TOPへ
January 11 2018 By 小林 香織

かめはめ波が現実に!ARで楽しむテクノスポーツ「HADO」世界最強チーム「わちゃごな☆ピーポー」を直撃取材(前編)

わちゃごな☆ピーポー

撮影:BAYAFILM

アニメ「ドラゴンボール」で描かれるかめはめ波、ゲーム「ストリートファイター」で繰り出される波動拳を現実世界で打つことができたら。

テクノロジーの進化によって、そんな誰もが憧れた二次元の世界が再現できるようになった現代。「AR」という言葉は徐々に世の中に浸透しつつある。

今回取り上げる「HADO」は、このAR技術を駆使したテクノスポーツであり、アニメの世界に入り込んだような錯覚に陥りながら、仲間と連携して勝負を決する興奮を味わえる、いわば「未来のスポーツ」なのだ。こちらは、第2回目となる世界大会「HADO WORLD CUP 2017」の決勝戦の様子。

各チーム3人のプレーヤーがフィールド内を縦横無尽に動き回り、自らの腕を使ってエナジーボールを発射。攻撃とバリアを使い分けながら、敵プレーヤーの周りに生えたライフと呼ばれる「羽」を撃ち抜き、より多く命中させたチームが勝利する。

わちゃごな☆ピーポー

一見ルールは単純そうだが、腕に取り付けるアームセンサーの数値を変化させることによって、エナジーボールの大きさやスピードなどを細かく調整できるうえに、仲間との連携も必要になる。実は、いくつもの要素が絡み合った奥深いスポーツだ。

年齢性別問わず楽しめる日本発祥のHADOは、現在、ベトナム、シンガポールなどの東南アジアやアメリカにもプレーヤーが拡大。今後ますます発展していく可能性を秘めている。

HADO WORLD CUP 2017の王者「わちゃごな☆ピーポー」

わちゃごな☆ピーポー

わちゃごな☆ピーポーのメンバー(左からKodai、まつゆか、TAKA、Raimu)

HADO WORLD CUP 2017において、世界中から選抜された12組のチームの頂点となったのが、日本で活動する「わちゃごな☆ピーポー」。2016年11月に結成し、HADOを始めて約1年という短い経歴ながら、持ち前のセンスの良さと妥協なしの努力で世界一になった勢いのあるチームだ。

まずはメンバーの自己紹介から。

  • 室前貴則(むろまえ たかのり)/TAKA(39歳)
    わちゃごな☆ピーポーの初期メンバーであり、リーダーを務める中心人物。会社員の傍ら、ダンス、HADOとスポーツざんまいの日々を送る。
  • 箱崎航大(はこざき こうだい)/Kodai(25歳)
    TAKAと同じく、わちゃごな☆ピーポーの初期メンバーとしてチームを引っ張る。本業は会社員ながら、ダンス、HADOに明け暮れた日々を送る。
  • 木村來夢(きむら らいむ)/Raimu(25歳)
    世界一を目指すために2017年1月、チームに加入。本業はダンサーで、バックダンサーや振り付けなどダンス中心の日々を送りつつ、HADOにどっぷりハマっている。
  • 松葉有香(まつば ゆか)/まつゆか(29歳)
    天性のセンスを買われ、2017年8月にチームに加入。マラソン、テニスなど多数のスポーツに触れつつ、現在はHADOが一番の趣味。本業は会社員。

4人のうち3人がダンサーである、わちゃごな☆ピーポー。まだまだ世間に浸透していないHADOと、彼らはどのようにして巡り合ったのだろうか?

わちゃごな☆ピーポー

わちゃごな☆ピーポーの練習試合の様子

「友人のFacebook投稿でHADO WORLD CUP 2016が開催されることを知って『おもしろそうだな』と思って、ダンサー仲間に声をかけて一緒に応募したんです。初めてHADOをプレーしたのは、大会前日の体験会。ほぼ初めてなのに大会では4位入賞と、かなりの好成績でした」(TAKA)

「僕はTAKAさんに声をかけてもらったダンサーの1人でした。それまでARなんて触れたことがなく、初めて見た二次元の世界に興奮したことを覚えています。2016年の世界大会では個人戦もあったんですが、TAKAさんが4位、僕が2位でした。ダンスをやっていて基礎体力があったことが有利に働いたのかもしれないですね」(Kodai)

「私は『HADOで世界一を目指したい』と言われて、友人のKodaiにチームに誘われました。彼らと一緒に世界一になりたいという気持ちでチームに加入したので、最初からずっと本気です(笑)」(Raimu)

わちゃごな☆ピーポー

TAKAとRaimu

ダンサー同士である3人とは対象的なのが、加入歴の最も浅いまつゆかだ。

「私は知り合いに誘われて、HADO WORLD CUP 2016に別チームで参加していました。HADOはそれきりでしばらく離れていたんですが、今年の7月に『わちゃごな☆ピーポー』の練習に参加する機会があり、そこでメンバーにセンスを認めてもらって、チームに加入したという流れです。世界一を目指せるなんて夢があるし、このチャンスを逃すわけにはいかないなって」(まつゆか)

こうして集まった4人のメンバーは緻密に作戦を練り、自分たちの特性を生かした「攻撃特化型」のプレーで、見事、世界一の栄冠を手にしたのだ。

2日に1回の練習。No.1を夢見てHADOにささげた日々

わちゃごな☆ピーポー

2017年の頭、メンバーはHADO WORLD CUP 2017でNo.1を目指すことを決めた。とはいえ、まだ現実味はなく練習も本格的ではなかった。「最初は僕1人が暴走しているような感じで、チームはバラバラでした」とTAKAは話す。

しかし、練習や小さな試合を何度も重ねるなかで徐々に他のメンバーの気持ちに変化が表れる。

「異次元に入り込めるARの世界観に魅了されたこともありますが、本気のプレーヤーが集まる試合で戦ううちに、心の底から『勝ちたい』という気持ちが湧いてきて。本気で世界一を取りにいこうというスタンスに変わりました」(Kodai)

わちゃごな☆ピーポー

まつゆかとKodai

団結を深めていく中で、4人目のメンバーまつゆかが加入し、新生「わちゃごな☆ピーポー」は本格的な練習を開始する。

「12月に行われる本番に向けて8月から練習のペースを上げていき、11月は2日に1回の頻度で練習をしました。時には激しく意見がぶつかることもありましたが、メンバー全員がメキメキと上達するのを実感し、他チームと一緒に行った大会前の練習会ではぶっち切りの強さでした」(Taka)

「私はダンサーの仕事が忙しく、なかなか練習に参加できず『メンバーの足を引っ張ったらどうしよう』と不安がありました。でも、練習に出られない分、移動中にライバルチームの映像を見て分析したり、自分にできることに取り組みながら過ごしていました」(Raimu)

それぞれが仕事を終えてから集まり、体力の限界まで練習を重ねた。まだまだ開拓中のスポーツであるため、必勝法もわからない。探り探り歩んできた道が間違っていなかったことは、2017年12月3日、「HADO WORLD CUP 2017」の会場で証明されることになる。

 

HADO公式サイト:http://meleap.com/
わちゃごな☆ピーポー 公式Facebook:わちゃごなピーポー×わちゃわちゃピーポー
わちゃごな☆ピーポー 公式Twitter:@wachagonna_hado
わちゃごな☆ピーポー 公式Instagram:wacha.gonna.people

 

(取材・文:小林 香織)

小林 香織

小林 香織 Facebook Twitter Blog

1981年、埼玉県生まれ。2014年ライターデビュー。本名とペンネーム「恋する旅ライターかおり」を使い分けながら、WEBメディアを中心に、【働き方、ライフスタイル、旅、恋愛、スポーツ】など幅広く執筆。東京を拠点に、ときどき国内外を旅しながら旅と仕事を両立している。ライターとして叶えたい夢は、人生の選択肢を提供することで、誇れる人生を選びとれる人を増やすこと。地球上にあふれるトキメキをありのまま届けること。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

April 19 2017 By ゆるすぽ編集部

老若男女、国境を超えて誰もが一緒に楽しめるスポーツプログラム「FOOT SHOT」とは?

春の暖かな日差しの中、子どもたちが何度も何度も小さなゴールに向かって楽しそうにボールを蹴っていた。

今回取材したのは、「FOOT SHOT」(フットショット)というニュースポーツ。FOOT SHOTは埼玉県さいたま市発祥の、全く新しいスポーツプログラムだ。

こんなゴール見たことない!? 作戦、駆け引きは無限大!

プレーの仕方は、実にシンプルである。サイズや形状の異なる7つのミニゴールに対して、ボールを7球蹴る。各ゴールには、縦、横、斜めにゴールインを阻むバーが付いていたり、ボールを浮かせて上から入れる籠状のゴールがあったり、それぞれ特徴が違う。難易度により1点から8点までのポイントが設定されており、ゴールインにより獲得したポイント数を競い合うというものだ。

footshot 01

ゴールインすると獲得できるポイントは、左から順に①1点、②2点、③3点、④4点、⑤左下に入ると5点、右上に入ると7点、⑥6点、⑦8点(写真提供:FOOT SHOT普及委員会)

狙うゴールの正面にボールを置いて蹴るのだが、未就学児は5メートル、小学校1~3年生は8メートル、小学校4年生以上は11メートル離れた場所から蹴る。横幅が大きいタイプのゴールは幅90センチ×高さ65センチ、横幅が小さいタイプのゴールは幅60センチ×高さ65センチであるため、11m離れた位置からだとかなりゴールが小さく感じ、難しいと思う人も多いそうだ。

footshot 02

2016年10月10日「多摩スポーツセンタースポーツフェスティバル」にて(写真提供:FOOT SHOT普及委員会)

さて、このFOOT SHOT、プレーの仕方はシンプルだが、作戦を考え実際にやってみると、実に奥深い。7球のボールを蹴る際、どのゴールから狙っても構わないのだが、一度ゴールが決まったらそのゴールを再度狙うことはできない。ウォーミングアップがてら1点の簡単なゴールから着実に点を積み上げていくもよし、難易度が高く面白そうな8点のゴールから狙って一発高得点を狙うもよし、だ。

footshot 03

籠状の8点のゴールは人気が高く、男の子は必ずといっていいほどチャレンジしていた

狙ったゴールと違うゴールに入った場合でも、そのゴールがまだ決めていないゴールであれば、ポイントを獲得することができる。

しかもこの競技は、一人ずつプレーするだけでなく、複数名同士でのチーム対戦も可能であるため、誰がどのゴールを狙うか、そしてその順番など、相手チームとの駆け引きを楽しむこともできる。

よちよち歩きの2歳児から、マサイ人まで!? 誰もが楽しめるスポーツプログラム

さて、このFOOT SHOTは一体どのようにして生まれたのだろうか。

開発者にお話を伺ってみると、きっかけは、ある日自宅の庭で、子どもが遊んでいる姿を何げなく見ていた時のことだったという。

当時まだ2歳だったその子は、誰に教えられたわけでもないのに、あるじのいないまま置かれていた犬小屋の入り口をゴールに見立て、ゴムボールを蹴って遊んでいたという。それを見た開発者は、「“何かに向けてボールを蹴る”という行動は人間の本能に起因するものなのではないか? だとしたら、“何かに向けてボールを蹴る”ことにフォーカスすることで、老若男女を問わず世界中の誰もが気軽に楽しめる新しいスポーツプログラムをつくることができるのではないか」という考えに至ったそうだ。

ボールを蹴るアトラクションとしては、既に「キックターゲット」が広く知られているため、それとは全く違うオリジナルゴールをつくること、そして、サッカーの技量差の出にくいプログラムにすることにはとことんこだわった。全くゼロの状態からゴールの形状を考え、工夫し、改良を重ねプログラムを完成させたのだ。

その考えの通り、FOOT SHOTはボールを蹴ることができれば誰もが一様に楽しむことができるスポーツとなっている。これまでプレーした最少年齢は2歳、最高年齢は70代のおじいちゃんだったそうだ。老若男女誰であろうとも、自分のタイミングと力加減でボールを蹴るだけなので、けがの心配もほとんどない。

footshot 04

2017年4月3日「第3回フロンタウンさぎぬま春遊び」にて

サッカーやフットサルの選手が高得点で勝つかというと、必ずしもそうではない。地道に真っすぐ転がしてポイントを稼ぎ、主婦や女の子がサッカー経験者に勝ってしまうということもある。

footshot 05

2017年4月3日「第3回フロンタウンさぎぬま春遊び」にて

障害のある方も、これまでに多くの方がプレーしている。例えば目が不自由な方がプレーする場合、蹴る前にまずゴールを触ってもらい、形状を把握してもらう。実際に蹴る時には、ゴールポストをたたいて音を出し、ゴールまでの距離感や位置を伝えながら蹴ってもらうそうだ。

また、海外の方にももちろん楽しんでもらうことができる。とあるイベントでFOOT SHOTを行っていた際、こんなことがあったそうだ。別の出し物の出演者として訪れていたマサイ人の男性が、FOOT SHOTの方へと近寄ってきた。スタッフは、マサイ語はもちろんのこと英語も話すことができず、ルールを説明することができなかったのだが、その男性はすぐにゴールに向かってボールを蹴り始めたという。しかもタイヤで作ったゴム草履で。

「ボールとゴールがあれば、たとえ言葉が通じなくても誰もが『狙って蹴るんだな』って分かるんですよね。8点の難しいゴールが決まると『ワーッ!!』って喜ぶのも、みんな一緒です」と開発者は話してくれた。

初めて体験デモを行ったのは2011年のことで、それから毎年各種イベントで実施回数を伸ばしてきたが、普及に関してはまだまだこれからだという。

今後の目標としては、学校やスポーツ施設、レクリエーション施設、商業施設などさまざまな場所にゴールが設置されること、全ての都道府県でイベントを実施すること、そして全国大会を開催することを目指しているそうだ。もちろん、海外へ普及させることも夢なのだそう。「全くのゼロベースから始めたものを一体どこまで広げることができるのか、ワクワクしながらやっています」とのこと。

また、「パーフェクト達成者をこの目で見る」ことも夢なのだそうだ。いまだかつて7球蹴って7つのゴール全てを決めた人はいないそう。皆さんもぜひパーフェクトを目指してチャレンジしてみてはどうだろうか?

▼FOOT SHOT普及委員会
Facebook:https://www.facebook.com/footshotcommittee
E-mail:footshot1211@gmail.com

ゆるすぽ編集部

ゆるすぽ編集部

“みんなでつくるスポーツニュース”をコンセプトにwebサイトを展開。(http://www.yurusupo.com/)ファン目線を大事にし、スポーツニュースで報道される以外のさまざまなスポーツネタをゆる~く紹介しています。「ボーダレス」にも記事を展開。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう