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昨日 えびす座お願いした 赤松や。
上がらしてもろて よろしか。
(吹き出す音)
(青田)何や これ…。(千代)お口に合いまへんか?
辛口のお酒がお好きや言うてはったさかい。
(青田)何さらすねん おんどりゃあ…!
あんたらみたいなもんにはそれで十分や!
次は何入れるか分かれへんで。
死にとなかったら はよ帰り!何やと コラ!
(シズ)やめとくれやす!
♪「オレンジのクレヨンで描いた太陽だけじゃ」
♪「まだ何か足りない気がした」
♪「これは夢じゃない(夢みたい)」
♪「傷つけば痛い(嘘じゃない)」
♪「どんな今日も愛したいのにな」
♪「笑顔をあきらめたくないよ」
♪「転んでも ただでは起きない」
♪「そう 強くなれる」
♪「かさぶたが消えたなら」
♪「聞いてくれるといいな」
♪「泣き笑いのエピソードを」
♪~
赤松様 粗相の数々 えらいすんまへん。
けど ここは 芝居見に来はるお客さんのための茶屋だす。
お騒ぎになるだけやったらよそへ行っておくれやす。
お頼申します。
まあ 今日は女将の顔に免じて去んだるわ。
(富士子)あっ あの… お代…。
それやったら そいつに払てもろてくれ。
あんたら お父ちゃんの借金取りか?
そや。
2,000円も借りとんねんであんたのお父ちゃん。
2,000円いうたら千代ちゃんが何年ただ働きしてもまだ返しきれへんぐらいのどえらい金額です。
代わりに払てくれるか?
何で うちが。(赤松)決まっとるやんけ。
血ぃつながった娘やさけな。
お父ちゃん助けたってえな 千代ちゃん。
(テルヲ)借金で首回らんようになってな千代を料理屋に奉公さしたら借金半分に減らしたる言われたんや。
ほな またな。行くど。へえ。へえ。
♪~
えらい迷惑かけてしもてほんま すんまへんだした。
話は分かりました。
仕事戻り。
うち このまま ここにいててもよろしのだすやろか?
邪魔やなあ!
次の日から 岡安の周りには借金取りの男たちがうろつくようになりました。
おおきに。(節子)えっ? ちょ… ちょっと!
こない ようけのお弁 頼んでへんけど。えっ!
(節子)え~ どないしょ…。
(玉)ご寮人さん これ…。
一体 どないしましたんや?(玉)幕間にやられたみたいで…。
千代ちゃんを岡安に居づろうするためにありとあらゆる嫌がらせやりよりましたんや。
ほんま ひどい連中ですわ。
ほな また よろしゅうお願い申します。
また取りやめだすか?清水屋さん。 急用が入ったて…。
これで5軒目や。
(菊)明日 鶴亀座10名様。
へえ かしこまりました。
(ぼたん あやめ)ほな 行ってまいります。(菊)行っておいでやす。
一方 ライバル茶屋の福富はえらい繁盛してました。
(椿)お待っとさんだした。
(伊藤)えらい繁盛してるな。
いや いつもどおりだす。
(笑い声)
ほな。(菊)行っておいでやす。
(福助)なんとかしてくれ。僕 芝居茶屋なんて継ぎとないんや。僕は これで食べていきたいねん。
(トランペットの音)
(みつえ)何が言いたいの。
うちが また景気悪なるよう岡安を元どおり繁盛さしてえな。
あんた 親泣くで。
あの千代いうお茶子のせいなんやろ。追い出したらええやんか あんなん。
親に捨てられたら どないする?
何や いきなり。そないなこと分かるかいな。
うちもや。 分かれへん。
あの子が これまでどんだけ しんどい思いしてきたんか…うちらには きっと 一生分かれへんわ。
せやさかいあの子 追い出すようなまね でけへん。
ほんなら… 岡安は じき潰れんな。
時間の問題や。
潰れへん!
えっ… おい おい…。
ええ~っ! また!?
ええ~っ! ちょっと~!おい みつえ!(みつえ)うるさい!
(千之助)ああ~!
おい! 何じゃ さっきの芝居は!
セリフは飛ばすわ 段取りは間違うわ…お前 なめとるやろ おら!
(一平)千さんが勝手にセリフ変えるからや!
笑いとれたら 何でもよろしいんですか。
離せ コラ!
わしは喜劇役者じゃ。
お前は何者じゃ。 ああ?笑えん喜劇に何の意味があるねん。
(天晴)それぐらいで もう 千さん!離せ コラ!
(千之助)どかんかい。
え~。アハハハ。あ~ ハハハ。
飲みまひょ飲みまひょ。 フフフ。
飲め飲め。 いい いい。おおきに。
(ハナ)千之助さんにこっぴどう やられたんやて?その腹いせに また芸子遊びだすか。
あない勝手なやつつきおうてられんわ ほんま。
ボンやん 役者辞めた方がよろしな。
あんた 芝居 愛してへんやろ。
♪~
ぬくまったな。 なあ さっちゃん。(里子)へえ。
千代ちゃんもな。そうだすな。
さっちゃん 怖がらして堪忍な。相手したらあかんで。
せやな。 はよ帰ろ。
せやさけ言うたやろ。どねなっても知らんて。
どの口が言うてんのや。全部 お父ちゃんのせいやろ。
お父ちゃんかて何されるか…。おまん それでええんけ? 寂しないんけ?
寂しないはずあれへんやないですか。ええんだす お玉さん。
ええことない!
千代ちゃんは この8年いっぺんも道頓堀から出てへん。
何でか分かりますか?
おいとま貰ても千代ちゃんだけ帰るとこなかったんだす!
せやさかい… せやさかい…お父ちゃんが迎えに来て帰るとこ できたてほんまに うれしそうやったんだす!せやのに あんまりや!
もう 千代さん苦しめんといてください。お願いします!
お願いします!
(テルヲ)千代… こない ええ子ら巻き添えにしてええんけ?どねやねん 千代。
うちらは だんない! 千代ちゃん!
おおきに お玉さん。
さっちゃんも おおきに。
うち 岡安 出ます。
お父ちゃんの言うとおりにしたげる。
ほんまけ 千代。そいでこそ わいの娘や。
お父ちゃん 信じてたで。
あかん! そないなことあかん!千代ちゃん!
(里子)千代さん!千代ちゃん あかん!
(里子)千代さん!(玉)あかん! 千代ちゃん!千代ちゃん!(里子)千代さん!
長いこと お世話になりました。
それで よろしいのやな。へえ。
そない しんみりせんといとくなはれ。
あない どないしょうもないお父ちゃんやけど 見捨てられしまへん。
(宗助)せやけどやなあ…。
分かりました。シズ。
(シズ)あんたを ひいきにしてくれてはるお客さんへの義理もあります。
あと7日 天海一座が千秋楽迎えるまではうちで働いてもらいます。
へえ。 ほな ごめんやす。
♪~
ほんなら 姐さんは千代が辞めてもええんだすか?
誰も そないなこと言うてへんやろ。言うてるようなもんやん。
(富士子)言うてへん!(玉)もう姐さん今 ケンカしてる場合ちゃいますやろ。
皆さん ご迷惑おかけしてほんま すんまへんだした。
千代さん 辞めんといてください。おおきに さっちゃん。
心配せんかてええ。うちらが なんとかしたるさかい。
(富士子)なんとかて どないすんねんな。(節子)今 考えてるとこだす。そっちこそ 考えたらどない。(富士子)考えてるわ。
♪~
ちょっと休んだら どや。
あとちょっと。
肩 もんだろか。
何だす? 珍しい。
そやな。 やめとくわ。
おおきに。
だんない。 なるようになりますがな。