情報公開に対する姿勢はその組織や社会の健全化と深く関係している。中京大は情報公開については遅れているようだ。つまり組織に問題がある恐れがある。

 

 

中京大は「コピペ天国」大学か?/大内裕和教授の「盗用疑惑」を「調査不要」と結論

 大内裕和中京大教授が、筆者の著作物から複数か所にわたって盗用を行った疑いがある問題で、かねて研究倫理違反で告発をした中京大から結果通知が届いた。

 通知文はわずか1枚。予備調査の結果「告発により指摘された研究活動に係る不正行為の疑いがあることについては確認できなかった」として、本調査を実施しないとのことである。

 筆者が問題視している大内氏の記述については、本ブログで具体的に述べてきたとおりだ。

「若者のミカタ」で売り出し中、大内裕和中京大学教授の「奨学金本」は盗用だらけのトンデモ本だった!(1)
「若者のミカタ」で売り出し中、大内裕和中京大学教授の「奨学金本」は盗用だらけのトンデモ本だった!(2)
「若者のミカタ」で売り出し中、大内裕和中京大学教授の「奨学金本」は盗用だらけのトンデモ本だった!(3)
「若者のミカタ」で売り出し中、大内裕和中京大学教授の「奨学金本」は盗用だらけのトンデモ本だった!(4)
「若者のミカタ」で売り出し中、大内裕和中京大学教授の「奨学金本」は盗用だらけのトンデモ本だった!(5)
大内裕和中京大教授の「奨学金本」にあらたな疑問点発覚 ーー回収手順の無理解か、それとも意図的なごまかしかーー
大内裕和中京大教授の「奨学金本」に出庫停止措置
【訂正】大内裕和中京大教授、雑誌『選択』の三宅記事からも盗用!
大内裕和中京大教授から回答届く 「盗用・剽窃ではない」
大内裕和・中京大”盗用”教授の見苦しい言い逃れ
大内裕和中京大教授に盗用新発覚!/『選択』三宅記事を『JP総研リサーチ』に流用
大内裕和中京大教授、続々と盗用発覚!/『ヒューマンライツ』誌の記事にも流用
大内教授の盗用、とどまるところを知らず/講演録でも三宅記事を堂々無断流用
大内裕和中京大教授、学生向け講演でも盗用ネタを披露
大内裕和中京大教授、雑誌『貧困研究』掲載記事でも盗用発覚
大内裕和中京大教授、雑誌『人間と教育』掲載記事でも盗用発覚
大内裕和中京大教授、雑誌『Journalism(ジャーナリズム)』でも盗用ネタ使い回し
大内裕和中京大教授、『現代思想』の寄稿文にも「盗用」ネタ
大内裕和中京大教授の「奨学金」”盗用”記事は文科省助成研究だった!
大内裕和中京大教授、「盗用ネタ」初披露は大阪弁護士会主催の講演か

 中京大の研究倫理委員会によれば、これらの記事で筆者が指摘した問題は、すべて調査の必要すらない「正しい」研究活動らしい。コピペ(丸写し)も問題なし。やり放題。大内先生のように学生たちも写しなさい――そんなメッセ―ジを大学が出している。これが日本の学問の現状だ。国際的な比較においてレベル低下が指摘されているが、さもありなんである。

鹿児島県への質問状

 鹿児島県知事記者会見への参加を地元「記者クラブ」が妨害した問題で、鹿児島県に質問状を出しました。ここに転載します。

■関連記事
〈知事「定例会見」取材を必死で妨害する”サル山系”記者クラブ「青潮会」は鹿児島県の私兵か?〉
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鹿児島県御中

 ジャーナリストの三宅勝久と申します。以下、知事定例記者会見について、取材の一貫として質問いたします。ご回答ください。

・前提事実
(7月28日の出来事について)
 2020年7月28日、鹿児島県本庁舎内で開催された知事就任記者会見に私は取材目的で参加を希望し、会見場の受付をしていた県職員にその旨を伝えました。
 当該職員は、任意団体「青潮会」の会員を名乗るメディア企業社員らに受付事務を委ねました。
 当該メディア企業社員らは、私が「青潮会」の規約に基づいた事前申請手続きをしていないことを理由に、取材することはできないなどと述べ、入り口に立ちはだかって入室を妨害しました。
 私は、「青潮会」会員と名乗るメディア企業社員らに対して、私の職業がジャーナリストであることを証明するため、経歴を記載した著書を提示するなどしました。しかし「青潮会」会員らはそれを一瞥することすらなく妨害を続け、ついに知事記者会見を取材をすることはできませんでした。

質問1 以上の事実を県としてご存知ですか。

質問2 知事記者会見が開催された部屋の名称と庁舎管理責任者を教えてください。

・前提事実
(「青潮会」の規約について)
 なお、青潮会の規約(公開されていない)を後に確認したところ、次の内容だとのことでした。

 青潮会が主催する記者会見について、青潮会非加盟の記者であっても、次の1〜8に該当し、青潮会幹事社を通じて事前申請して認められた者は参加できる。
 1.一般社団法人日本新聞協会会員社に所属する記者 
 2.一般社団法人日本民間放送連盟会員社に所属する記者 
 3.一般社団法人日本雑誌協会会員社の所属する記者
 4.公益社団法人日本専門新聞協会会員社に所属する記者
 5.一般社団法人日本インターネット報道協会法人会員社に所属する記者
 6.公益社団法人日本外国特派員協会会員社に所属する記者、および外国記者登録証を保持する者
 7.上記に該当しない記者で、上記の中に掲げる企業・団体が発行する媒体に記事等を定期的に提供し、記者としての実績を有する者
 8.鹿児島県内の記者クラブ加盟社に所属する記者

質問3 「青潮会」の上記規約内容を7月28日当時、県として把握していましたか。

質問4 上記規約は、特定の業界団体に属する媒体に「定期的に」記事を発表している者以外は、知事会見に参加できないという内容になっています。また、最終的には青潮会が許諾を行う仕組みになっており、その判断基準は明確ではありません。県知事が広く県民や住民らに向けて説明責任を果たす場であるはずの記者会見がこのような不透明な形で行われている現状について、妥当だとお考えですか。

質問5 県が作成している「青潮会」名簿について、この作成作業の手順を教えてください。

以上

2020年12月20日

情報公開手数料の納入通知書発行を拒みつづける神奈川県

 法律や条例による情報公開制度は、日本が真の民主的社会になるための重要な制度であり、市民の権利だと筆者は常日頃感じている。それが少しでも良いものになってほしいと、微力ながら折をみて各地の行政機関に対して提言している。郵送による写しの交付を受ける際の手数料の納入方法問題もそのひとつだ。

 かつてはほとんどの都道府県が、現金書留による送金を請求者に要求していた。納入通知書を発行すればもよりの指定金融機関から確実かつ手数料なしで納付できるにもかかわらず、あえて540円(現在)もの費用を負担させて現金を送金させていた。

 あまりもの不合理さに筆者は、ほぼ全国の都道府県に改善を求め、現在では私が暮らす東京都をはじめ大半の都道府県で納入通知書による納付が可能となっている。

 だが、今なお頑なに現金にこだわっている自治体もある。杉並区や板橋区をはじめ東京23特別区の大半、そして首都圏の都道府県では神奈川県が現金主義だ。

 先日も神奈川県から情報公開の開示決定通知とともに、手数料を現金書留か郵便普通為替で送れ、それ以外の方法で送った場合は発送人負担で返送する――といった、高所から見下ろす筆致のいかにも役人目線の内容の手紙がとどいた。手数料はコピー代280円。それを送るのに500円以上を自分で負担しろ、万が一届かなかったり、送り方が指定方法とちがったら受取人負担で送り返すぞというわけだ。

 納入通知書なら手数料は不要だ。むろん、これまでも再三、納入通知書を発行せよという要求を神奈川県に対しても行ってきた。「検討している」との回答はあったが、いったいいつ実現するのかは不明。やる気をまるで感じない対応なのだ。

 改善を促すため、納入通知書の発行を求める手紙を送った。これで変わらなければ裁判に訴えることを考えている。

関連記事
http://miyakekatuhisa.sakura.ne.jp/wp2/archives/4441

「週刊金曜日」最新号に防衛大虐待事件の記事

 おはようございます。記事のご案内です。
 今週発売の『週刊金曜日』に先日福岡高裁で、元防大生の逆転勝訴判決があった防大虐待事件の記事を書いています。また、社会新報の最新号に、安倍前首相の政治資金に関する記事が載っています。私も協力しています。どうぞご覧ください。
 
 
 

片山善博著『知事の真贋』(文春文庫)に学ぶ「コロナ対策」迷走の原因

 昨日、偶然立ち寄った書店で『知事の真贋』(片山善博著、文春文庫)という新刊書をみつけて買い求めた。片山氏は総務大臣、鳥取県知事を務めた経験があり、地方行政に通じている人である。専門的な問題が多く出てくるにもかかわらず、わかりやすい筆致で書かれており、1時間ほどで読み終えた。

 コロナ感染症問題に対する地方行政や議会、国の施策、国会の役割と問題点が、具体的に指摘されている。あらためて思ったのは、専門家がみればあきらかに違法、または違法の疑いが濃厚なことがいくつもなされており、よくない結果を招いてきたことだ。しかも、その違法性に、施策を担う知事や政府、議員らも気づいていないと思われるケースが多々あるという。

 私がここで、何がどう問題なのかを明するにはもういちど復習する必要がある。あらためて読み返した上で機会をあらためて記述したい。

 読者各位におすすめしたい一冊である。